最新パーツ性能チェック 第411回

DLSS FG対応ゲームではRTX 30シリーズとどう変わる？

流行りのAI処理でもパフォーマンスを徹底検証！GeForce RTX 4070レビュー【後編】

DLSSで旧世代との差が開いた
「Microsoft Flight Simulator」

　「Microsoft Flight Simulator」はAPIをDirectX 12、画質は“ULTRA”、アンチエイリアスは“TAA”、カメラは常時機外後方に設定。ランディングチャレンジ“シドニー”で一定時間飛行した時のフレームレートを計測した。

Microsoft Flight Simulator：DirectX 12 API、1920×1080ドット時のフレームレート

Microsoft Flight Simulator：DirectX 12 API、2560×1440ドット時のフレームレート

Microsoft Flight Simulator：DirectX 12 API、3840×2160ドット時のフレームレート

　CPUに盛大なボトルネックを抱えるゲームであるため、今回の検証環境ではフルHD時でも平均80fpsあたりで頭打ちになる。描画負荷を上げ4Kになって初めて、GPUスペックの差からRTX 4070 Tiと4070の差が開く。だがどちらにせよ、このフレームレートでは快適なゲームとは言えない（CPUをRyzen 7 7800X3Dなどに変えるという手もあるが、それはまた別の話）。

　次はDLSS SR“パフォーマンス”とDLSS FGを利用した時のフレームレート検証だ。このゲームではアンチエイリアスとDLSS SRは排他となっている。

Microsoft Flight Simulator：DirectX 12 API、2560×1440ドット＋DLSS SR/FG有効時のフレームレート

Microsoft Flight Simulator：DirectX 12 API、3840×2160ドット＋DLSS SR/FG有効時のフレームレート

　CPUバウンドのゲームであるほどDLSS FGの輝きが増すが、このゲームはそれがよく表れている。RTX 3080はDLSS SRを使っても4Kで平均75fps程度にとどまっているが、RTX 4070でDLSS SRとFGを利用することで平均フレームレート90fps以上、最低フレームレートも80fps以上でキープしている。

　DLSSを使うとWQHDではフレームレートが伸びるが、4Kでは息切れしてしまうゲームもある中、このMicrosoft Flight SimulatorはDLSS FGに対応するRTX 4070が良い結果を残し続けているのは高く評価したいところだ。

Microsoft Flight Simulator：ベンチマーク中のTBP（上）とワットパフォーマンス（下）

　WQHD＋DLSS SR/FG設定でRTX 4070が平均150fps以上出しているにも関わらず、TBPが181W程度である点は特筆すべき長所といえる。

「The Witcher 3: Wild Hunt」では
RTX 40シリーズでもワッパ厳しめ

　「The Witcher 3: Wild Hunt」では画質“RTウルトラ”、アンチエイリアスはTAAU、Hairworksはオフに設定。ノヴィグラド市中を移動する際のフレームレートを計測した。

The Witcher 3: Wild Hunt：1920×1080ドット時のフレームレート

The Witcher 3: Wild Hunt：2560×1440ドット時のフレームレート

The Witcher 3: Wild Hunt：3840×2160ドット時のフレームレート

　DLSSを使わなければ“RTウルトラ”設定ではフルHDでも平均60fps到達すら難しい。最低フレームレートが暴れるのは、負荷が高すぎるほかに、ゲーム中のNPC密度が不均一で試行時における負荷のバラツキが大きいのが原因のひとつとして挙げられる。

The Witcher 3: Wild Hunt：2560×1440ドット＋DLSS SR/FG有効時のフレームレート

The Witcher 3: Wild Hunt：3840×2160ドット＋DLSS SR/FG有効時のフレームレート

　レイトレーシングを使ったThe Witcher 3はDLSS FGを使ってようやくプレイアブルになるという感じか。RTX 3080でもWQHDなら平均60fpsは出せるものの、カク付きが酷く快適とは言えない。RTX 3070以下の旧世代GeForceではレイトレーシングを諦めるなどの割り切りが必要だ。

The Witcher 3: Wild Hunt：ベンチマーク中のTBP（上）とワットパフォーマンス（下）

　DLSSを使わない時はどのGPUも酷いワットパフォーマンスだが、DLSSを使うとRTX 4070 Tiや4070のワットパフォーマンスが著しく向上するのは、DLSS FGによってフレームが補完されているためである。