Silent-Master NEO Z790/D5をレビュー
検証の果てにたどり着いた静音PCの完成形、13700K&RTX 4070 Tiでもめっちゃ静か
2023年04月08日 11時00分更新
水冷よりも静かな一般用途を前提とした空冷仕様
近年のCPUは論理コアが10コア以上は当たり前で、簡易水冷クーラーはもはや常套手段になりつつある。というのも、空冷クーラーよりも冷却効率が高く、高負荷が長時間続くシーンでも安定して冷やせることが多いからだ。一方で、ラジエーターを冷却するファンのほか、冷却液を循環させるためのポンプも稼働しており、音源は多くなる。
対して、空冷クーラーであれば騒音源はファンのみ。アイドル時や低負荷時であれば低回転でも十分冷却できるため、簡易水冷クーラーよりも静音化しやすいこともある。もちろん、騒音の大きさはクーラーによって大きく変わる。Silent-Master NEO Z790/D5 は、空冷ながら冷却性能が高く、静音性にも定評があるNoctuaの「NH-U12S」を標準採用している。
また、背面には同じくNoctuaの120mmファン「NF-S12A FLX」を配置し、CPUクーラーからの熱気を効率良く排出できる点もいい。もちろん、このPCケースファンも静音性に定評があるモデルで、CPUクーラーと並べることで見た目にも良いアクセントになっている。
なお、PCケースは騒音を漏らさないよう通気口が少なく、排気は背面のみ。冷却効率はいかに熱をPCケース内に拡散させることなく、すばやく排出できるかがポイントになるだけに、このレイアウトには大きな意味がある。
さらに、吸気には大型の140mmファンが使われている。こちらもNoctua製の「NF-A14 FLX」だ。配置がよく考えられており、ビデオカードに冷たい外気を効率良く送り込める。
ちなみに、CPUクーラーに排気ファン、吸気ファンがNoctua製で揃っているが、これはたまたまだという。多くのファンを試し、静音性と風量のバランスが優秀だったものを選んだ結果、すべてNoctua製品になったということらしい。
そんな試行錯誤で生まれた効率的なエアフローを無駄にしないよう、裏配線でしっかりサポート。組み立て技術が高いサイコムらしく、PCケース内は驚くほどスッキリとしている。
裏側を見てみると、ケーブルを無理に押し込んでいる印象はまったくなく、キレイに整理されている。取り回しの方向ごとに結束され、どのケーブルがどれにつながっているのかわかりやすくなっているため、SSDやHDDを増設する際に悩まなくていい。