CESで注目した北欧のオシャレ電動バイク、オランダの量子コンピュータなどハードウェア8種
FutuRocket美谷広海氏の「CES 2023」レポート――「CES 2023」注目のハードウェア
2023年1月5日から8日まで、アメリカのネバダ州ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2023」では、コロナ禍以前のように、盛り上がりを感じる場面も多く見受けられた。今回は展示会場で見かけた興味深かったハードウェア製品を、スタートアップによるものを中心に紹介していきたい。
両手が使えるモビリティ「PickWheel」
フランスのPickWheelは両手が自由に使えるという電動モビリティ。モビリティの操作は足元のペダルで前後左右に荷重をかけることで行うので、両手が空くためカメラを抱えて撮影しながら移動できる。清掃員などのソーシャルワーカーが、移動しながら作業をしたり、足腰が弱くなった高齢者が果樹園を移動しながら操作する、そんな使い方にも向いていそうだ。
北欧のオシャレ電動バイク「CAKE」
無骨でいて、それでいてとてもスタイリッシュなスウェーデンの電動バイク「CAKE」。同社の製品はどれもスタイリッシュだが、筆者が特に惹かれたのが、この同社初の電動アシスト自転車「Åik」。
展示では、木材の柱を脇に積んでいたが、サーフボードを積むビーチクルーザーとしての使い方もよく似合いそう。日本では、ゴールドウィンが同社と3年間の独占パートナー契約を締結しており、3種類の製品の発売が予定されているようだが(参考URL)、こちらの「Åik」の日本での発売も楽しみにしたい。
オランダのスタートアップによる量子コンピュータ、Quix Quantum
「一体、これはなんだろう?」と展示担当者に聞いて驚かされたのが、このQuix Quantumの量子コンピュータ。上下の二列並んだピンが、上が入力チャンネルで、下から出力が戻ってくる。この横に並んだピンのそれぞれから、光量子が入力され、青い光端子ケーブルを通って、中央部に到達し、そこでの量子ビットの状態が、左右にリボンケーブルで繋がった半導体によって計測され、出力結果が再び青い光端子を通って出される。
横に並んでいるピンの数は26本だが、中央にあるフォトニックプロセッサーは20チャンネルの処理ができるとのことで、20量子ビットの量子コンピュータということになる。特別高価な部品を使っているようにも見えず、ごく普通のサーバーラックに入りそうなサイズなのがすごい。量子コンピュータの普及が今後、加速度的に広がっていきそうだと感じさせてくれる製品だ。