本連載は、Adobe Acrobatを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第151回は、スキャンしたPDFをOCR処理・編集するとエラーになる場合のトラブルシューティングについて紹介する。
スキャンしたPDFをOCR処理しようとするとエラーになる
先日、PCを買い替えたので、「Acrobat」を再インストールしたのだが、以前使えていた機能が一部使えなくなっていたのだ。ほとんどの機能はきちんと動くのですが、PDFを画像で保存したり、PDFのOCR処理ができなくなっていた。
最初は、PDFを画像で保存できず、悩んでいた。発表会などでもらったPDFの一部を原稿で使うことがあったからだ。もちろん、PDFにセキュリティ設定などがかかっていないことは確認済み。画像で書き出そうとすると、対象フォルダに1秒くらいファイルが表示されるのだが消え、次のページのサムネイルが表示されては消え、最終的には1枚も出力されずに処理が終わってしまう。
その後、スキャンしたPDFをOCR処理しようとしたときに、「次の理由により、このページのテキスト認識を実行できませんでした。原因不明のエラーが発生しました」と表示され、何かトラブルが起きているとわかった。
そこでやっとアドビのサポートコミュニティーある解決策に辿り着くことができた。スキャンしたPDFをOCR処理しようとすると、エラーになるというのだ。また、64ビット版の「Acrobat」で、スキャンしたPDFを「PDF を編集」から編集しようとしても「Paper Capture 認識サービスのエラーによりページを処理できません」とエラーになるそうだ。
原因は、2バイト文字を認識するためのオプション機能が追加されていないため。アップデートをインストールすれば、解消できる。インストールの方法は3つ用意されている。
まず、最も簡単なのが、「Acrobat」の環境設定画面でインストールする方法だ。「編集」メニューから「環境設定」を開き、「アップデータ」をクリック。「オプションのコンポーネント(Preflight、CCJKリソースなど)をインストールする」にチェックして、「OK」をクリックすればいい。
アプリのカスタムセットアップ機能で解決する方法
もう一つが、アプリのカスタムセットアップ機能を使う方法だ。Windows 11の「設定」から「アプリ」を開き、「インストールされているアプリ」→「Adobe Acrobat」の「変更」をクリックする。メンテナンス画面が表示されたら、「変更」にチェックをして「次へ」をクリック。カスタムセットアップ画面で、「オプション機能」のプルダウンメニューをクリック。メニューから「この機能、およびすべてのサブ機能をローカルのハードディスクドライブにインストールします」を選び、「インストール」をクリックすればいい。
もし、上記の方法が使えず、64bit版の「Acrobat」をインストールしている状態なら、コマンドを使うことで追加プログラムをインストールすることもできる。
まずは、検索フォームに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」が表示されたら、「管理者として実行」する。続いて、「Acrobat」の「setup.exe」があるフォルダーに移動する。
コマンドの例 cd C:\Program Files\Common Files\Adobe\Acrobat\Setup Files\{AC76BA86-1033-FFFF-7760-BC15014EA700}
続けて、以下のコマンドをコピーする。
以下のコマンドをコピー Setup.exe /sAll /msi ADDLOCAL=OptionalFeatures,DistillerCJKNative,DistillerCJKSupport,PaperCaptureOptional,PreFlightPlugin DISABLE_FIU_CHECK=1 TRANSITION_INSTALL_MODE=4 SKIP_WEBRCS_REINSTALL=1 SKIP_CEF_KILL=1
セットアップダイアログが開くので、後は、画面の指示に従ってインストールすればいい。
以上で、筆者の環境でも、OCR処理や画像のエクスポートが正常に動作するようになった。
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