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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第72回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2月25日~3月3日

2022年国内PC出荷は11%減、「DXで競争力強化」は3年後でも1割未満、PPAP対策が遅れる業種、ほか

2023年03月06日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年2月25日~3月3日)は、国内エンタープライズIT支出、国内PC出荷台数、PPAP対策が遅れている業種、国内企業におけるアプリケーション改革の課題、国内企業のBCP対策動向についてのデータを紹介します。

■[IT支出][トレンド] 日本のエンタープライズIT支出、2023年は前年比4%増 ―金融、小売が牽引(ガートナージャパン、2月27日)
・2023年の日本のエンタープライズIT総支出額は28兆5344億円、前年比4.7%増を予測
・高い成長率が見込まれる産業は「銀行/投資サービス」「小売」
・2022年から2026年までCAGR4%で成長

 日本のエンタープライズIT支出動向。2022年は5.2%増で、2023年は前年比4.7%増の28兆5344億円を予想する。コロナ禍の長期化、物価、為替変動などの影響から、産業ごとに成長率の差が生じているとする。2022年、高い成長率が見られたのは「銀行/投資サービス」「小売」などで、「教育」が唯一のマイナス。市場全体としては、2022~206年の年平均成長率(CAGR)4.6%の成長となり、2025年には30兆円を超えると予測されている。

日本の産業別エンタープライズIT支出予測 2022~2024年(出典:ガートナージャパン)

■[PC] 2022年の国内PC出荷台数は11%減少、コロナ需要が一巡(IDC Japan、3月2日)
・国内トラディショナルPC市場は2022年1257万台、前年比11%減
・法人向けは前年比14%減、家庭向けは同5%減
・カンパニーシェアはレノボ/NEC/富士通グループが35%で首位

 2022年通年の国内トラディショナルPC(デスクトップPC、ノートブックPC、ワークステーション)市場実績値。2022年通年の出荷台数は1257万台で前年比11.3%の減少、2021年に続いて2年連続で前年比マイナスだった。法人向けは前年比14.1%減(805万台)、家庭向けは同5.9%減(452万台)。「GIGAスクール構想」が小/中学校から高校へ移行したこと、コロナ禍によるノートPC需要が一巡したことなどが要因と分析している。出荷台数ベースのシェアは、レノボ/NEC/富士通グループ(35.3%)、日本HP(16.3%)、デル(14.1%)の順。

2022年通年の国内トラディショナルPC出荷台数、カンパニー別シェア(出典:IDC Japan)

■[セキュリティ] 36%の企業が「PPAP対策済み」、代替策は「オンラインストレージ」が33%(デージーネット、3月1日)
・「PPAP対策を講じている/年内に予定している」企業は44%
・対策が進んでいない業種は「医療福祉」「学校」「官公庁」など
・PPAP代替策は「オンラインストレージ」(33%)、「ファイル転送サービス」(24%)

 PPAP(メールでパスワード付きZIPファイルを送り、別途パスワード情報をメールするファイル共有手法)の利用廃止に向けた対策状況を聞いた。「PPAP対策を講じている/年内に対策を導入予定」の企業は44%。対策が進んでいないのは「医療福祉」「学校教育」「官公庁」などの業種だった。代替策としては「オンラインストレージ」(33%)、「ファイル転送サービス」(24%)、「メールの暗号化」(18%)などが多い。

(左)PPAP対策をしている企業は36%、未対応は54% (右)代替案としては「オンラインストレージ」(33%)、「ファイル転送サービス」(24%)など

■[DX] 3年後までに「競争力強化につながるDX」実現の日本企業は10%未満(ガートナージャパン、3月1日)
・2026年までに「競争力強化につながるDX」を実現する日本の大企業は10%未満
・多くの日本企業が「コスト削減」「作業効率化/自動化」レベルにとどまる
・ビジネス変革につながるアプリケーション改革が求められる

 企業のアプリケーション改革に対する展望として発表されたレポートより。3年後の2026年になっても、「競争力強化につながるDX」を実現する日本の大企業は10%に満たないと予想している。背景として、日本企業のDXは「コスト削減」や「作業の効率化/自動化」といった業務改善レベルにとどまると指摘。デジタル時代では顧客応対プロセスの抜本的な改革が求められているが、アプリケーションを活用して顧客に付加価値を提供するという本来の目的が達成できていない現状があるとしている。

■[BCP] BCP策定済み企業は42%で前年から5.8ポイント増、コロナ禍やウクライナ危機が契機か(NTTデータ経営研究所、2月28日)
・BCP策定済み企業は42%、2年前調査から5.8ポイント増
・BCP策定対象として「パンデミック」が急増
・「自社設備の事故・故障・機能停止」も急増、初めて5割を超える

 「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に、事業継続に対する取り組みや意識について調べる年次調査「企業の事業継続に係る意識調査」より。BCP対策済みの企業は前年から5.8ポイント増加した。BCP策定の対象は「地震」などの自然災害に加え、「パンデミック」が大幅に増加。また、「自社設備の事故・故障・機能停止」も急増し、調査開始以来初めて5割を超えた。

BCP策定する企業は前年から5.8ポイント増加した(出典:NTTデータ経営研究所)

BCP策定対象は「地震」など自然災害に加え、「パンデミック」が増加した(出典:NTTデータ経営研究所)

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