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スタートアップ4社が独自技術で取り組むカーボンニュートラル社会の実現

オープンイノベーションピッチ in Central Japan

特集
JOIC:オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会

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平山:Eサーモジェンテックのピッチを聞くと、すでに製品もあり、その競争力は高そうだが、ライバル企業はあるか。

岡嶋:IoT向けの小さな自立電源では海外を中心に数社あるが、それらはいずれも発電量が1mW以下と小さく、コスト性能比でお客様の要望に応えるところまでは至っていない。我々の自立電源は、それらに比べ大幅にコスト性能比が優れていると考えている。

平山:IoTでいろんなモノがつながっていこうとしたときに、電力をどうするかと通信をどうするかが非常に重要だと思っている。そうなると排熱を利用して電気を作って繋がっていくというのは非常に大きな市場が期待できるのではないか。

岡嶋:電源は我々が作っているが複数の、センサーメーカーと組んでいて、お客様に、電源と、センサー・通信とのセットでの提案もできるようにして進めている。

江崎:センシングと発電が1パッケージでできるというのは非常に面白い。軍関係やセキュリティ関係で需要があるだろう。

岡嶋:そのようなお話も頂いていて、今日来ていただいている方々とも連携し、お役に立てればと思っている。

平山:会場から質問はありますか。

質問1:中規模な製造業のオーナー企業だが、新しい事業の芽を探して来いと言われている。今までもスタートアップと一緒に取り組んだこともあったが、技術的にこちらがついていけなかったりして切れてしまった。弊社のような中堅企業をどう思うかお聞かせいただきたい。

嶋田:弊社は改善をテーマにいろんな視点や専門性を取りこみつつ事業を拡大しつつある。新しいこともトライアンドエラーで試していきたいし、そういう柔らかいところから議論をさせていただけるのであれば非常にありがたい。

林:弊社も水力発電を一緒に普及させていこうという話をいただくが、うまく行く場合もうまく行かない場合もある。技術的な能力がどちらかに欠けていることもあるが、最終的な目指すところを入念にすり合わせておくことが大事だと思っている。それをしっかりやれるなら非常にうれしいことと思う。

質問2:基調講演でも「諸刃の剣」という話があったが、ベンチャーが補助金を取る際のコツのようなものはないか。それと大企業とのスピード感の違いをどう克服していくか。

人羅:補助金の取り方には我々も非常に苦労をした。当初はNEDOのような全国組織は相手にしてくれなかったのでローカルな京都府・京都市から補助金をもらって成果を出していった。書類の書き方にも審査する人に伝わる書き方というのがあるので、審査員の技術レベルに合わせた書き方をする必要がある。

大企業のスピード感についてだが、立ち上がりに時間がかかるものの、動き始めるとものすごく速くなることがある。リソースのかけ方もすごいし、ベンチャーでは太刀打ちできなくなることもある。その両面を意識することが大事。あとは窓口が意思決定する人の近くにいるかどうかも注意すべきポイントだと思う。

岡嶋:弊社の場合、NEDOのSTS事業に採択されたことで、人を雇え、開発を進められた。助成事業のおかげだと思っている。一方、スピードという意味では、コンタクトする相手が重要だと感じている。以前、ある大企業のある部門にご提案活動を進めるも、なかなか前に進まなかったが、ある日、その企業のイノベーション部の人が弊社のホームページを見てコンタクトしてこられ、そこから速いテンポでプロジェクトがスタートした。

イベント後の交流会の様子

 登壇したスタートアップ4社によるピッチは、いずれもしっかりと「経済」のある「道徳(カーボンニュートラル)」に取り組んでいることが伺えるものだった。人口が多く、海外からのエネルギー輸入に頼らなくてはならない日本には、新しい技術でイノベーションを起こしてくれるスタートアップの力が欠かせない。

今回のピッチイベントには数多くの事業会社が聴講に来ており、イベント後の交流会は多くのマッチングが期待できるものとなった。このイベントが中部におけるイノベーションの起爆剤となることを願っている。

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