このページの本文へ

スマホと連動する電動アシスト自転車「e-bike」試乗レポ 第3回

理想のe-bikeを探せ! その3

まさに走るスマホ! VanMoofのe-bike「S3」はギアもオートな未来の乗り物

2023年01月30日 12時00分更新

文● 荻窪 圭 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

街中を快適に走るためのe-bikeだった

 準備ができたら走るのである。自転車本体のインジケーターは最小限だが、スマホを自転車に装着すると細かい情報を見られる。専用のスマホマウントは用意されてないので(新型のS5にはある)、わたしは普段使っているマウントをつけた。すると速度や走行距離、最高速度、地図も表示できてありがたいのだ。

縦位置で地図を半分、走行情報を半分で表示したところ

地図を小さくし、その他の情報を広くした。バッテリー残を細かく出したり、アシストレベルを変えたり、ベルを鳴らしたりもできる

 また、乗るたびに自動的に「ライド」が自動的に記録されるので、いつどのくらい走ったか、1回のライドでバッテリーをどのくらい消費したかも記録される。走行ルートは記録されないので(記録されたら困る人もいるかもだし)、GPSログが欲しい人は別途それが可能なアプリを使うべし。

1日分の走行データ。3時間かけて16.7km走ってバッテリーは13%消耗した

 ちなみにバッテリーは504Whで走行可能距離は60(アシストレベル4)~150km(アシストレベル1)。ライドデータを見ると、フル充電してから70kmほど走ったあとで37%残っていたので(アシストは時々ターボブーストかける以外は2か3で走行)、よほど坂道が多くない限り、1回の充電で100km以上はいけそうだ。

1週間分のデータ。日曜から返却した金曜までに64.6km走ったことががわかる

 あれこれ走り回ってわかったのは、このe-bikeは「街乗り仕様」であるということ。変速はオートマ。信号などでストップすると自動的に1番軽いギアになるので、変速に慣れてない人でも安心だ。駐輪場に止めたりちょっと買い物、ってときはスタンドを立ててロックボタン押せばいいし、解錠もボタン1つ。暗くなると自動的にライトは点灯。楽すぎて堕落しそうだ。

 おおむね自転車任せにできるので、スマホをポケットやバッグにいれたままでも、何の問題もない。

センタースタンドなのでバランス良くさっと止められる

 その代わり、高速でびゅんびゅん走ったり急坂をぐいぐい上ったりには向いてない。アシストが切れる時速24kmを超えるとちょっとペダルが重いし、乗車姿勢もアップライトだ。いつもの急坂でテストしたけど、スポーツ仕様のe-bikeに比べるときつい。

毎度おなじみの急坂(世田谷区にある岡本三丁目の坂。最近は富士見坂ともいう)

 下の動画はS3でこの坂を上ったときの車載。ターボブーストボタンで助かった部分あり。

 なので超快適に街中を駆け抜ける、最先端のe-bikeだと思っていいだろう。

 ひとつだけ注意すべきは、フレームがデカいこと。オランダ生まれといわれると納得しちゃうけど、S3の場合、推奨身長が170cm以上なのだ。約170cmのわたしだと、サドルを一番下に下げてギリギリだった。新型の「S5」は5cm下がったので、背が高くない人はそっちを狙うのがいいかと思う。

 さらにフレームサイズとタイヤが小さい「A5」なら、身長155cmからなので気軽に乗り降りしたい人はそっちも良さげだ。機会があったら新型もぜひ体験してみたい。

5cm低くなり、スマホ用のマウントも内蔵した新型のVanMoof S5。推奨身長165~200cm

フレームとタイヤがよりコンパクトになり、乗り降りも楽になったA5。身長は155cmからOKに

 いずれにせよ、新時代の自転車である。バッテリーを内蔵していればあれも、これも自動化できるんだよと、未来を示してくれた。これこそが真の進むべき「アシスト自転車」なのだろう。日常の足として欲しい!

 次のページからは今回の企画を総括する。

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ