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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第65回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2023年1月7日~1月13日

IT企業従業員の7割が「リスキル必要」、増え続けるDevOps実践企業とその課題、ほか

2023年01月16日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年1月7日~1月13日)は、国内企業におけるDevOps/オープンソース利用実態、世界的景気後退のIT投資への影響、IT企業従業員のリスキリング意識、リモートワークと私用デバイス利用実態、オフィスにおけるマスク着用を任意にした効果についてのデータを紹介します。

■[DevOps][開発]DevOps実装する企業は59%、課題はビジネス上の効果(IDC Japan、1月10日)
・企業のDevOps実践率は59%と過去最高の比率に
・オープンソースソフトウェア(OSS)の利用承認プロセスをもつ企業は85%
・SBOM(ソフトウェア部品表)の導入は10%にとどまる

 国内484社のDevOps実践状況を調べた「2022年 国内DevOps/開発プラットフォーム ユーザー動向調査」より。2017年の調査開始以来、DevOpsの実践率は上昇し続けており、2022年は59.3%となった。「計画・評価検討」している企業も21.7%あることから、今後もDevOpsに取り組む企業は増加していくと予想される。オープンソースソフトウェア(OSS)の利用動向については、脆弱性管理で重要となる「SBOM(Software Bill of Materials:ソフトウェア部品表)」の導入が10.9%にとどまるなど課題も残った。

国内企業におけるDevOps実践率は右肩上がりで増えている(出典:IDC Japan)

OSSの利用選定や承認・管理ルールとプロセス。サプライチェーンを含めてルールを構築している企業は3割にとどまる(出典:IDC Japan)

■[経済][IT投資]世界的な景気後退が与えるIT投資、ビジネス成長への影響が明確に(ガートナージャパン、1月11日)
・ビジネス成長にとって最大の脅威は「グローバルなインフレ圧力」(55%)
・「人材/スキル不足によるビジネスの中断」は46%が脅威に挙げる
・CFOから求められるものは「集中的な業務改善」(52%)「支出削減」(51%)など

 国内企業のIT導入決定者などを対象に、世界的なインフレと景気後退が日本企業に与える変化やIT投資への影響を聞いた。調査は2022年8月に実施した。自社のビジネス成長に脅威となる外部環境要因は、「グローバルなインフレ圧力」(55%)「景気後退」(51%)などが多く挙がり、世界経済環境の変化が影響を及ぼしていることがわかった。経済不確実性への対応としてCFOや財務部門から求められることとしては、「集中的な業務改善」(52%)「支出削減」(51%)などが挙がった。日本のインフレ率はG7最低レベルだが、グローバル経済環境の変化が脅威となっているという。

自社のビジネス成長にとって脅威となる外部要因としては「グローバルなインフレ圧力」という回答が最多(出典:ガートナージャパン)

CFOや財務部門から経済不確実性への対応として求められることでは、「支出削減」「支出の延期」も入っている(出典:ガートナージャパン)

■[キャリア]IT企業勤務者の71%がリスキルの必要を実感、学習内容は「プログラミング言語」「英語」などに関心(ビズメイツ、1月11日)
・IT企業勤務者の71%が「リスキルは必要」
・リスキルしたい学習内容は、IT関連は「プログラミング言語」(59%)、それ以外では「プロジェクト管理」(58%)が最多
・IT企業のリスキル支援は25%にとどまる

 IT企業に勤務する都内在住30代、107人を対象にリスキルの実態について調べた。回答者の71.9%が「自分のキャリアにおいてリスキルが必要」と回答した。その理由は「仕事の幅を広げるため」(80.5%)、「長く働き続けるため」(46.8%)、「ジョブチェンジのため」(39%)が多く挙がった。学習内容として、IT関連では「プログラミング言語」(59.7%)、「AI・機械学習」(54.5%)など、それ以外では「プロジェクト管理」(58.4%)、「英語」(54.5%)など。一方、勤務する企業がリスキル支援を「実施している」という回答者は25.2%と少なかった。

IT企業勤務者の7割強が、自分のキャリアにおいてリスキリングの必要性を感じている(出典:ビズメイツ)

リスキルが必要な理由は「仕事の幅を広げる」などが挙がった(出典:ビズメイツ)

■[セキュリティ]未登録デバイスから企業システムへのログインがある企業は59%(シスコシステムズ、1月12日)
・日本企業の59%が未登録デバイスから業務プラットフォームへのアクセスを経験
・78%が「リモートログインでインシデント発生率が高まる」
・66%が「今後1年でサイバーセキュリティ予算を10%以上増額する」と予想

 世界27市場で企業・組織のサイバーセキュリティ担当6700人を対象に、2022年8~9月に実施した調査。日本企業の59%が「従業員が未登録デバイスを使って業務プラットフォームにログインしている」と回答、ハイブリッドワークのリモートログインにより「セキュリティインシデントの発生率が高まった」という企業は78%を占めた。自宅やカフェなど複数のネットワークからログインする傾向も見られ、「2つ以上のネットワーク」は64%、19%が「6つ以上」と回答している。72%が「今後1~2年に事業に支障をきたすインシデントが発生する可能性がある」、また66%が「今後1年でセキュリティ予算を10%以上増額する」、80%が「今後2年以内にITインフラのアップグレードを行う」と予想している。

■[生活]オフィスでマスクを任意にしたGMO、効果は「表情や情報が伝達しやすい」(GMOインターネットグループ、1月4日)
・マスク任意から3ヶ月後、61%がパーテーションのあるところではマスクなし
・マスクなしの効果は「表情や情報が伝達しやすい」「声が聞き取りやすい」など
・90%が「さらなる緩和をしてよいシーンがある」

 2022年9月20日よりマスクの着用を任意にした同社が、3ヶ月経過した段階での従業員の行動実態や効果について報告した。執務室内でマスクを外している人は合計で61%。その内訳として、7%は「常時外して」いる一方で、54%は「状況に応じて着脱」。「状況に応じて」着用するケースとしては、パーテーションなしのとき、自席以外の場所など。マスクを外した時の効果として「変化は特に感じない」が最多だったが、「表情や情報が伝達しやすい」「声が聞き取りやすい」といった効果を挙げる従業員も。従業員からは「マスクはルールではなくマナー」といった声が出ているという。

マスク着用が任意になった執務室内では61%がマスクを外している(出典:GMOインターネットグループ)

マスク着用が任意になって感じた効果や変化は、「特に感じない」が最多。ただし「表情や情報が伝えやすくなった」という声も多い(出典:GMOインターネットグループ)

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