試行錯誤している説、サポート期間で2年に1回は無理説も
どちらにしても新バージョンを「12」にするかはMS次第
もちろんこれらの推測には反論もある。現在のプレビュー版は、複数の改良を同時に配布でき、Windows Insider Program登録者によって、異なる新機能を見ることがある。「フローティングタスクバー」は、こうしたバリエーションの1つにすぎないのではないかという説だ。
筆者は見ていないが、似たようなデスクトップが配布されていたという主張があり、すでにプレビューされたものという見方もできる。Microsoftがイベントで見せたデスクトップは、配布中のプレビューの1バージョンにすぎず、それがたまたま、大きな変更を持ったデザインだったのだという説だ。意図的なリークなどではなく、たまたま出したのが「レア」な改良案を含むもので、すでにプレビューしていたものだったから、作業時間の関係などで特にビデオを修正しなかったのではないかという推測である。
特に現在のWindows 11に関していえば、タスクバーの改良が続き、プレビューが出たり、取りやめになったりを繰り返し、試行錯誤している状態である。中でもタブレット用タスクバーは、タブレットモードの廃止後、いまだに方針が決まらない感じがある。ビデオに映ったのは、タブレット用デスクトップのプロトタイプだったと考えることもそれほど無理な見方とは言えない。画面の上部にステータスなどを配置し、下部にラウンチャーアイコンを置くデザインは、スマートフォンに似ており、他のOSのタブレットにも見かけるデザインだ。
また異なる視点では、ビジネス向けのWindows 11 エンタープライズエディションのサポート期間は、一般消費者向けが24ヵ月であるのに対して、36ヵ月(3年)に設定されているのに、2年に1度のペースでWindows 12にバージョンアップしてしまうのは、企業ユーザーの負担が大きすぎ、想定が難しいという説もある。
SDKに関しては、ビルド番号が大きく異なるため、大きく変化して当然とも言える。つまり、次の23H2では、内部的な改良が多数あるということしか示していないという主張だ。
というわけで、今年に予定される次のバージョンアップは、大きな変化をともなうことはまず間違いないと考えられるが、その新しいバージョンがWindows 12と命名されるとは限らない。
見た目が大きく変わるものでなければ、Windows 11を名乗るだろうし、デスクトップが完全に異なるならば、Windows 12になるかもしれない。しかし過去にもMicrosoftは、Windows 10Xのように発表したものの計画を変更してきた過去がある。実はWindows 12として出すつもりで開発しているのだとしても、状態によってはWindows 11のままになる可能性だってあるのだ。
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