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Windows Info 第361回

2023年のWindowsは大きな変化がある可能性 まさかのWindows 12が今年出る説!?

2023年01月08日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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昨年10月のMicrosoftのイベントでの基調講演に映っていた「フローティングタスクバー」デスクトップ。よく見ると、現在のWindows 11とは大きく異なる部分がある。写真はYouTube上の動画から取り込んだものだ。これはまさかWindows 12!? (URLなどは本文参照)

昨秋にWindows 11の「シーズン2」がリリース

 今回は、今年2023年のWindowsについて考えてみることにしよう。まずは現状把握からだ。

 Windows 11は昨秋にアップデートがあり、Ver.22H2となった。Windows 11としては2つ目のバージョンになるが、Microsoft Blog(https://blogs.microsoft.com/)では米国の連続テレビドラマ風に「シーズン2」という表現が用いられているケースもある。

 ビルド番号としては、22621.963が昨年末に配布されている。

 Windowsのプレビュー版は、毎年12月中旬ぐらいに配布が止まり、新年が明けてから配布が再開する(ホリデーシーズンのため)。記事執筆時点(1月4日)ではまだプレビューの配布はないが、そろそろ再開しているはずだ。Windows 10もVer.22H2の配布が昨年10月に始まり、昨年中に3回のアップデートが実施された。Windows 10/11の正式版のアップデート履歴に関しては、以下のページがある。

●Windows 10 リリース情報
 https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/release-health/release-information
●Windows 11 リリース情報
 https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/release-health/windows11-release-information

 Windows 11では、メジャーアップデートは年1回となったが、毎月のアップデートでも小規模ながら機能が追加されることがある。

 エクスプローラーのタブ機能は、Ver.22H2の最初のリリース(ビルド22621.521、9月20日)にはなかったが、ビルド22621.675(10月18日)に搭載された。タスクバーの右クリックメニューは、「タスクバーの設定」のみだったが、ビルド22623.755(10月25日)では「タスクマネージャー」が表示されるようになった。

 毎月のWindows Updateの「累積アップデート」のタイミングで、ときどき新機能が有効になる。これらは、先行してWindows Insider Programのプレビュー版に含まれている。プレビュー版は、ベータチャンネルとリリースプレビューチャンネルが現行のWindows 11 Ver.22H2のベータプレビューを継続している。

 これまでのところ、Betaチャンネルでプレビューが実施され、正式版には反映されていない新機能には、タブレット最適化タスクバーやタスクマネージャーのフィルター機能、Windows Studio Effects(AIチップ搭載機種のみ)などがある。

 Windows Insider ProgramのDevチャンネルは、昨年5月にBetaチャンネルと分離し、ビルド25115からプレビューが開始された。原稿執筆時点の最新版は、ビルド25267で昨年の12月14日に配布が開始されている。プレビュー版に関しては、以下のページに履歴がある。

●フライト ハブ
 https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-insider/flight-hub/

まさかまさかの今年にWindows 12がリリースされる説
ただ、内部的に大きな変化が加わることは間違いなさそう

 「Windows 12」でインターネット検索をすると、多数のサイトが出てくる。Microsoft自身が公式に発表したわけではないが、Windows 11のタイミングでメジャーアップデートの周期を3年にしたという。これを踏襲するならば、2024年、つまり来年に次の「Windows 12」が登場するサイクルだ。しかし、2年周期を検討していて、今秋にも「Windows 12」が登場するのではないかというウワサもある。

 結論から言えば、Windowsの名前はあくまでマーケティング上の話なので、技術的な問題はあまり関係ない。Microsoftが変えたいと思うタイミングで変更されるだけのこと。つまり、Windows 12は、今年登場するWindowsの名前かもしれないし、来年登場するWindowsの名前かもしれない。あるいは以前のように数字以外の名前にするのかもしれないし、サーバーのように西暦を入れる可能性もある。

 ただ、Windows 12が2年周期で今年登場するという話には、いくつかの根拠がある。基本的には次のWindowsとして想定されているのものが、現状のWindows 11と大きく異なるというのがその理由である。

 1つは、Devチャンネルのビルド番号が現在のWindows 11 Ver.22H2と離れすぎているというもの。Windows 11 Ver.21H2は、ビルド22000として登場した。当時のWindows 10のビルド番号は19041。ほぼ3000離れている。Windows 11 Ver.22H2のビルド番号は22621で、Ver.21H1の22000とは621しか違わない。しかも、当時のDev Channelでのプレビューは22449から開始された。ここから考えると、Ver.22H2はVer.21H2と比較的近いものであることがわかる。

 これに対して、Windows 11 Ver.22H2が出たあと、Devチャンネルのビルド番号は25115と一気に飛んだ。22000や22621からほぼ3000近くジャンプした形だ。少なくともDevチャンネルでプレビューされているWindowsは、現在のWindows 11とはかけ離れたものという推測が成り立つ。つまりWindows 12ではないかとなるわけだ。

 もう1つは、昨年10月のイベントでWindows 11とは異なるデスクトップデザインのWindowsが使われたというものだ(記事冒頭の画像)。

 基調講演のビデオがYouTubeに残っているが(下動画)、タスクバーと画面の端の間に空いた領域があり、俗に「フローティングタスクバー」などと呼ばれている。また、システムトレーがタスクバーと分離されて、画面の上部に配置されている。スマートフォンの画面のように画面上部に通知やシステム状態、日時などの表示がある。また画面上部中央には、現在タスクバーにある検索ボタンに似たものも配置されている。

 最近のBeta/Devチャンネルでは、タスクバーの改修が行なわれている。1つは廃止されたタブレット用タスクバー、もう1つはシステムトレーの改修だ。特に最近のDevチャンネルプレビューでは、検索ボタンがデスクトップに「フローティング表示」されてしまうというバグまで見つかっている。こうしたことから、デスクトップが大きく変更されるのではないか? と考えることができる。

 これまでのWindowsでは、メジャーバージョンアップのときのみ、デスクトップのデザインが大きく変わっている。実際問題として、デスクトップが変わって操作も違っているものを、同一バージョンにしていいものかと感じる。そしてこれは、Windows 12の意図的なリークなのではないかという深読みした説もある。

 さらに、AndroidやiOSなどスマートフォン系OSが1年ごとのメジャーアップデートなのに対し、3年周期ではWindowsだけが遅れているように見えるという考えもある。Ubuntu Linuxのように半年でバージョンアップ、2年ごとに長期サポート版というサイクルもあれば、ChromeOSのように短期間でアップデートを繰り返す「ローリングリリース」という手法も存在する。macOSも含めて、多くのOSがWindowsより短期間でバージョンアップしている。

 また、Devチャンネルのプレビュー版については、SDKのプレビュー版の登場頻度が高く、これが新しいプラットフォームになる理由と考える説もある。

 実際、Windows SDKのプレビュー版は、昨年の6月からDevチャンネルのプレビュー版が出るたびに同時に配布がされている(前掲のフライトハブ参照)。

 SDKはWindowsシステム側の新機能(必ずしもユーザーに見えるものとは限らない)に対応するため、SDKのプレビュー版は対応するWindowsのプレビュー版以降にしかフルインストールできないことがある。SDKが作られるということは、なんらかの新機能がWindowsに追加されている、あるいは改良があるということでもある。つまり、高い頻度でSDKのプレビューが配布されるのは、システム側の改良が多数あるからだ。

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