本格スポーツモデルではないが
走りの良さはしっかり伝わる
それでは、走らせてみることにしましょう。ステージは御殿場の峠道。まずはノーマルモードからスタートです。「足がいいですね!」と唯さんは開口一番、専用サスペンションのデキの良さを褒めます。「柔らかい、という言い方をしてもいいかもしれませんが、とにかく衝撃の収束が早いんです。だから目線が上下しづらいんですね」とご満悦。そして「FITって視界がとても広いんですよ。だから運転していて、とてもラクなんですよね」。
14PSアップのパワーユニットにも高評価。「他車のコンパクトカーと比べて静かですね」というように、坂道では相応にうなり音はするものの、静粛性は比較的保たれているのです。ちなみに低速域ではモーター、高負荷時ではエンジンと動力が切り替わるのですが、その時の切り替えショックだったり、フィールの違いを感じることはありませんでした。
お楽しみはスポーツモード。アクセルレスポンスが俄然よくなります。「こっちですね!」と唯さんは満面の笑み。「乗り心地の良さも相まって気持ちよい走りが楽しめますね。速度を出さなくても楽しめるんです」。
これにはホットハッチ好きのASCII.jpスタッフも同意。ドーパミンがドバドバ出るラテンのノリで酔わせたり、純粋な速さはないかもしれません。だけれど、節度を失わない中で楽しいと思わせる、気負わずにリラックスして運転が楽しめる1台なのです。そして日常の中での使い勝手のよさ、乗り心地のよさがあり、乗車した誰もがハッピーになれる、そんなクルマに仕上がっています。
「前のFIT RSのようにMTがあれば、操る楽しさがあっていいんだけどなぁ」という思いもありますが、「誰が乗っても気持ちよく運転できて楽しいと思えるクルマ」であるからこそ、今回のFIT RSには不要なのかなとも。さらにいえば「本当にいいクルマというのは、エンジンとかハイブリッド、EVといったジャンルを超越する」。そんなFIT RSのお値段は234万6300円と、イマドキのコンパクトカーにしては、かなり頑張った金額設定です。
「FITを買うなら、RS一択ですよね」という唯さんの言葉に嘘偽りナシ。今、コンパクトカーを検討されているのなら、スポーツやRSという言葉に惑わされずに、一度FIT RSに触れることをオススメします。試乗した後、楽しさ、乗り心地のよさ、使い勝手の良さでハンコを押さずにはいられないかも!?

この連載の記事
-
第593回
自動車
【アメ車ってどうなの?】キャデラック「XT6」の3列シートSUVはさすがにデカかった -
第592回
自動車
「GR GT」はトヨタが送り出す究極のスポーツカー! V8×ハイブリッドが衝撃すぎる! -
第591回
自動車
【アメ車ってどうよ?】970万円の価値は本物? キャデラック「XT5」が予想外に最高だった理由 -
第590回
自動車
【アメ車ってどうよ?】キャデラック「XT4」は思いのほかスポーティーで楽しいクルマでした -
第589回
自動車
アイドルがレクサスLMの“アメイジング”後席体験! 家超えの超豪華空間に大興奮 -
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ - この連載の一覧へ



















