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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第14回

ソニー「mocopi」が革新的だった理由

2022年12月09日 09時00分更新

文● 新清士 編集● ASCII

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劇的な変化をもたらしたHaritora X

 一方で、NOITOMの「PERCEPTION NEURON」などのモーションキャプチャーも使われるようになりました。40万円以上するので個人で買うのは難しかったんですが、VTuberがビジネス化される中、多くの企業がシフトする現象が起きたんですね。他方、PCVR系の人たちは、アップデートが続くVIVEトラッカーや、Lighthouseを使いながらより低価格で小型の「Tundra Tracker」などの製品も使われるようになってきました。

 そんな中、VRSNS「VRChat」が日本でもブームになる中、自分のアバターをフルトラで動かして自然な動きをさせたいというニーズは個人VRユーザーにも広がっていました。しかし個人ユーザーにとってはフルトラはコストのかかる高嶺の花。特に2021年に一体型のVRデバイス「Meta Quest 2」が大ヒットしてからというもの、VRの新規参加者は、PCVRユーザーでもQuest 2で、PCVRモードにして使うというユーザーが増えていました。しかしQuest 2は基本的にLighthouseと組み合わせることができないため、フルトラがそもそもできないという課題を抱えていました。

 その状況に劇的な変化をもたらしたのが、パナソニック子会社Shiftallが2021年に発売した「Haritora X」です。下半身のモーショントラッキングに焦点を置いた製品で、個人で開発していた技術をShiftallとの共同開発で量産化することになりました。2万7900円という安さで、VIVEトラッカーに比べても劇的に価格が下がり、Lighthouseを使わなくてもいいという条件もあり、Quest 2ユーザーが使える最有力の選択肢となったのです。

 今年5月には販売台数が5000台を超えたと明らかにされていて、予約販売では常に売り切れているという状態が続いています。

Haritora X 1.1

 ただし、VIVEトラッカーのフルセットもHaritora Xも課題はありました。VIVEトラッカーは充電や同期といった手順がとても面倒だったんです。Haritora Xも悪くはないんですが、ケーブルの取り回しが結構大変でした。その点、mocopiは革命的な簡単さに期待が持てるんですよね。

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