ASCII Power Review 第196回
レーザー光源で明るさも解像度もUPして2時間駆動
バッテリーでどこでも120インチでサッカー観戦だ! 「Nebula Capsule 3 Laser」実機レビュー
2022年11月27日 10時00分更新
映像体験をガラリと変えてくれるのが「モバイルプロジェクター」。スクリーンさえ用意すれば(白い壁でも構わない)「どこでも」、一般的なテレビを大きく上回る「大画面」で映像コンテンツを楽しめる迫力は絶大である。
今回レビューするのはAnkerのスマートプロジェクターブランド「Nebula(ネビュラ)」から12月2日に販売が始まる「Nebula Capsule 3 Laser」だ。
同社としては初めてレーザー光源を採用した「Android TV」搭載のバッテリー内蔵のモバイルプロジェクターだ。明るさ、解像度が従来モデルより向上しており、モバイルプロジェクターの決定版的製品に仕上がっている。
本製品はレーザー光源を採用することで映像体験がどのように向上しているのか、そして「Android TV 11」搭載デバイスとしてどのぐらいの処理性能を備えているのかチェックしていこう。
レーザー光源採用により
従来モデルの1.5倍の明るさを実現
「Nebula Capsule 3 Laser」はレーザー光源を採用したモバイルDLPプロジェクター。サイズは直径約83mm、高さ約167mm、重量は約950g。フルHD(1920×1080ドット)、300ルーメンのレーザー光源を搭載しており、40~120インチのサイズで投影が可能だ。
明るさが前モデルの200ルーメンから300ルーメンに向上しただけでなく、「HDR 10」に対応。HDRコンテンツでは階調豊かな映像表現を楽しめる。
調整機能も充実している。台形補正は垂直と水平に対応し、オートフォーカスもサポート。起動時に自動的に補正が実行されるが、手動で調整することも可能。置き場所を変えると台形補正とオートフォーカスが再実行されるので、たとえば会議室を渡り歩いて利用するといったシチュエーションでも手間がかかることはない。
スピーカーはDolby Digital Plus対応の8Wスピーカードライバーを搭載。セリフや音楽、環境音などが従来よりもクリアに再生される。ワイヤレス接続はWi-Fi、Bluetooth 5.1、有線接続はUSB-C、HDMI、AUX出力に対応。プロジェクターとしてだけでなくスピーカーとしても利用可能だ。
メモリー(RAM)は2GB、ストレージ(ROM)は16GB搭載。OSは「Android TV 11.0」を採用し、7000以上のアプリを利用できると謳われている。
「Google Play」からはYouTube、Google Playムービー&TV、Amazonプライムビデオ、Disney+、Apple TV、Hulu、ABEMA、dアニメストアなどをインストール可能だが、Netflixのみ「Nebula Manager」というアプリから導入する仕様となっている。
バッテリーは14500mAhを内蔵しており、バッテリー駆動時間はWi-Fiからのストリーミング再生時で約2.5時間と謳われている。一般的な長さの映画であればバッテリー駆動で最後まで鑑賞できるわけだ。
スマホと連携でセットアップにIDやパスワードの入力は不要
セットアップは専用リモコンのペアリング、言語の選択を済ませたら、以降はAndroidスマートフォンから操作可能だ。
「Google」アプリを開いた状態で、「OK Google、デバイスのセットアップ」と話しかけると設定が開始されるので、画面に表示されたコードが一致していたら「Nebula Capsule 3 Laser」で利用したいWi-Fiネットワークを選択する。
その後、Googleアカウントのコピーを実行したあと、「Nebula Capsule 3 Laser」側で「ネットワークのプライバシー」、「利用規約」、「Googleサービス」、「検索リクエストの共有」、「アカウントに基づく情報の提供」、「Googleアシスタントの利用」、「他のアプリのインストール」などを同意(または許可)していき、最後に本製品をAndroidスマートフォンから操作するための「Nebula Connect」アプリをインストールする。
各種規約や情報提供への承認作業がいちいち面倒ではあるが、IDやパスワードを入力する必要はないので迷うことはないはずだ。
明るく、階調豊かに映像を表示
YouTubeやAmazonのHDRにも対応
さて「Nebula Capsule 3 Laser」はレーザー光源を採用することで300ルーメンの明るさを実現したことが売りで、モバイルプロジェクターとしては確かに明るい。
今回はスクリーンサイズの都合で74インチぐらいのサイズまでしか試していないが、日中でもカーテンをしっかりと閉めておけば十分鑑賞に耐える明るさで投影できる。
「HDR10」に対応しており、HDRコンテンツを階調豊かに表示できるのも本製品のアピールポイント。実際にYouTubeにアップされているHDR動画を再生してみると、明暗のグラデーションが豊かに表示され、また発色もくっきりとしている。
明るい光源などが含まれる映像では眩しく感じられるぐらいだ。あいにくと筆者は1.5万円程度の安価なスクリーンしか持っていなかったが、それでもHDR対応の恩恵を実感できた。
YouTube、Google Playムービー&TV、AmazonプライムビデオなどではHDRコンテンツを再生することができたが、Netflixでは「プレミアム ULTRA HD」プランを契約していても、HDRコンテンツを再生できなかった。
本製品にはDolby Digital Plus対応の8Wスピーカーが搭載されているがサウンドも高いレベルだ。もちろんステレオスピーカーではないので広がりなどは感じられないが、音自体の情報量は多く、低音にも迫力がある。個人的にはミュージックビデオなども十分鑑賞できる音質だと感じた。
気になるバッテリー駆動時間については、輝度100%、ボリューム30%でYouTube動画を連続再生したところ2時間13分30秒動作した。
輝度については自動、標準、省電力の3つのモードが用意されているが、今回は「自動」でテストを実施した。カタログスペックの約2.5時間は、輝度やモードを調節すれば十分実現すると思われる。
コンテンツ鑑賞目的には実用十分な動作速度を実現
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