ペンとメモ(ノート)の人との関わりの歴史を探ってみれば、その歴史は間違いなく紀元前にまでさかのぼるのは確実だ。当然ながら、歴史のまだまだ浅いICT系との相性が、良いとは思えない。一方タブレットPCで描いたデジタルデータなら、極めて歴史の浅いパソコンやクラウドサービス系のシステムとの相性は良さそうだ。
人と筆記具との極めて長い貴重な関わりの歴史を眺めて見れば、まだまだ歴史の浅いタブレット液晶と書き心地のイマイチ良くないデジタルペンで描いた即席の成果物が、数千年の歴史ある世界とすぐに融合できるとはとても想像できない。
そんな相いれない混沌とした時代を背景に多少デジタル的な小細工を施した普通に見える紙と、同様に多少小細工はされているが、パッと見普通のボールペンのコンビで筆記するデジタイズ(パソコンなどで扱えるデジタル化)ステーショナリーデバイスが人気だ。
今回衝動買いしたアナデジ商品は、「Neo smartpen dimo」(以降、dimo)と呼ばれるコスパに優れたエントリークラスの「スマートペン」だ。販売元はNeoLAB。同社はdimoに先駆けてM1やM1+、N2と呼ばれるペンの先輩モデルがある。また筆記具の老舗である独ラミーとの協業モデルであるLAMY safariデジタルペン、手書きのスケジュールをテキスト化してクラウド上のスケジュールアプリと同期する便利な商品なども開発、販売している。
dimoの同梱物はdimo本体のほかにdimo紹介の小冊子、クイックガイド、お知らせ、dimo用単4アルカリ乾電池だ。デジタルペンの多くは充電式モデルが多く、バッテリーが長持ちすることもあって充電を忘れてしまうことが意外と多い。dimoはその点どこでも入手可能な単4アルカリ乾電池なので、極めて安心便利だ。
まずは、単4アルカリ乾電池をクイックガイドに従ってセットしよう。dimoスマートペンもここ四半世紀ほど、世界中のいろいろなICT系企業や文具メーカーから発売されている、アナログ筆記→デジタイズ→スマホ・パソコンでの活用&共有を実現するペン&ノートのコンビネーション商品だ。
今回、筆者はdimoスマートペンと同時にB5版のDIGITAL NOTEBOOKという製品を3冊同時に購入した。dimoスマートペンはこの専用ノートとの組み合わせで使う限り、歴史に逆らうことなくさまざまなアナログ+デジタルの恩恵を受けることが可能だ。
このコラムでもデジタルペンに関しては「2年遅れで中国・ロヨルの電子ノート「RoWrite」を半額で衝動買い」や「これまでで一番スリムでスタイリッシュな「ネオスマートペン」を衝動買い!」など、ほかにもいろいろご紹介しているので合わせてお読みいただきたい。
前述したように、四半世紀前から手書きタブレットとは全く別の世界で、できる限りアナログの良さと従来のペンと紙のユーザーインターフェースを優先させようとしている商品は多い。自分のまとめのためにも、現在市場にある多くのアナデジ系手書きデバイスを、多少乱暴だが表形式にまとめてみた。
筆者の知る限り最古参の商品は、最上段にある筆者も製品創成期に多少関わったIBMとボールペンのクロスが共同開発した「CrossPad」だ。そして最下段には、アナログの元祖である「普通のメモ+手帳」を並べてみた。歴史と人類の慣れに重点を置くと、アナデジ環境を実現するために技術や特殊な製品に依存度の高くない製品(緑部分が多い)ほど、ナチュラルな商品だと言える。
筆者個人としては、この区分けの上から下までに分類される世界中のアナデジ商品の90%以上は、実際に使っていたか今現在活用中だ。この10年ほど技術が進化し、Dropbox ScanやOneNoteなどのように、スマホカメラで手書きのメモをただスキャン(撮影)するだけで、パソコンやクラウドサービスと親和性の高いデジタイズを実現してくれる無償の商品が登場してきている。
有償でデジタイズ系のサービスをしようとするプロバイダやメーカーは、競争に打ち勝つためにユーザーが便利で喜ぶ新たな付加価値を見つけて、新しい必要かつ多機能な手書きデバイスを提供することを前提に考えなければ、生き残れない時代となった。
そんな中でNeoLABは、筆者が初めて同社を知ってから既に7年ほど経つが、その間もさまざまな工夫を凝らしながら、スマートペンとその周辺のビジネスを長く継続、拡大してきており今ではスマートペン業界の老舗と言える企業だ。
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