メタが10月25日に発売した「Quest Pro」(実売価格22万6800円)。自宅に届いたのでさっそく試してみています。
ハードは良好。AR機能は期待できそう
ハードは旧機種「Quest 2」から正統進化しています。特に新開発のパンケーキレンズがすごくきれいですね。レンズに全然がたつきが見えなくて、一眼レフカメラ用のレンズと同じような品質です。
レンズの精度は、金型から作成するものから、機械研磨、そして、最終的には人の手で研磨と品質が変わっていくのですが、これは人による研磨をしている超高級品ではないかと思います。一眼レフ用のパンケーキレンズは2万円程度するため、単純比較はできないものの、そのレンズが2つ入っているということはレンズだけで4万円ぐらいはかかっているのではと推測します。
内側に10円玉サイズの小さな液晶が入っていると思うんですが、仕様上はppi(インチごとのピクセル数)が37%向上しているとしています。集積度が増しているため、Quest 2よりディスプレーサイズが小型になっているにも関わらず、同等の解像度を保っているんですね。黒の発色は明白によくなっていましたし、「文字表示にこだわっている」というほどあり、VRに表示する文字は鮮明になっていました。UIもすごくキレイにくっきりと見えます。
重さもよく考えられています。Quest 2より若干重いぐらいですが、バッテリーを後ろに積むことで、前側に重さが偏ってしまうこともなく、1時間程度着けてても大変さは感じませんでした。パンケーキレンズで幅に余裕が生まれたおかげで、メガネをかけた人も装着しやすくなっています。
目玉機能のカラーパススルーもやっぱりすごいです。カラーで立体的に見えることはインパクトがありますね。試しに、Quest Proを着けたまま外を歩いて自販機まで行ったりしましたが、普通に歩き回れました。左右の目に合わせて画像を合成しているので、奥行き感がちゃんとあるのも特徴です。
幕張メッセで開催した「メタバース総合展」というイベントで、ちょっとしたお遊びとしてQuest Proを着けたままパネルディスカッションに参加したときにも、壇上から、座っている人たちの奥行き感がちゃんとわかりました。なおメタの公式見解としては、日光が差し込んでディスプレーを損傷してしまう可能性があるため、屋内での使用が前提とされている点は注意点ではあります。
難点としては、Quest Proを付けたままカラーパススルーを通じて日常的に使っているパソコン用の4Kディスプレーを見ても、文字が読めないことですね。手元に持っているスマートフォンの画面も読めません。センサーの特性なのか、白飛びがすごく激しいんです。画面の文字が読めないので、いちいち外さないといけなくて面倒くさいんです。コップなどは普通に見えるので、水を飲んだりはできるんですけど。
原因としては、左右それぞれの白黒センサーから取得した画像にカラーを合成しているため、データにゆがみが発生しているのではないかと言われています。このあたりは今後ドライバーのアップデートを通じて改善していくかなとは思っています。Quest 2のときも改善をたびたび重ね、白黒カメラパススルーの画質が上昇し続けて、今に至っていますから。
もうひとつ気になったのはフリッカーです。LEDは大丈夫なんですが、電球や蛍光灯をつけているとちらつきが気になってしまいました。あと、リアルに比べると視野角がやや狭いので、普段の感覚で歩いていると危ないかなという感覚はありました。レンズが薄くなっているぶん両脇から外が見えるので、そこで補って使用する感じですね。
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