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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第42回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 2022年7月23日~7月29日

外国籍ITエンジニア採用に7割が「満足」の理由、「GitHub Copilot」のAI提案は2~3割受け入れられる、ほか

2022年08月01日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2022年7月23日~7月29日)は、ユーザー間ファイル転送市場、外国籍ITエンジニア採用の満足ポイント、RPA導入率、コロナ以後最低となったテレワーク率、「GitHub Copilot」と開発生産性の関係についてのデータを紹介します。

■[クラウド]ユーザー間ファイル転送市場は堅調に成長、前年度比10%――脱PPAPも後押し(アイ・ティ・アール、7月28日)
・ユーザー間ファイル転送市場は2021年度、前年度10.3%増
・2022年度は50億円越えを予想
・クラウドファイル共有サービスとは「共存」の関係

 重たいファイルのやりとりでよく使われるユーザー間ファイル転送サービス、2021年度の国内売上高は前年度から10.3%増加して48億2000万円となった。2022年度は50億円を上回る予想。各種クラウドファイル共有サービスと競合するが、転送速度、セキュリティ、操作性などを優位性にうたうベンダーもあるという。“PPAP(パスワード付きのZIPファイルをメールで送り、別メールでパスワードを送る)”に代わる手法、ランサムウェア対策などの要因が下支えとなり、市場は今後も成長すると見ている。2021年~26年のCAGR(年平均成長率)は6.9%と予想している。

ユーザー間ファイル転送市場規模の推移と予測、CAGR 6.9%で堅調に増加すると予想している(出典:ITR)

■[人事][ダイバーシティ]外国籍ITエンジニアに7割近くが満足、評価ポイントは技術力、開発スピード、ダイバーシティ(ビズメイツ、7月28日)
・外国籍ITエンジニア採用経験のあるSaaS企業の68%が「満足」
・「技術力」「開発スピード」についで、「組織のグローバル化」も満足の原因
・73%が今後も外国籍ITエンジニア採用に意欲的

 外国籍ITエンジニアの採用経験があるSaaS企業の採用担当105人を対象に、外国籍ITエンジニア採用の実態を聞いた。外国籍ITエンジニアの採用に「非常に満足」「やや満足」は68.6%、「満足していない」(31.4%)の2倍以上となった。満足と回答した層に外国籍ITエンジニア採用により達成できたことを聞くと、「技術力の向上」(52.8%)「開発スピードの向上」(41.7%)などが挙がった。全員に今後の外国籍ITエンジニアの採用動向について尋ねたところ、「そう思う」が73.3%となった。

外国籍ITエンジニアを採用するSaaS企業の7割近くが「満足」と回答した(出典:ビズメイツ)

外国籍ITエンジニアに満足している理由としては「技術力の向上」がトップ(出典:ビズメイツ)

■[RPA]RPAの導入率は30%に、自動化対象アプリケーションは「Excel」が最多(UiPath、7月28日)
・RPAの導入は2019年を境に加速、導入率は約30%に
・導入の目的は「全社的な業務変革の実現」が最多(48%)
・RPA自動化対象アプリケーションは「Excel」(74%)「Webブラウザ」(52%)など

 UiPathがアイ・ティ・アール(ITR)に調査を依頼した、RPA活用の実態についての報告書「RPAの国内利用動向と業務自動化の方向性」より。RPA導入は2016年より本格化し、2021年の「導入済み」は、前年から約3ポイント増えて30%近くに。「導入予定」を入れると60%となった。部門別では「IT部門」が56%でトップ、「経理」「総務」と続いた。RPAで自動化するアプリケーションは「Excel」が74%でダントツのトップ。今後は自動化の対象がデスクトップアプリから拡大すると予想している。

国内企業におけるRPA導入率の推移。点線の左が導入済み、右が導入予定(出典:ITR/UiPath)

RPA導入目的は「全社的業務改革の実現」が最多(出典:ITR/UiPath)

■[働き方]テレワーク実施率は16%でコロナ以後最低、景況感/景気見通しは悪化(日本生産性本部、7月25日)
・テレワーク実施率は16.2%、2020年5月以来最低レベル
・日本の景況感は「悪い」が37.6%、前回(4月)の30.9%から増加
・38.6%が現在の給与は市場価値より「低い」

 新型コロナが働く人の意識に及ぼす影響を調べる目的で、2020年5月以降、四半期ごとに実施されている調査の10回目。調査期間は7月4日と5日、20歳以上の雇用者1100人が対象。テレワーク実施率は16.2%で調査開始以来最低を更新した。今回追加した市場価値と転職に対する考えでは、現在の給与が「相場より低い」(=自分の市場価値は給与額より高い)は38.6%、市場価値を把握していないため「わからない」は25.5%だった。

テレワーク実施率は2020年5月以来、最低レベルに。これまでの最低記録(2022年1月の18.5%)を更新した(出典:日本生産性本部

業種別の給与と相場のバランス。「生活関連サービス業」「医療、福祉」などで「相場より低い」という回答が多かった(出典:日本生産性本部

■[開発者][AI]GitHub Copilotは開発者の生産性向上に寄与する?(ギットハブ・ジャパン、7月27日)
・GitHub Copliotのメリットはペアプロラミングと同じ
・Copilotに対する評価が高い開発者は入力補完の提案を30%近く受け入れている
・適切な出発点を提示していれば、提案に手直しが必要でも開発者は気にしない

 「GitHub Copilot」はGitHub(米Microsoft傘下)が6月に一般提供(GA)にしたAIプログラミング支援機能。今回、米国拠点の開発者2000人以上にGitHub Copilotが生産性とコード品質に与える影響を調べ、「Productivity assessment of neural code completion」としてまとめた。当然ではあるが、Copilotによる生産性向上のメリットを強く感じている開発者ほど、実際のCopilotによる入力補完提案の「受け入れ率」(「受け入れられた提案数」を「表示された提案数」で割ったもの)も高かった。全体としては、Copilotによる提案は2~3割程度受け入れられているといえる。

生産性向上に対する評価を4段階(ふつう/やや満足/かなり満足/とても満足)に分類すると、実際の入力補完提案の受け入れ率の高さと相関関係が見られた(出典:ギットハブ・ジャパン)

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