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グループ会社107社をつなぐコネクト、顧客企業と「デジタルHQ」のメンバー全員をつなぐコネクト

「Slackコネクト」活用ノウハウをGMOとクラウドネイティブが紹介

2022年07月28日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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クラウドネイティブ:Slackをフル活用して顧客体験も従業員体験も向上

 2017年5月設立のクラウドネイティブは、企業の情報システム部門に対するコンサルティング事業を展開するスタートアップだ。直近では2期連続で100%成長を果たしており、2022年度の売上高は15億円、同社でマーケティングディレクターを務める神前氏は「伸び盛りの会社」だと紹介する。

 同社の従業員数は現在36名だが、物理的なオフィスは事実上持っておらず「創業初日からフルリモートワーク」(神前氏)で稼働しているという。全国に点在するメンバーが働く場所としているのが、こちらも創業初日から利用しているというSlackだ。

 「Slackを中心にして、お客様向けのサービス体験であるUXと、社内の従業員向け体験であるEXの両方を向上させている」「Slackに依存することで会社の価値を高めている」(神前氏)

事実上物理オフィスを持たないクラウドネイティブでは、Slackが働く場所=デジタルHQになっている

 神前氏はまずUX、顧客体験の面から説明した。同社では顧客とのコミュニケーションをSlackコネクトで集約し、「スピード」と「深さ」の両面でサービスの価値(質)を高めているという。顧客と共有しているチャンネル数は200以上に及ぶ。

 「顧客とプロジェクトチームのすべてのエンジニアが、1つのチャンネルを(Slackコネクトで)共有して、さまざまな課題を共有したり顧客からの質問に答えたりする。そんなスタイルでコンサルティングをさせていただいている」(神前氏)

 同社のコンサルティングサービスが顧客から好評を得られる理由として、神前氏は「全員野球ができることがすごく大きい」と表現する。社内のチームは「デバイス」「セキュリティ」など技術領域ごとに分かれているが、1つのチャンネルに参加しているので情報が分断されない。さらに他のエキスパートが回答している内容を見て、ほかのメンバーにも専門的な深い知見が蓄積される効果もあると、神前氏は説明する。

顧客企業ごとにチャンネルを用意して関係するメンバー全員が参加することで、迅速かつ漏れのない情報共有が実現していると語る

 顧客対応の「スピード感」を高めるために、Slackを中心に据えた作業の自動化も積極的に行っている。たとえば新規顧客と契約した場合には、Slackで「/newpj」とコマンドをたたき、顧客企業名を入力するだけで、そのプロジェクトの専用Slackチャンネルが立ち上がり、メンバーが招待される。同時に社内外ファイル共有用のBoxにも、プロジェクト専用のフォルダが用意され、すぐにプロジェクトを進行できる環境が整う。こうした自動化は「Workato」を使って実現しているという。

 「また、Slackコネクトチャンネル上で顧客からの質問に回答するのも、われわれの重要なサービスのひとつ。質問メッセージにメンバーの誰かが『起票』という絵文字(リアクション文字)を付けると、(タスク管理ツールの)『Asana』にタスクが起票されると同時に、“お客様の質問箱”のようなチャンネルにメッセージが投稿される。タスクへのメンバーのアサインや完了報告もSlack上でできる」(神前氏)

Slackを起点とした自動化を推進。右の例では、質問の転記やタスク起票の作業が自動化され、また期日漏れ通知も自動化したことで、1人あたり週1.8時間の業務効率化につながった

 一方で社内におけるEX、従業員体験の向上については「普段の業務から雑務までSlackで完結する」と紹介した。クラウドネイティブ社内では、基本的にあらゆるSlackチャンネルがパブリックチャンネルとして誰でも閲覧/参加できる状態になっている(プライベートチャンネルの利用も制限していないが、ほぼ0%)。従業員の1日の書き込み数は平均で75メッセージ、多い社員では1日150メッセージにも及ぶという。

 特徴的な使い方として「Time(分報)」を紹介した。これは個々のメンバーが自分専用のチャンネルに、作業の開始や終了の記録、あるいは今悩んでいること、思いついた提案などを「社内版ツイッターみたいに」(神前氏)書き残していくというものだ。さらに、ここには出退勤アプリも統合している。

 「Timeを見るだけで、この人が朝何時頃に出勤して、こんな作業をして、こんなことを考えていたという、その日1日のことが記録として残る。また、これもコミュニケーションのひとつになっていて、困っている人がいたらすぐに助けられる」(神前氏)

「Time(分報)」を通じて、その人がその日の業務時間をどのように過ごしたのかがダイジェストでわかる

 これに加えて「Slackハドルミーティング」も非常によく使っているという。

 「実はわれわれおしゃべりが大好きで、ハドルはとてもよく使っている。ハドルミーティングを開けておくことで、『いましゃべりかけてもいいんだ』とか『誰と誰が話をしている』とかがわかる。給湯室とかオフィスのちょっと隅っことか、そういうノリで会話ができる。(ハドル登場以前に)“仮想オフィス”サービスを使っていた時期があるが、ハドルが来たおかげで、まったく誰もそこにログインしなくなった」(神前氏)

 ちなみに同社では「Zoom」も利用しているが、両者の使い分けのルールは特に定めていないという。

 「Zoomの場合は録画されるという違いはあるが、基本的にはどちらを使ってもいい。僕自身は、話す目的がしっかりしていて記録に残したい場合はZoom、ちょっと“壁打ち”したり相談したりする場合はハドル。そんな感じで使い分けている」(神前氏)

Zoomとは異なり、ハドルの場合はアイコンが表示されるので「話しかけてよいタイミング」がリアルタイムにわかるという点も挙げた

 そのほかにもクラウドネイティブでは、さまざまな業務アプリをSlackを連携させることで「Slackに情報が勝手に集まってくるような仕組み」「Slackさえ見ていれば業務が終わる世界」を目指して改善を続けている。神前氏はこれを「シングルUI」化と表現するが、すでにバックオフィスの通知から各種申請ワークフロー、Salesforceからの顧客情報の呼び出し、さらに絵文字をトリガーとした他のアプリの自動操作などを実現しているという。

 「Slackを通じた自動化やシングルUI化によって、1人あたり週間9.6時間くらいの業務削減ができたと計算している。そこで毎週金曜日は丸一日『黙々Day』として、自己投資の時間に充てている」(神崎氏)

 最後に神崎氏は、社内/社外のすべてのコミュニケーションをSlackに集約することによって、サービスの品質と業務の効率性をどんどん高めていけるのではないかとまとめた。

Slackコネクトも活用しながら社内外すべてのコミュニケーションをSlackに集約することで、会社の価値を高められるとまとめた

※お詫びと訂正:初出時、社名を「クラウドネイティヴ」と表記していましたが、正式な社名表記は「クラウドネイティブ」でした。関係者の皆様にお詫びのうえ訂正いたします。本文は修正済みです。(2022/07/29 11:00 筆者)

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