メカニックはクルマを送り出すまでが勝負!
ラリー車両がTC0を超えてスタートすると、すぐ隣には「タイヤチェック」があります。積んでいるタイヤの本数と種類をオフィシャルにチェックしてもらうポイントになるのですが、そこでオフィシャルさんの作業補助とチーム側の確認のための「タイヤサービス」という作業があります。そのためにサービススペースからラリー車両を送り出したのち、メカニックは徒歩で迅速に「タイヤチェック」に向かいます。
私はこの作業の名前すら聞いたことがなく、最初は「タイヤサービス行くよ」と言われても分かりませんでしたが、以後タイヤサービスは私が担当に。この作業が終わると、セレモニアルスタートゲートに向かうことができ、いよいよスタートフラッグが振られて、ラリー車両は遠く離れた林道のSSに向かうことになります。ちなみに、ラリーのスタートは規則的に言うとTC0に到着した時点でラリーのスタートとのことでした。難しいですね(笑)。
スタートすると、次にラリー車両がサービスに戻って来る時間はだいたい決まっているので、その時間までメカニックミーティングを行ないます。今回の全日本ラリーモントレーでは10分サービス、20分サービス、45分サービスがあり、10分の場合はタイヤ交換と洗車のみ、20分の場合は前述した通り簡単な足回りチェックと洗車、45分の場合は20分でやる作業+様々な箇所のオイル交換や損傷したパーツの交換になります。
私はラリー車両のサービススペースへの誘導と、左リアフロントのウマ掛け、タイヤ外し、ハブガタのチェック、タイヤ戻し、トルクチェックをするよう指示されました。最初のお昼のサービスは20分ですが、初サービス本番で作業タイムに気になるため少し緊張しました。
サービスのおおよその時間は決まっていると書きましたが、ウェルパインモータースポーツは2台体制で、さらにメカニックを共有している1台が他にもあるため、通常だとこの3台のサービスタイムが被ってしまうのですが、今回は「フレキシサービス」といってサービスインの時間を遅らせることができるシステムを使用しました。
サービス入る前のリエゾンで、それぞれのコ・ドライバーと監督が連絡を取り合い、サービスイン時間を調整し、メカニックは使用工具を準備して待機しています。最初の20分サービスは村田選手・梅本選手の乗る17号車で指示された通りに作業ができ、緊張もかなりありましたがこれまで教わったことが発揮できたと思います。
17号車の作業が終わり、洗車をある程度済ませたらサービスアウトのタイミングを見計らって、ひとりタイヤサービスに向かうため坂道をダッシュしました。今度は1人でタイヤサービスを済ませ、17号車を無事に見送ることができました。
その次はまた軽くメカニックミーティングを行ない、古川選手と戸塚選手の乗る54号車のサービス内容の確認をします。今回も20分サービスで、特に車両トラブルがなかったため、先程の17号車と作業内容はほとんど変わりませんでした。誘導、スロープ、ウマ掛け、タイヤの付け外しと洗車です。2回目なのでだいぶ慣れて、タイヤサービスまで順調に終えることができました。この本番のサービスを経験して、また少しラリーが分かってきたような気がしました!
ラリー車両を送り出した後はお昼休憩で、ウェルパインモータースポーツはできたてのほか弁が用意されています。お昼ごはんを食べたあとは、DUNLOPさんのモータースポーツ支援トラックに行って、タイヤとホイールを組み替えてもらったり、サービスパーク内を散歩したりと、ラリーの雰囲気を存分に2日目で感じることができました。
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