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上下の立体感も優秀でFPS向き!?ソニーのゲーミングギアブランド「INZONE」の製品を体験、その性能と魅力とは

2022年07月05日 09時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

立体的な音を拾い、FPSゲームなどで役立ちそう

 同社はディスプレーの他に、3種類の「INZONE Hシリーズ」のヘッドセットも販売する。最上位の「INZONE H9」(ソニーストア直販価格3万6300円)はアクティブ・ノイズキャンセリングを搭載したワイヤレスヘッドセット。ミドルクラスの「INZONE H7」(ソニーストア直販価格2万8600円)はノイズキャンセリング機能がないワイヤレスで、最も安価な「INZONE H3」(ソニーストア直販価格1万2100円)は有線接続タイプになっている。

ヘッドセットは3種類が発売される。いずれも「INZONE M9」と同じ7月8日発売予定

「INZONE H9」と「INZONE H7」はUSBドングルによる2.4GHzとBluetoothの2種類でPCやゲーム機、スマホと接続できる。また、2.4GHzとBluetoothの同時接続が可能。加えて、この2機種はPCに接続して「INZONE Hub」が利用可能だ。また、この2機種は360度どこからでも音が聞こえてくるPS5の「Tempest 3D Audio」にも対応する。

「INZONE H9」をPCに接続した際の「INZONE Hub」のメニュー。イコライザーでの調整などが行なえる

 さらに、「INZONE H9」と「INZONE H7」は「INZONE Hub」の立体音響を有効にすることで、通常2chに圧縮されるゲームの音声信号をゲーム本来の7.1chサウンドにするバーチャライザーに対応。スマホアプリ「Sony 360 Spatial Sound Personalizer」(現在Androidのみ)で自分の耳画像を撮影した情報を、ソニーアカウントなどを経由して「INZONE Hub」で連携することで、耳や頭の形、大きさによって生じる個人差を補正した理想のゲームサウンドを実現する。

「Sony 360 Spatial Sound Personalizer」では、顔の正面と左右の耳を撮影し、そこから解析したデータがクラウドに保存。スマホアプリ時にログインしたアカウントで「INZONE Hub」にログインすると反映される

 耳の写真を撮影してパーソナライズする技術としては、クリエイティブメディアのSuper X-Fiがあるが、Super X-Fiはヘッドホンの外からも音が聞こえるような、作られた音場のサウンドで楽曲やゲームが楽しめるもので、人によって好みが分かれる。

 一方で「INZONE Hシリーズ」のパーソナライズは、ゲームに特化した調整のようだ。実際に試してハイレゾ音源やネットサービスの楽曲を聞いてみたが、劇的な変化は感じなかった。

 しかし、一緒に体験に参加した八尋曰く、人気のFPSゲーム「VALORANT」では、立体的な音で敵の足音を感じられる。一般的なゲーミングヘッドセットでも周囲の足音は割と感じられるが、自分より高い位置にいる敵の足音もやや判別できるような感じがしたという。また、筆者も「ELDEN RING」では、草をかき分ける音や風の音などが立体的でリアルで自然な音が楽しめると感じた。

 また、本体は丸みを帯びたしっかりとした作りで手触りも良く、「INZONE H9」にはNC/AMBボタン、音声調整ダイヤル、ゲームとチャットの音量ミックス具合を調整するボタンなどが用意され、本体だけでも細かい調整が行なえる。

左側には音声調整ダイヤル、NC/AMBボタン、充電用のUSB Type-Cが備わっている

右側には音声をミックスする具合を調整するボタンと、Bluetoothボタン、電源ボタンが備わっていた

 3機種いずれもドライバーユニットはハイレゾヘッドホンで実績のある40mmドーム型ドライバーを採用している。ただし、ボイスコイルは「INZONE H9」と「INZONE H7」がEDCCAボイスコイルのところ、「INZONE H3」はCCAWボイスコイルを採用している。有効周波数帯域はいずれも100Hz-8000Hz。

 限られた時間内で試しただけなので検証は不十分だが、いずれも重低音が響き過ぎるなどといった尖った音質ではなく、リアルで自然な音質だと感じた。中低音の響きが良く、解像感の高い音で楽曲が楽しめる。

 ただし、イヤーパッドはいずれも異なる。「INZONE H9」は遮音性の高いソフトフィットレザーで、「INZONE H7」はさらさらした肌触りのナイロン素材、「INZONE H3」もナイロン素材だが、若干硬さや大きさが異なる。好みもあると思うので、気になる人は購入前に量販店などで試してみるとイイだろう。

「INZONE H9」のイヤーパッド

左が「INZONE H7」、右が「INZONE H3」のイヤーパッド。多少サイズなどが異なるようだった

 USBドングルは「INZONE H9」と「INZONE H7」で形状が変わらない。やや長さがあるUSBメモリーのような形状。ゲーミングマウスの中には、もっと幅が短いUSBドングルもあるが、そういったタイプはPS4のフロントポートに挿すと、取り外せなくなる危険性もあるので、そういった心配はなさそうなサイズだ。

USBドングルには、PS5とPCの切り替えスイッチが用意されていた。PS5以外のゲーム機では使えないのかが気になるところだ

 また、マイクは高級感のあるしっかりとした作りのブームマイクを採用している。フリップアップするとミュートになる機能を持ち、Discord認定のクリアな音声でチャットが行なえる。

 ゲーミングディスプレーの「INZONE M9」は、4K&144Hz対応とはいえ、やや割高感がある。しかしながら、PS5に自動でHDRや画質モードが最適かする唯一無二の機能を持ち、専用チップを搭載するため高く付くG-Syncにも対応。高級感のあるさすがソニー製と思わせる特徴的なデザインは購買意欲を掻き立てる。

「INZONE Hシリーズ」のヘッドセットは、もう少しいろんなジャンルのゲームで試してみたいが、今回試した限りでは、立体的な音響が勝敗に直結するFPSユーザーには向いている。同社の音楽用のヘッドホンとはまた異なる、PS5の付属品かと思わせる丸みを帯びた白いデザインは、ゲーム用といった趣を強く感じる。

 ただ、一般ユーザーには関係ないが、見た目が非常に酷似しているため、大規模イベントで複数種類混ざっていると、誤って「INZONE H9」と「INZONE H7」を逆に収納してしまう、なんてこともおきそうだなとも思った。実際には重量も若干異なるので欲しいと感じた人は、やはりまずはソニーストアの実店舗や量販店で試してみることをオススメしたい。

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