ソニーは6月29日にゲーミングギアブランド「INZONE」を発表した。製品発表時の様子は既報のとおりだが、今回いち早く同社に伺って製品に触れる機会を得たので、その所感をお伝えしたい。
7月8日に発売される「INZONE M9」は、解像度が4K(3840×2160ドット)まで出力可能な27型のゲーミングディスプレー。リフレッシュレートは144Hzで、DisplayHDR 600にも対応する。ソニーストアの直販価格は15万4000円。主な仕様は以下のとおり。
「INZONE M9」の主なスペック | |
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パネル | 27型IPS(ノングレア) |
解像度 | 3840×2160ドット |
最大表示色 | 10.7億色 |
表示色域 | 95%以上(DCI-P3カバー率) |
輝度 | 600cd/㎡ |
コントラスト比 | 80000:1 |
視野角(水平/垂直) | 178度 |
リフレッシュレート | DisplayPort:144Hz、HDMI:120Hz |
応答速度(GTG) | 1ms(高速モード) |
バックライト技術 | 直下型LED部分駆動(フルアレイ・ローカルディミング) |
スピーカー | 2W×2 |
インターフェース | DisplayPort 1.4、HDMI 2.1×2、USB Type-C(DP Alt Mode、Upstream)、USB Type-B(Upstream)、USB Type-A×3(Downstream)、3.5mmヘッドホン出力 |
高さ調整 | 70mm |
チルト | 0~+22度 |
VESAマウント幅 | 100×100mm |
サイズ/重量 | 約61.5(W)×24.8(D)×47.9(H)mm/約6.8kg(スタンド含む) |
その他 | DisplayHDR 600、Adaptive-Sync、NVIDIA G-Sync Compatible |
直販価格 | 15万4000円 |
まずは、今年2月に発売されて話題となったフロム・ソフトウェアの『ELDEN RING』をプレイ。「INZONE M9」はパネルの下にLEDバックライトを配置し、映像全体を小さなブロックに分けてコントロールする「直下型LED部分駆動」を採用している。また、最大輝度600cd/㎡に対応し、HDR映像品質のグレードを示すDisplayHDR600を取得している。
HDR(High Dynamic Range)は従来のSDRよりも明るさの幅が広く、表現できる表示技術。昨今は、PlayStation 5(PS5)やXbox Series Xといった次世代ゲーム機でも対応し、SDR映像では黒つぶれしたり、白飛びする映像も、より自然でリアルな描写で描ける。
黎明期のHDR対応ディスプレーの中には、輝度が低く、映像がぼんやりと暗く、メリハリに乏しい残念な感じの場合もあった。また、メーカーによってはHDRの中でもいくつかのプリセットがあり、映画やゲーム、または作品によってユーザーが自分でどの設定が良いか探る必要があるものもある。
一方で、「INZONE M9」はPS5との連携機能でオートHDRトーンマッピングを搭載。PS5本体のHDR調整を自動で最適化してくれる。今回はPCに接続しての体験だったが、明るい部分は明るく、木々や建物の影といった暗い部分の黒はしっかりと引き締まり、映像美としてはメリハリの効いた非常に美しいものだった。
後述するヘッドセットと同じく、「INZONE Hub」という独自アプリで管理され、画質の調整やLEDの調整などが行なえる。ディスプレーの背面のLEDは色を変更することもできる。
本製品はUSB Type-B経由で接続したPCと、USB Type-C経由で接続したPCの2台で、USB Type-Aに接続したマウスとキーボード、ヘッドセットを切り替えて使えるKVM機能を備えている。新型コロナの自粛でテレワークが増えている昨今、仕事で使っているノートPCを自宅に持ってきて、メインのデスクトップPCとは別に接続して作業する場合などに役立つ。
ちなみにディスプレーは、2022年内に解像度1920×1080ドットのフルHDで、リフレッシュレートが240Hzの「INZONE M3」の販売も予定している。
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