上下の立体感も優秀でFPS向き!?ソニーのゲーミングギアブランド「INZONE」の製品を体験、その性能と魅力とは

2022年07月05日 09時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

 ソニーは6月29日にゲーミングギアブランド「INZONE」を発表した。製品発表時の様子は既報のとおりだが、今回いち早く同社に伺って製品に触れる機会を得たので、その所感をお伝えしたい。

INZONEでは第1弾としてディスプレーと、ヘッドセットを発売する

 7月8日に発売される「INZONE M9」は、解像度が4K(3840×2160ドット)まで出力可能な27型のゲーミングディスプレー。リフレッシュレートは144Hzで、DisplayHDR 600にも対応する。ソニーストアの直販価格は15万4000円。主な仕様は以下のとおり。

「INZONE M9」の主なスペック
パネル 27型IPS(ノングレア)
解像度 3840×2160ドット
最大表示色 10.7億色
表示色域 95%以上(DCI-P3カバー率)
輝度 600cd/㎡
コントラスト比 80000:1
視野角(水平/垂直) 178度
リフレッシュレート DisplayPort:144Hz、HDMI:120Hz
応答速度(GTG) 1ms(高速モード)
バックライト技術 直下型LED部分駆動(フルアレイ・ローカルディミング)
スピーカー 2W×2
インターフェース DisplayPort 1.4、HDMI 2.1×2、USB Type-C(DP Alt Mode、Upstream)、USB Type-B(Upstream)、USB Type-A×3(Downstream)、3.5mmヘッドホン出力
高さ調整 70mm
チルト 0~+22度
VESAマウント幅 100×100mm
サイズ/重量 約61.5(W)×24.8(D)×47.9(H)mm/約6.8kg(スタンド含む)
その他 DisplayHDR 600、Adaptive-Sync、NVIDIA G-Sync Compatible
直販価格 15万4000円

 まずは、今年2月に発売されて話題となったフロム・ソフトウェアの『ELDEN RING』をプレイ。「INZONE M9」はパネルの下にLEDバックライトを配置し、映像全体を小さなブロックに分けてコントロールする「直下型LED部分駆動」を採用している。また、最大輝度600cd/㎡に対応し、HDR映像品質のグレードを示すDisplayHDR600を取得している。

 HDR(High Dynamic Range)は従来のSDRよりも明るさの幅が広く、表現できる表示技術。昨今は、PlayStation 5(PS5)やXbox Series Xといった次世代ゲーム機でも対応し、SDR映像では黒つぶれしたり、白飛びする映像も、より自然でリアルな描写で描ける。

 黎明期のHDR対応ディスプレーの中には、輝度が低く、映像がぼんやりと暗く、メリハリに乏しい残念な感じの場合もあった。また、メーカーによってはHDRの中でもいくつかのプリセットがあり、映画やゲーム、または作品によってユーザーが自分でどの設定が良いか探る必要があるものもある。

 一方で、「INZONE M9」はPS5との連携機能でオートHDRトーンマッピングを搭載。PS5本体のHDR調整を自動で最適化してくれる。今回はPCに接続しての体験だったが、明るい部分は明るく、木々や建物の影といった暗い部分の黒はしっかりと引き締まり、映像美としてはメリハリの効いた非常に美しいものだった。

光が強い部分をピックアップしてみると、その光の具合がHDR非対応のディスプレーと比べて、とてもリアルな表現になっていることがわかる

 後述するヘッドセットと同じく、「INZONE Hub」という独自アプリで管理され、画質の調整やLEDの調整などが行なえる。ディスプレーの背面のLEDは色を変更することもできる。

「INZONE Hub」では画質や応答速度を変更したり、ブラックイコライザーなどのゲームアシスト機能を調整できる

「INZONE Hub」で行なえる調整は、ディスプレーのジョイスティックで操作できるOSDでも実行できる

背面にはOSDを操作するジョイスティックと電源ボタンがあり、上部には横一線にLEDが配置されている。斜めに1本太い支柱があり、それを中心にスライドして高さが変わる、他にはないスタンドが特徴的

LEDは色が変更できる

接続ポートは背面から見て左側に集約されている

スタンドには、ケーブルを束ねるホールも備わっている

 本製品はUSB Type-B経由で接続したPCと、USB Type-C経由で接続したPCの2台で、USB Type-Aに接続したマウスとキーボード、ヘッドセットを切り替えて使えるKVM機能を備えている。新型コロナの自粛でテレワークが増えている昨今、仕事で使っているノートPCを自宅に持ってきて、メインのデスクトップPCとは別に接続して作業する場合などに役立つ。

 ちなみにディスプレーは、2022年内に解像度1920×1080ドットのフルHDで、リフレッシュレートが240Hzの「INZONE M3」の販売も予定している。

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