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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第35回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 6月4日~6月10日分

ビジネスSaaSのMAUはコロナ前比で2倍、経営者も男性育休に前向き、システム運用自動化市場の成長率、ほか

2022年06月13日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えしています。

 今回(2022年6月4日~6月10日分)は、ランサムウェア身代金支払金額の高騰、男性の育休取得に対する経営者の意識、最新の国内携帯電話・スマホ出荷台数シェア、システム運用自動化市場の拡大、WebサイトとアプリのMAU動向についてのデータを紹介します。



■[セキュリティ]2022年1月~5月のランサムウェア身代金平均支払額は92.5万ドル、前年比71%増加(パロアルトネットワークス、6月9日)
・ランサムウェアによる身代金平均支払額、2022年1月~5月は92万5162ドル
・前年同期から71%増加、100万ドル台に近づく
・同期、数百万ドル規模の身代金要求は2件

 パロアルトネットワークスの脅威インテリジェンスチームUnit 42によるランサムウェア脅威に関する最新データ。2022年1月~5月のランサムウェア攻撃への身代金平均支払い金額は、前年比71%も増加して92.5万ドルに。復旧費用やダウンタイムによる機会損失などを加算すると、被害総額はさらに大きくなる。身代金額が大きく伸びた要因として、数百万ドル規模の身代金要求が2件あったことを挙げている。1件はQuantum Lockerによるもの、もう1件は二重恐喝リークサイトでLockBit 2.0によるものという。



■[生活]育休取得に好意的な経営者、それでも「男性の取りづらさを感じる」は45%(経営者JP、6月9日)
・経営者は男性社員の育休取得にポジティブ
・8割近くの男性経営者は育休取得を望む
・しかし現場での男性育休推進取り組み率は44.3%、半数を下回る

 男女約2000人の経営者(有効回答数122人)に、「男性の育児休業取得」についての意見を聞いた。自ら育休を取得した経験が「ある」は9.8%。男性経営者に「今の時代に子供が生まれたら育休を取得したいか」を尋ねると、79.4%が「取得したい」と回答した。育児・介護休業法の改正で男性の育児休業取得を後押しする施策が段階的に施行されるが、これには83.6%が賛成した。その一方で、「男性の育休の取りづらさを感じる」は45.1%と男女差が大きく、また男性の育休推進のための取り組みを導入している会社は44.3%にとどまるなど、さらなる改善の余地があることも明らかになっている。

男性社員の育休取得を「推進している」は44.3%(出典:経営者JP)

「男性の育休の取りにくさ」を感じる回答者は45。1%。一方で女性はゼロだった(出典:経営者JP)

男性育休の法制度化には83%以上が賛成と回答した(出典:経営者JP)



■[モバイル]2022年Q1の携帯・スマホの出荷台数は4%増加、3G終了が後押し(6月8日、IDC Japan)
・2022年Q1の携帯・スマホの合計出荷台数は1015万台、前年同期比4%増
・iOSは前年同期比6.4%増の995万台、Androidは同1.6%増の480万台を出荷
・ベンダーシェアはAppleが47.3%、前年同期から1ポイントアップ

 2022年第1四半期(1~3月)の国内携帯電話/スマートフォン出荷台数は、前年同期から4%増加した。3Gサービス終了を予定しているキャリアが低価格モデルを中心に仕入れを増やしたことが大きな要因で、OS別シェアではiOSが前年同期比6.4%増、Androidは同1.6%増。ベンダー別シェアは、Apple(47.3%)、Samsung(11.3%)、シャープ(10.4%)など。今後については、ロシア・ウクライナ戦争、中国ロックダウンなどが出荷や物流に与える影響は楽観できないとしている。

携帯電話・スマホを合わせた出荷台数のベンダー別シェアではAppleがトップ(出典:IDC Japan)



■[運用][AI]好調なシステム運用自動化市場、2022年度は前年比19%増の見込み( アイ・ティ・アール、6月9日)
・2021年度の運用自動化市場は49億8000万円、前年度比13.4%増
・SaaSモデルは前年度比48.5%増と高い成長
・AIOpsは「時期尚早」、事前設定した運用ルールに基づく自動化が普及

 システム運用自動化市場は2021年度は前年比13.4%増、2022年度も同19.1%増(見込み)と好調。背景として、コロナ禍で運用自動化の必要性が再認識されたことがあるという。新規ベンダーの参入もあり市場は当面は活況、2021年~2026年までは年間平均17.4%で成長し、2026年度の市場規模は111億円に達すると予想する。提供形態ではSaaSが好調で、2021年~26年のCAGR(年平均成長率)は34.2%、パッケージ(同6%)の6倍近くのスピードでの成長が予想されている。2025年には比率が逆転するとみる。

2020~2026年の運用自動化の市場規模推移と予測(濃い青がパッケージ、水色がSaaS)(出典:ITR)



■[生活][仕事]コロナによりWebサイトの利用が増加、ビジネスSaaSのMAUはコロナ前の約2倍に(Amplitude、6月7日)
・2020年1月~2021年12月の2年間で全世界のアプリのMAU(月間アクティブユーザー)は36ポイント上昇
・WebサイトのMAUはさらに増え、57ポイント上昇
・リモートワーク実施時期はWebサイトの利用が増加

 モバイルアプリとWebサイトの利用状況について、国別・業界別に調べた「2022年 アプリ・ウェブサイト トレンドレポート」より。新型コロナの感染拡大が始まった2020年1月からの動向がわかる。2020年1月から、米、フランス、日本、シンガポール、英国の5か国は同じような曲線を描いてMAUが上昇している。業界別でもビジネスコミュニケーション、コラボレーションなどのBtoBSaaS(ビジネスSaaS)は、WebサイトのMAUが2020年2月から4月にかけて103ポイント増加した。

BtoB SaaSではWebサイト(赤)のMAUの増加が著しい(出典:Amplitude)

国別のWebサイト利用の増加率。日本は水色(出典:Amplitude)

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