楽天モバイルが2022年7月より、1GB以下ゼロ円となる料金プランを改定する。ネットには「聞いてないよぉ」とユーザーからの戸惑いの声が上がっている。
楽天モバイルはこれまで「1GBまでの月はゼロ円に」というCMでユーザーを獲得してきた。これが自動的に3GB以下で月額1079円になるのだから、ユーザーから反発が上がるのも無理はない。
しかし、楽天モバイルの三木谷浩史会長は「ぶっちゃけ、ゼロ円で使い続けられても困る」と本音を漏らす。
ゼロ円施策、電気通信事業法上でダメ
確かに楽天モバイルにとってみれば、毎月、1GB以下で1円も支払ってくれないユーザーは「赤字要因」に他ならない。楽天モバイルは事務手数料などもほどんどゼロ円であることから、eSIMからプラスティックのSIMカードに切り替えをすると、SIMカードの発行コストや郵送コストなどがかかり、思いっきり赤字状態になる。もちろん、KDDIのローミングエリアで1GB未満で使われてしまえば、楽天モバイルには1円も入らない一方、KDDIへのローミング接続料として500円近くの出費が余儀なくされていたのだった。
楽天モバイルが料金改定を発表して以降、KDDI・povoやIIJなどにユーザーが殺到しているようだが、楽天モバイルとしては「お金を払ってくれない人たち」が他社に行くのは大して痛手にはならないのではないか。むしろ、赤字要因が一掃されることで、黒字化に近づくのは間違いない。
とはいえ、楽天モバイルは当初の考えとしては、従来からユーザーに対しては1GB以下ゼロ円を提供しつつ、新しいユーザーから新料金プランを適用しようと考えていたようだ。
三木谷会長は「既存のユーザーには当面このまま使っていただくというのが我々の案だったが、『既存のユーザーをキープしたまま新プランを出す』というのが、電気通信事業法上でダメだということがわかった。そこで、ほかのベネフィットをたくさんつけようということになった」と導入のいきさつを明かしている。

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