長期契約者を割引で縛るのはけしからん
この「電気通信事業法上」というのは「電気通信事業法 第二十七条の三 第二項第二号」が該当する。
2019年、料金値下げを実現しようと、キャリア間でのユーザー獲得合戦が盛り上がるよう、長期間契約しているユーザーに対しての割引を制限しようという話になった。NTTドコモなどは10年以上契約しているユーザーも多く、そうした人に長期契約割引やポイント付与を行っていると、いつまで経っても解約してくれず、他社に移行しないというのが問題視された。
総務省としてはユーザーの流動性を上げるために「長期契約者を割引で縛るのはけしからん」という方向に持って行きたかったのだ。
ただ実際、総務省・有識者会議で議論されることなく、いつのまにか法改正の案に盛り込まれていたのであった。
楽天モバイルが既存のユーザーには1GB以下はゼロ円、新規ユーザーは3GBで1078円という料金プランを提供すると、「既存の長期間、契約しているユーザーに対しての割引としての扱いになる。顧客を縛るのはけしからん」という理屈が適用される恐れがあった。
楽天モバイルが、既存の料金プランにおける新規契約を打ち切り、新たに新料金プランとして提供すればよかったのだが、楽天モバイルはかたくなに「わかりやすいワンプラン」にこだわった。
ワンプランでの提供を重視したため、結果として「既存ユーザーは値上げ」ということになってしまったのだった。
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