さすが14コア20スレッドの威力、Core i9-11900Hの124%、Core i7-10875Hの167%を記録

「Razer Blade 15」2022春 米国モデル 実機レビュー = 第12世代Core搭載モデルはやはり爆速だった!

文●写真:みやのプロ(@E_Minazou)+ 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Razerは2022年1月にCES2022でBladeシリーズの新機種(2022春モデル)を発表した。14型と15、17型があり、CPUはAMDの「Ryzen 6000」シリーズとインテルの「第12世代Core」を搭載。GPUもNVIDIAの新「GeForce RTX30」のTiシリーズを採用した。

 日本ではまだ発売となっていないが、Blade 15の米国モデルを試用できたので、気になる12世代コアとRTX 3080 Tiの速度を測ってみた。試用機のキーボードはUS配列だが、日本では日本語配列のみの発売となる予定だ。

「Core i7-12800H」に「GeForce RTX 3080Ti」内蔵のQHD(2560×1440ドット・240Hz)モデルを試用した

Blade 14と15/17の違いはCPUとディスプレーのラインアップ

 CPUでいうと、Blade 14はAMDのRyzenのみで、Blade 15と17はCore iのみという大きな違いがある。GPUはともに最高でNVIDIA GeForce RTX 3080 Tiを選択可能だ。

 14型シリーズのBlade 14は3モデルですべてが新しい「Ryzen 9 6900HX」を採用。8コア16スレッドで、20MBキャッシュ、最高4.9GHz動作で、内蔵GPUはRadeon 680Mを積む。GPUは最下位モデルが「GeForce RTX 3060」にVRAM6GBで、中位モデルは「RTX 3070Ti」に8GBを、最上位では「RTX 3080Ti」に16GBのVRAMを搭載する。メインメモリーはDDR5-4800MHzで16GBをマザー直付けで搭載。ストレージはPCIe Gen4を1TB搭載し、最高2TB内蔵できる。

 ディスプレーは下位がFHD(1920×1080ドット)で144Hzのリフレッシュレート、100%sRGBの色域でマットスクリーン。上位2モデルはQHD(2560×1440ドット)で165Hz、100%DCI-P3の色域でマットスクリーンだ。

 インターフェースはUSB 3.2 Gen2のType-A×2、USB 3.2 Gen 2のType-C×2、電源コネクター、HDMI 2.1、オーディオコンボジャック、ケンシントンロックを搭載する。バッテリーは61.6Wh内蔵で、ACアダプターは230W出力である。サイズは319.7×220×16.8ミリで、重量は1.78キロだ。

CES2022で発表となったBlade 14/15/17

Razer Blade 15と17はほぼ同じアーキテクチャ

 Blade 15と17はインテルの第12世代Coreを採用。15も17も下位5モデルは「Core i7-12800H」で、最上位のみ「Core i9-12900HK」を搭載。GPUは14と同様に、下位がRTX 3060、中位2モデルがRTX 3070Ti、上位3モデルがRTX 3080Tiを搭載する。

 15.6インチのディスプレイは3種類用意されている。下位5モデルは解像度が2種から選択可能で、FHD(1920×1080ドット)では360Hz駆動、100%sRGBの色域でマットスクリーンである。QHD(2560×1440ドット)では240Hzで100%DCI-P3色域、マットスクリーンだ。そして、Core i9を積む最上位の1モデルのみ4K(3840×2160ドット)の144Hzとなる。

QHD のディスプレーはOLEDではないが、彩度も輝度も申し分ないクオリティーである

 メインメモリーはDDR5-4800MHzで下位3モデルは16GB搭載、上位3モデルは32GBで、最高64GBまで拡張可能。ストレージはPCIe Gen4接続のSSDを1TB搭載し、2スロットで最高2TB内蔵できる。

ベイパーチャンバーなので銅のヒートパイプがウネウネ渦巻くことはない

メインメモリーは直付けではなく、2つのスロットで装着されている。

SSDは上下で2枚搭載する形なので、片面実装のSSDのみ装着でき、最大2TBとなる。

 インターフェースはUSB 3.2 Gen2 Type-A×3に、Thunderbolt 4×2、電源コネクター、 HDMI 2.1、UHS-IIのSDカード、オーディオコンボジャック、ケンシントンロックを搭載する。キーボードのバックライトはRazer Chroma対応で1キー単位でフルカラーの指定ができる。バッテリー容量は80WhでACアダプターは230W出力、ボディサイズは355×235×16.9ミリ、重量は下位5モデルは2.02キロ、4Kの最上位は2.08キロ。

向かって左には奥から、電源専用端子、Type-A×2、Type-C、オーディオジャック

右側には奥からロック穴、HDMI、Type-A、Type-Cに、SDカードスロットがあるのもカメラ好きにはうれしい

Blade 15米国モデルの主な仕様

 ちなみに、17.3インチのディスプレイは4種類で、FHD(1920×1080ドット)は360Hz駆動で100%sRGBのマットスクリーン。QHD(2560×1440ドット)は165Hzと249Hzがあり、100%DCI-P3、マットスクリーン。最上位モデルのみ4K(3840×2160ドット)の144Hzとなる。メインメモリーは下位3モデルは16GB搭載、上位3モデルは32GBで、最高64GBまで拡張可能。ストレージはPCIe Gen4接続SSDを1TB搭載し、2スロットを使って最高4TBを内蔵できる。

 インターフェースは15と同じで、加えてRJ45の有線LANを搭載する。バッテリー容量は82WhでACアダプターは280W出力。ボディサイズは395×260×19.9ミリ、重量は2.75キロ。

 Blade 15に戻るが、現状、日本で購入できる2021年夏&冬モデルのラインナップは、Core i7-11800HとCore i9-11900Hに、RTX 3070と3080を搭載している。ディスプレーは360HzのFHDと165Hzおよび240HzのQHD、そして4K OLEDである。

 2022春モデルは先のようにCPUとGPUが1世代UPしているが、QHDの165Hzがなくなり、4KはOLEDだったものが、IPS液晶に変わっている。ボディデザインは変わらず、サイズ・重量も同じである。

Razer SynapseのChroma Studioでワンキー単位での色指定と変化のパターンをフルカラーで指定できる

さすが14コア20スレッドの威力
Core i9-11900Hの124%、Corei7-10875Hの167%を記録

 第11世代Core i7-11800HやCore i9-11900Hは、8コア16スレッド、今回の第12世代Core i7-12800Hは、ご存じの通りパフォーマンスコア6にエフィシエントコア8で合計14コアで最高20スレッドである。RTXのほうは、3080がCUDAコアが6144だったのが、3080Tiでは7424へと増加している。

 単純計算だと、CPUのほうはスレッド数比で125%、GPUは121%に高速化しているはずである。

 では、ベンチマークテストの結果はいかがかというと、CinebenchのR15、R20、R23ともに、マルチコアの結果は、Core i9-11900Hに比べてCore i7-12800Hは24%増しの性能を発揮した。奇麗すぎる結果だが、アーキテクチャが同じノートPCなら、CPU性能もきちんとスレッド数ぶん向上するということだ。

 第10世代のCore i7-10875H、とはいっても2021年春モデルだから、ちょうど1年前のマシンだが、Cinebenchでは160~167%の速度である。12世代コアの威力なのだ。

 グラフィックのほうはというと、GeekbenchのOpenCLが120%、3DMarkではテストによって、111~120%の速度が出た。CPU速度も上がっているが、RTXのほうも順当に高速化しているのである。

 ストレージの速度は変わらずで、シーケンシャルのマルチ・リードが6926MB/s、ライトが4761MB/sと超高速。バッテリーの持ちはディスプレー最高輝度で3時間40分動作した。バッテリー容量は80Whと変わらないので、Core i7-10875Hより18%長持ちになっている。ピーク速度は向上しながら、エフィシエントコアのおかげで、通常動作では省エネになっているのだ。

Razer Synapseのパフォーマンス設定でカスタムではCPUが4段階、GPUは3段階になった

ベイパーチャンバーと組み合わされる直径75ミリの2ファンが強力に冷却してくれるので、連続してベンチマークテストを実施しても速度は落ちない

背面と下面に向けて冷却風が出る仕組みだ

20×30ミリで厚みも10ミリ近いスピーカーユニットが迫力のTHXサウンドを吐き出してくれる

「ずっと欲しかった」なら、
今年こそ買い時なのである

 Razer Bladeは、元祖スリム・ゲーミングノートPCとして、デザインもアーキテクチャも、何度もリファインしてきた。ベイパーチャンバーとデュアルファンによる冷却システムと、キリっと角が立ったスクエア&フラットなモノリス・デザインはもはや完成形である。

角が切り立ったモノリスデザインはスマートで強さも感じる

 昨年モデルを買ったみなさんには悪いが、CPUとGPUがともに25%速度が向上した2022モデルは、まだ日本での価格は不明だが、明らかに最もコスパに優れたハイパフォーマンスノートである。熱く正座して、日本発売を待とう。

ここまでの写真ではUS配列だが、日本ではこのJIS配列になる予定だ(写真は昨年モデル)

追記:日本発売モデルのラインナップは下記のとおり

「Razer Blade 14」
 Ryzen 9 6900HX / RTX3070Ti / RAM16GB / SSD1TB / QHD(165Hz) 36万3800円
 Ryzen 9 6900HX / RTX3080Ti / RAM16GB / SSD1TB / QHD(165Hz) 48万9800円

「Razer Blade 15」
 Core i7-12800H / RTX3060 / RAM16GB / SSD1TB / QHD(240Hz) 34万9800円
 Core i7-12800H / RTX3070Ti / RAM16GB / SSD1TB / QHD(240Hz) 41万9800円
 Core i7-12800H / RTX3080Ti / RAM32GB / SSD1TB / QHD(240Hz) 51万9800円
 Core i7-12800H / RTX3070Ti / RAM16GB / SSD1TB / FHD(360Hz) 41万9800円
 Core i7-12800H / RTX3080Ti / RAM32GB / SSD1TB / FHD(360Hz) 51万9800円
 Core i9-12900H / RTX3080Ti / RAM32GB / SSD1TB / 4K(144Hz) 55万9800円

「Razer Blade 17」
 Core i7-12800H / RTX3060 / RAM16GB / SSD1TB / QHD(165Hz) 37万9800円
 Core i7-12800H / RTX3080Ti / RAM32GB / SSD1TB / QHD(240Hz) 55万9800円
 Core i7-12800H / RTX3070Ti / RAM16GB / SSD1TB / FHD(360Hz) 44万9800円
 Core i7-12800H / RTX3080Ti / RAM32GB / SSD1TB / FHD(360Hz) 55万9800円
 Core i9-12900H / RTX3080Ti / RAM32GB / SSD1TB / 4K(144Hz) 60万3800円
 Core i7-12800H / RTX3070Ti / RAM16GB / SSD1TB / QHD(240Hz) 44万9800円

 

過去記事アーカイブ

2024年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
09月
10月
11月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
10月
11月
12月
2019年
01月
03月
04月
07月
08月
10月
11月
12月
2018年
06月
07月
11月
12月
2017年
01月
07月
10月
12月
2016年
01月
11月
2013年
03月