看板の位置を配慮する「日本的ナビゲーション」
行く場所をYahoo! MAPで見つける、ということになると、当然ながら「いかにそこに楽にたどりつけるか」が重要になる。マップアプリにとってナビゲーションは大切な機能だが、その改善はどう進めているのだろうか?
山本拓巳氏(以下敬称略):行き先を決めたら、そこから目的地にシームレスにたどり着けるのが理想。移動は「行くための手段」なので、どうしてもマイナスイメージから入ります。そのためできる限り、移動に関する不安や手間をなくす方向で開発を進めています。
日本は特に、道路が複雑ですし、鉄道の経路も複雑です。そのため、より詳細な情報を出すのが大切なのですが、今はさまざまな状況・情報に応じて、その時に合わせた形で情報を出すことを心がけています。また、「速い」「安い」などの検索オプションを出すことも重要です。公共交通機関を使う場合には、移動時に遅延などイレギュラーなことも発生するものです。そういう場合でも、迷わず手間なく対応できるように配慮しています。
もちろんより「日本的」な事情が反映された部分もある。
山本:Yahoo! MAPの独自要素として「人の目線でルーティングする」という点です。例えば「ファミリーマートを右です」とナビされたとしても、看板が出ていないと、どこで曲がるべきかわかりにくい部分があります。ですから、地図の上に店などが示されていても、それが目印として「見えやすいかどうか」が重要になります。そうした情報を加味してナビゲーションに使っています。
すなわち、単純に地図に入っている店舗情報をナビに使っているわけではなく、道に面していて目印として使えるかどうか、といった部分も加味してナビゲーションを構築しているのだ。ベビーカーやバリアフリー対応などのルート情報も「情報の信頼性という課題はあるが、今後対応を検討していきたい」(水谷氏)と話す。