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Yahoo! MAP開発陣に聞く「海外大手でない地図アプリ」の生きる道

2022年03月07日 09時00分更新

文● 西田 宗千佳 編集●飯島 恵里子/ASCII

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地図をコンテンツ化する「テーママップ」

 コンテンツとして地図情報、行き先を探すための地図情報として同社が今力を入れているのが「テーママップ」だ。

 テーママップとは、特定のテーマに基づいて地点情報を絞り込み、地図上に提示する機能。単なるジャンル検索ならよくあるものだが、もっと強い「テーマ」で絞りつつ、そのテーマの中でリッチな情報を提供しているのが特徴だ。例えばクーポンがある店を出してくれる「クーポンマップ」では、店のアイコンでわかりやすく表示するなどの工夫がなされている。

 日本中を同じように網羅するのでなく、地域ごとにおすすめスポットをまとめた「地域のおすすめテーママップ」もある。こちらは、「今いる場所の近くでのおすすめ」であり、例えば「目黒のおすすめ観光マップ」「六本木でおすすめのピザ10選」といった分け方もしている。

 クーポンマップの開発を担当している山口氏は「ラーメンマップ」を例に次のように説明する。

山口玲弥氏(以下敬称略):網羅的に情報が掲載されていることがテーママップの特徴なのですが、それだけでなく、より整理され、カテゴライズもされている点が重要です。ラーメンだと、味の好みや評価が気になるじゃないですか。そうした部分での検索もできますし、写真も載っていて、どんなラーメンかわかるようになっています。

他社マップとは「局地戦」で併存を目指す

 一方で、テーママップにこだわるのは、グーグルやアップルといった強力なライバルに対する対抗策でもある。その様子を水谷氏は「局地戦」と称する。

水谷:現時点で、他のアプリに対して利用者数で負けているのは事実です。その上で、いかにYahoo! MAPアプリを起動してもらえるか? これはまさに「局地戦」です。例えば、ラーメンを探すときにはYahoo! MAPを最初に思い出してもらいたい。同じように、うどんを探すときに、トイレを探すときに、喫煙所を探すときに。そういう風に、必要な時にYahoo! MAPを立ち上げてもらえるように、です。
 総合的に完成度を高めることも重要なのですが、局地戦で勝つことも重要。テーママップを始めて1年くらいが経過しました。数字を開示することはできませんが、ある程度良い感触は掴めてきています。この「局地戦」では、Google Mapの数字に直接勝つことが重要ではないんです。例えばラーメンのテーママップなら、ラーメンの専用メディアやラーメン専用のアプリとの競合を意識する必要があります。
 一方で面白いのは、ラーメンのテーママップを使う人と、クーポンのテーママップを使う人はセグメントが全く違うんです。そうして、それぞれのペルソナ・ターゲットにあわせて積み上げていければ、と思います。

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