リモートワークが日常的になった関係で、いろいろな業務はクラウドに移行した。一方で、紙の利用がどんどん減ったが、なくなったわけではない。まさにデジタルと紙のハイブリッド。そんな日常の中、改めて便利さを痛感しているのが実は複合機である。
学校や塾に通う子供のものだった複合機 在宅勤務でいきなり稼働
コロナウイルス感染の抑制を目的としたリモートワークも、いよいよ3年目に突入した。フル在宅勤務を始めた当初に書いた「ポストコロナ時代のサラリーマンは、「主婦」と「フリーランス」に学べ」というコラムでは、家事やスケジュール、体調の管理がけっこう大変と愚痴っていたが、さすがにもう慣れてきた。日常的な家事もこなせるようになったし、運動や仕事の進め方も悪くない(本当か)。
世の中、リモートワーク派が全体として多くないのは理解している。肌感覚としては、IT系企業以外はけっこうオフィスに戻っているのではないだろうか? リモートワークをやってみたものの、結局は生産性が落ちたり、マネジメントに限界が見え、オフィスに戻ったという会社は多いはず。とはいえ、私のようにフル在宅勤務になった会社員としては、リモートワークがもはやニューじゃないノーマル。「今さら出社と言われても……」というのが正直な感想だ。
さて、そんなリモートワークにおける三種の神器とはなんだろうか? PCやWiFi、インターネット接続はもちろん、便利なモノと言えば、大型モニター、会議用ヘッドセットなどが挙がる。そして、個人的に価値を再発見したのが複合機だ。コロナ禍前は、会社にある大型の複合機でプリントアウトやスキャンしていたが、会社に行かなくなったら、自宅の複合機が大活躍という話だ。
先日、知り合いの個人事業者が「印刷のために毎度コンビニ行くのが大変」とSNSに投稿していて、「だったら複合機買えば良いじゃん」というコメントがいっぱい付いていた場面に居合わせた。「みんな印刷のためにコンビニ行くんだ」という驚きもあったのだが、確かに最近のコンビニプリントはスマホアプリもあり、高価な複合機なので写真印刷もきれい。ただ、コストや手間の面を考えると、結局自宅に複合機があった方が便利だと思う。そして、個人事業者と同じく、家でオフィス装備が必要になったサラリーマンも「複合機買えばいいじゃん」なのだ。
クラウドスキャン機能が便利 欲しいのは迷惑電話対応と安価なインク
我が家はブラザーの個人向け複合機を愛用している。名前の通り、電話、FAX、印刷、スキャンなどが一台で済むという機器なのだが、コンパクトで動作が安定しているのがうれしい。以前は子供が宿題や学校の提出物をコピーする用途が多かったが、在宅勤務で私が一日中うちにいるようになり、俄然利用頻度が増えた。
複合機で重宝しているのがスキャン機能だ。コロナ禍でペーパーレス化は進んだが、完全に紙がなくなったかというと、意外とそうでもない。数少ないながら、リアルのイベントや取材も存在しており、そういたとき配布される資料をスキャンする機会が増えた。もちろん、あとからPDFで配布されることも多いのだが、メモごととっておきたいこともある。日常生活の中でも、マンションの管理組合の資料、学校や塾のプリントなど、紙で配付されるものはまだまだ多い。紙資料のデータ化需要は家でもけっこうあるのだ。
今までスキャンというとPCに取り込んでいたが、最近の複合機はクラウドと直接つながる。ブラザーの場合、アカウントを登録しておけばGoogle DriveやOneDrive、Dropboxなどにスキャンデータを直接放り込むことができる(複合機のテンキー操作だけで、クラウドアカウントを登録できる仕組みはけっこう感心した)。以前は全然意識してなかったが、めちゃくちゃ便利。リモートワークで再発見した便利機能と言えるかもしええない。
一方で、リモートワーク前提で複合機に改善を求めたいところもある。たとえば電話機能の強化だ。家で仕事していると、実は営業電話がすごく多いことに気がつく。そのため、特定の電話番号を着信拒否するといった迷惑電話への対応は、複合機のシンプルな電話機能でも標準的に搭載して欲しい。
あとはやはり安価なインク。私の場合、クラウド化・ペーパーレス化が進んだこともあり、印刷する機会はすごく減ったが、紙出版物時代の名残かやはり校正は紙で見たい。もちろん、営業職で家で資料を人数分用意しておきたいといった場合は、印刷コストが気になる人もいるだろう。現状では印刷コストまで消耗品手当で出る会社は少ないはずなので、なるべく安価なインクでおねがいしたいところだ。
最近のインクカートリッジはチップ搭載のものが多いが、半導体不足で品薄傾向とも聞く。複合機本体やインクも含め、コスト高や品不足につながらないかはちょっと気になるところだ。
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