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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第195回

ポルシェ「911 Targa 4」はカッコよさと乗りやすさ、伝統と歴史を両立させている

2022年01月30日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

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その辺を走っただけでもわかる
ポルシェの走りの質感

イグニッションスイッチ

 エンジンスタートはボタン式ではなく、右手側のスイッチをひねる動作で始動させます。図太いアイドリングオンに唯さんは笑顔。Dポジションにして、いざ動かし始めると「重たい!」と唯さんは謎の言葉を発しました。彼女はポルシェ 911に対して軽快さをイメージしていたようで、重厚なフィーリングに戸惑ったようです。

運転する唯さん

 背中から聞こえるフラット6の咆哮は、彼女にとって夢にまでみた音。「イイ! 本当に楽しい」と笑顔でステアリングを握ります。試乗は一般道がメインだったのですが「ワインディングじゃないとツマラナイのかなと思っていたんですよ。でも、街乗りでも楽しい! フロントに重たいものが載っていない、ということがよくわかりますね」というわけで、飛ばさなくても楽しいポルシェの世界を堪能しているご様子。

 あまりに楽しくて、試乗時間を過ぎても帰ってこない唯さん。それだけ乗れば、素晴らしい感想が聞けるかと思っていたのですが「もう、最高~!」と一言だけ。いやいや、高いハイオクガソリンを大量消費して(10km/リッターを下回る)コメントはそれだけ? それじゃ高い料理を食べても「おいしい」しか言わないアイドルと変わらないじゃないか、と文句の一つも言いたいのですが(実際言いましたが)、まぁ憧れのクルマのステアリングを握れば、感想なんて出てこないのが普通というもの。まして、それが良いクルマなのですから。

 「高速道路では80km/hくらいまでなら、ルーフを開けても隣の人と会話ができるのですが、100km/hを超えると無理ですね。風切り音がすごすぎます」と唯さん。これはタルガトップの宿命みたいなもので、近年だとHondaのS660もその傾向。フルオープンのクルマの方が静かで快適だったりするのです。じゃぁ開放感が損なわれるのか? というと、タルガトップとカブリオレで印象は変わらなかったりします。

走行モードはWet、Nomal、Sport、Sport Plus、INDIVISUALの5つ。ですがNomalで十分といったところ。ちなみにSportにすると排気音が大きく、太くなります

ポルシェ 911 ターボS カブリオレ

 選手交代ということで、以前911では最上位クラスのターボ S カブリオレに乗ったことがある不詳がちょっとだけ試乗してみました。まず気づくのは「カブリオレよりエンジン音が大きい」ような。クルマ好きには「これイイな」と思える音がするのですが、クルマ好きでない人からすると「これは一体何だ?」とも。そして「かなりフレンドリーな1台」に感じられたこと。それはエンジン出力が低くなっているというからではなく、クルマ全体から感じるフィーリングがカブリオレのターボSと比べて柔らかいというのでしょうか。よってルーフを開けた際のかっこよさと音の大きさと併せて「比較的低い速度でも911の世界が楽しめるフレンドリーな味付けなのかな」と思った次第。

 スポーツカーは速くなければならない、というストイックな人はクローズドボディーのGT3を求められるでしょうし、フルオープンの開放感を求める方はカブリオレを選択するでしょう。とするならば、タルガは「カッコ良さ」や「フレンドリーさ」を求める方、そして伝統や歴史といった「通」なところを求める方に向けた1台といえそう。目を三角にして走りを極めるだけがポルシェ 911じゃない、ということをタルガは教えてくれたような気がします。それにストイックなクルマって、普段乗りで疲れちゃいますしね。普段乗りも考えるなら、タルガはベストな選択肢なのかもしれません。

 ですから唯さんの「街中でも楽しかった」は、するどくタルガの真を得ていると思った次第。何より唯さんとポルシェ 911 タルガ 4、とてもお似合いでした。白の911 タルガに乗る唯さんを想像しながら、今回は筆を置きたいと思います。

■関連サイト

モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 栃木県出身10月5日生まれ。2020年に小林唯叶としてモデルデビュー。2020年シーズンのSUPER GT「マッハ車検GAL」をはじめ、SUPER FORMULA、スーパー耐久シリーズのレースクイーンとして活躍。2021年4月の芸能事務所プラチナム・プロダクションへの移籍に伴い新唯に改名。現在ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技の勉強中。

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