業務を変えるkintoneユーザー事例 第130回
大阪で開催された「CYBOZU CIRCUS 2021」のkintone活用レポート
Garoonとkintoneの両方を使いこなし究極のポータル画面を目指すアイセイ
2022年01月24日 11時00分更新
2021年12月7~8日、大阪のグランフロント大阪にてサイボウズのクラウドサービス総合イベント「CYBOZU CIRCUS 2021」が開催された。2021年から立ち上がったイベントで、毎年いろいろな都市を巡回して開催する。サイボウズ製品や連携サービス、事例、活用方法を紹介しており、ユーザー企業にとっては生の最先端情報にまとめて触れられるいい機会となる。今回は、ASCII編集部の大谷イビサも登壇した「Garoonとkintoneのユーザー企業に聞く! 使い分けとポータルカスタマイズ」というお題のセッションのレポートを紹介する。
クラウド版Garoonユーザーの半数近くがkintoneも導入している!
登壇するのはアイセイ 経営企画室 情報システム課課長代理 嶋吉優斗氏と角川アスキー総合研究所のTECH.ASCII.jp 編集長 大谷イビサ氏、サイボウズ 営業本部 リージョナル営業部 黒河昌之氏の3人だ。
まずは、黒河氏から製品概要のおさらいからスタート。kintoneは業務システムを簡単に作成できるクラウドサービス。マウス操作でアプリを開発できるので、プログラミングの知識がなくてもいい。CRMやSFAのような活用も可能だ。
Garoonは中堅・大規模組織向けのグループウェアで、情報共有やコミュニケーションに必要なアプリとポータルやグローバル対応、他システム連携などの管理機能も備えている。Garoonはkintoneと違って、スケジュールやメッセージなどのアプリを搭載しているので、自分たちで一から構築する必要はない。特に、ポータル画面が特徴で、部署やプロジェクトごとに複数作成でき、各機能やスケジュールに簡単にアクセスできるようになっている。
Garoonとkintoneを一緒に使うこともできる。実際、クラウド版Garoonユーザーの打ち47%がkintoneも導入しているのだ。しかし、黒河氏が営業しているときに、「どんな連携ができるかわからない」「両方導入するメリットを知りたい」「使い分けが難しい」といった悩みも耳にするという。
そこで両方導入しているアイセイの嶋吉氏に交代した。アイセイは2004年に設立されたコンタクトレンズやケア用品の卸売り販売業務を手がけている。嶋吉氏は経営企画室 情報システム課に所属し、情報システム戦略の立案や社内システム・インフラの構築、運用を担当している。
まずはデモを見せてくれたのだが、Garoonの画面にkintoneのデータがあちこちにちりばめられ、サービスを切り替えずに必要な情報を得られるようになっていた。
「(視聴者の)これ欲しい~という気持ちが伝わってきました。まさにこういうポータルがテーマになると思います。そもそも、なぜサイボウズOfficeを使っていたのをGaroonに変えたのですか? また、kintoneだけではダメだったんですか?」(大谷氏)
アイセイではkintoneを営業支援システムとして導入したが、そのままでは社内情報への入り口がサイボウズOfficeと別に必要になってしまう。そこで、Garoonへ移行してポータルを活用することで、入り口を1つに集約した。
Garoonとkintoneはやろうと思えばどちらも似たようなことができるのだが、アイセイは明確に切り分けて使っている。Garoonは全社共通のグループウェアとして活用しつつ、Garoonとkintoneアプリをポータルで表示し、社内システムの入り口として使っている。kintoneは各部署で作れるデータベースやアプリを開発するツールとして活用している。
「kintoneでもAPI連携やカスタマイズが必要な時は情シスで作りますが、基本は各部署の人が主体となってアプリを開発しています。社内勉強会を開いて教育し、kintoneを浸透させています」(嶋吉氏)
各部署が使っているExcelをアプリ化することが目的だったので、それを実現するためのカリキュラムを組んで、みんなに提供したそう。情シスが全アプリを作らないのは、現場の課題や業務フローの流れ、仕事の特性などを一番知っている人が作って解決した方がスピーディでベストだと考えているからだ。
「kintoneはExcelを初めて勉強するのと同じくらいのハードルはありますが、わかりやすいマニュアルもあるので、意外に作れちゃいました」(嶋吉氏)
Garoonとkintoneを合わせて全社にリリースしたのは2021年11月1日で、とても短い期間で社内システムを浸透させたのはすごい。
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