Raptor Lakeは2022年末投入予定
Intel 600シリーズマザーで「動きそう」
さて、ロードマップ図はここまでで留め置いているが、実際にはこの次の製品であるRaptor Lakeの存在も基調講演で言及された。もっとも現状は発売できるレベルではなく、まだラボで検証中という段階であるが、すでにWindowsを含むOSが稼働しているという説明があり、市場投入は2022年末とされた。
Raptor Lakeの話は連載623回の最後で少し言及しているが、「チップセットが共通っぽい」以上の話が出て来ていない。ということでやはりMcGavock氏に突撃したのだが、もちろん正攻法では「未発表製品のことは話せない」以上の返事が出てこないのはわかり切っているので、ちょっと捻った聞き方をした。
Q:「もしRaptor Lakeが出たら、既存のAlder Lakeユーザーは今の600シリーズマザーボードを捨てて、新しいマザーボードを買わないといけないのか?」
A:「直接その回答はできないが、今回DDR5やPCIe Gen5を導入するために、我々は新しいソケットを導入した。一般論として、我々は可能な限り(新規に導入した)ソケットを維持したいと思っている。そしてエコシステムのためにも、そのソケットを維持する必要があると考えている」
Q:「メモリーはどうでしょう。ご存じの通りDDR5は市場で入手が難しいので、多くのAlder LakeユーザーはDDR4を組み合わせて使っているが、Raptor Lakeの時にはDDR5に切り替えないといけない?」
A:「メモリーの互換性に関して私が保証することはできない。市場にはDDR5とDDR4のインターポーザーなどもあるしね。ただ我々は十分な理由なしにソケットを変更することはないし、過去に意味もなく互換性を排除することもなかった。」
ということで、一応現在のIntel 600シリーズマザーボードであればRaptor Lakeは「動きそう」である。もっとも全部が全部動くか? というと怪しいところで、最低限BIOSアップデートは必須だし、Z670/H670はともかくB660/H610では動かないケースがあっても不思議ではない。DDR4に関しても、おそらくRaptor Lakeの世代までは行けそうである。
ちなみにMcGavock氏が言及した「DDR5とDDR4のインターポーザー」というのは、ASUSが開発中とされる、DDR5のスロットにDDR4 DIMMを装着するアダプターである。
古くからの自作ユーザーなら、インテルがRIMMソケットにSDRAMを装着するアダプターを記憶しているかもしれないし、もっと古いユーザーなら30ピンのSIMMを72ピンのSIMMに変換するアダプターというものを使ったことがあるかもしれない。
あれの最新版だが、今のところASUSから正式な発表はされていないし、なんというかあんまり賢明なソリューションではない気もするのだが、それはおいておこう。
PCIe Gen5がGPU接続用のx16のみなのは
ダイ上のエリアや消費電力の問題
最後にPCIeについて。下の画像をご覧いただくと分かるが、Alder LakeではCPUからx20のPCIe Laneが出るが、PCIe Gen5はGPU接続用のx16のみで、NVMe SSD接続用のx4はPCIe Gen4のままだ。
すでに昨年PHISONがコンシューマー向けPCIe Gen5 NVMe SSDコントローラーを発表しており今年から出荷とされるが、このPCIe Gen5のスピードをAlder Lakeでは生かしきれない。
これについて「そもそもなんでGen4にダウングレードしたのか?」と確認したところ、McGavock氏曰く「要するにトレードオフなのだけど、PCIe Gen5になるとGen4よりも場所(ダイ上のエリア)や消費電力が増える。実際の使われ方を考えた場合、Gen4が適切だと考えた。もちろん、必要ならx16レーンを分岐させて、例えばGPUはGen 5 x8として接続し、残ったGen 5 x8を(2つのGen 5 x4として)SSDに接続させることは可能だ」という返事だった。
現状、アクセラレーターとしてフルに使う場合はともかく、単に出力デバイス(つまり画面表示)のためにGPUを使う場合、PCIe x16は必要ないというか、x16をx8にしても性能はほとんど変わらない(なにより、現時点ではPCIe Gen5対応のGPUがない)。そう考えると、そのうちGPU用のx16を分岐させて、そこにPCIe Gen5 x4 SSDスロットを2つ搭載する変なマザーボードが出て来ても不思議ではないかもしれない。
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