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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第187回

日産「NOTE・AURAシリーズ」のノーマルからスポーツモデルまで一気乗り!

2022年01月04日 14時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●寺坂ユミ(@129Ym_afilia)編集●ASCII

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NISMOの血統が入った「AURA NISMO」

 続いて乗るのは、AURA NISMO。部長が苦手とするスポーツグレードのクルマです。今回は騙し討ちはせず、スポーツグレードであることはちゃんと乗車前に伝えています。ただ、試乗申込み時には一切伝えませんでしたが……。

SUPER GTに参戦していたNISSAN GT-R

 というわけで「NISMOって何ですか?」と素朴な疑問を抱くゆみちぃ部長。「NISMOとは、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナルという会社の社名の略称みたいなもので、その名のとおりレーシングカーを作っている会社なんですよ。そこで得られた知見で、AURAを速くしたんですよ。まぁカンタンに言えば、MINIのジョン・クーパー・ワークス、FIATのアバルトみたいなものですね」と説明する部員K。ですが過去の経験からジョン・クーパー・ワークスやアバルトにアレルギーを抱く部長は、その言葉を聞いた途端、眉をしかめて「またですか……」といわんばかりの表情に。

 ですが、現車を見るや一転し「カッコイイです。白いボディーに赤いライン、マジでイイ」と、ゆみちぃ部長最上級表現「マジで」をいただきました。ゆみちぃ部長は、心を許した時やモノに対して「マジで」という言葉を多様されます。つまりAURA NISMOはマジで気に入られているということ。とりあえず外見は、ですが。

 AURA NISMOと数分前に試乗したAURAとの違いを、日産のスライドを使ってご説明しましょう。100kWの最高出力と300Nmの最大トルクの数値は、NOTE・AURA 2WDと同じ。では違いはというと、外装や少しだけ太いハイグリップなタイヤを装着しています。内装もオプションでレカロのシートが用意されたり、いくつか専用パーツも取り付けられてスポーティームード満点。

 さらに専用のアクセルマップを搭載。なんとECOモードがAURAのスポーツモードというから、意味がわかりません。さらに専用サスペンションに、e-POWER車なのになぜかマフラーを搭載。気になるお値段は車両本体価格286万9900円で「お、意外とリーズナブル!」と思いきや、プロパイロット+ナビパッケージが34万9800円、RECAROシートが39万6000円。ツートーンカラーのボディーが5万5000円~8万2500円で、合計すると370万円といったところ。意外とお高いクルマだったりします。

赤いシートベルトが可愛い! とゆみちぃ部長

 まずは普通にNOMALモードから。こちらはアクセルとブレーキをちゃんと使わないといけません。「乗り心地、めっちゃ硬っ!」というのが、ゆみちぃ部長のファーストインプレッション。「MINIのジョン君(ジョン・クーパー・ワークス)ほどではないですけれど、ゴツゴツしていますね」と、わずかに眉を潜めます。そして「なんかエンジン音が違いますね」というわけで、太い排気音が車内に聞こえてくるのが、少し気になったご様子。後席に座るマネージャーさんと部員Kは、そのダイレクトな乗り心地に閉口。正直申し上げて、GT-R NISMOの方が乗り心地がイイです。それくらいにガチガチですし、GT-Rと違って車体が軽量ですから、クルマが跳ねる印象。それでもアバルト「595 コンペティツォーネ」ほどではありませんが。あちらはさらに後席が狭いですからね。

 ではでは、ということで助手席に着座する部員Sが問答無用でNISMOモードにセット。「うぉっ! はっや!」と、またしても心の声がダダ漏れするゆみちぃ部長。「ちょっと踏んだだけで、こんなにも進むんですよ」と、本人は一生懸命伝えようとされるのですが、まったく伝わらない感想を述べます。どうやらアクセルレスポンスに遊びがないらしく、それでいて、いきなりトルク全開というEVらしい走りに戸惑っているようです。

 「速かった。でも思ったより静かだった」というのが降車後の感想。「同じAURAでも、ここまで違うんですね。面白いなぁ」とコメントして次の車へ……。

NOTEのSUVバージョン「NOTE AUTECH CROSSOVER」

 間髪入れずに、次に乗るのは「NOTE AUTECH CROSSOVER」。その名の通り、SUVライクな派生モデルです。「AUTECHって何ですか?」と再び素朴な疑問を抱くゆみちぃ部長。その目は「まさかNISMOと同じようなモノじゃないですよね」と訴えかけています。「AUTECHは、日産の子会社で、主に救急車などの特別な車を作っている会社です。ちなみに社名には“大手を喰う”というダジャレの意味も込められているらしいですよ」とお伝えしたところ、少し安心した様子。では、NOTE AUTECH CROSSOVERを少し説明しましょう。

 カンタンに言えば、NOTEをベースに車高を上げてSUVっぽくしたクルマ。車高が高くなった、といってもNOTEの車高が1520mmであるのに対しての25mmアップ(1545mm)なので、高さ制限のある立体駐車場への入庫も可能としています。全長は変わっていませんが、車幅は5mmアップし、SUVらしい力強さを獲得、というわけです。エクステリアもドヤ感アップのグリルに、ブルーイルミネーションのポジションランプ、そしてオーテックブルーと呼ばれる専用色が与えられて、精悍でスタイリッシュな印象を与えます。

 室内もブルーステッチの専用シートなどオーテックブルーで統一。ちなみにお値段はNOTEにプラス35万円ほどの253万7700円。ですが特別塗装色のオーテックブルー(正しくはオーロラフレアブルーパール)が3万8500円、プロパイロット+ナビパッケージが44万2000円とかあって、なんやかんやで試乗車は313万5550円というお値段に。「それって、SUVのキックスと値段が変わらないというか、高いんじゃ……」という部員Sの心の声はおいておいて、試乗に移りましょう。

 「確かに今までより視点が高くて、見晴らしがイイですね」と違いがわかるゆみちぃ部長のゴールドブレンド。「たった2.5cmだから変わらないんじゃない? と思っていたのですが、変わるものですねぇ」と感心されたご様子です。「乗り心地は、AURAとあまり変わらない印象ですね。でも一番違うのは音。エンジンとか外の音がAURAと比べて聞こえるようです」というわけで、AURAとNOTEの違いは遮音性にあるとのこと。確かに運転席と助手席のドアガラスはNOTEは1枚であるのに対して、AURAは2枚の貼り合わせ。この違いは意外と大きいようです。

 ということで、3車種乗っていただいたのですが、お気に入りは? と尋ねたところ「AURA」と即答。「やっぱり静かなのはイイですよ。あと乗り心地も悪くはないですね」とのこと。「でもNISMOはカッコイイし、AUTECHは視界が広くて運転しやすかったし……」と、乙女心は揺れ動くのでありました。

 日産広報部も、ゆみちぃ部長の様子を生暖かく見守りながら色々と観察をされていた模様。コメントをメモされていたので、次のクルマづくりに活かしてくれるかもしれませんね。

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