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介護・福祉業×LINE WORKS 第21回

LINE WORKSで介護現場の課題解決! 専門家に聞く!BCP対策としての活用とは?

2022年01月06日 10時30分更新

文● Sixpence

提供: ワークスモバイルジャパン

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これからICTを導入しようとしている介護施設・事業所にうってつけなツールがLINE WORKSだ。導入企業はすでに30万社以上という国内市場でトップシェアのビジネスチャット(※)だ。介護業界でも導入する施設・事業所が増えていて、介護スタッフの募集や定着にも効果アリという声もある。今回は、緊急時のLINE WORKSの活用のポイントについて、介護事業のBCP(事業継続計画)に詳しい日本クレアス税理士法人の介護経営コンサルタント、大藪直史さんにお聞きした。

※富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2018~2021年版」調べ

半数近い高齢者施設が停電や断水を経験している


──介護事業者にとってのBCPの重要性についてあらためてお聞きしたいと思います。

先日、利用者が新型コロナウイルスに感染した高齢者施設の理事長にお話をうかがったところ、「感染が分かったとたん現場はパニック映画のようになる。マニュアルは絶対必要だ。明日は我が身という気持ちで作成すべき」と実感をこめておっしゃっていました。過去(10年間程度)に自然災害によって停電や断水の経験が「ある」と回答した高齢者施設・事業所は 43.0%を占めるという調査結果※もあります。感染症や自然災害はまさに他人ごとではないのです。介護サービスは止まってしまうと、利用者の生活や健康に重大な支障をきたしかねません。

介護事業者は、いかなるときも事業を継続しなければならず、やむをえず一時的に中断したとしても、可能な限り速やかに復旧させなければならないとされています。こうした事態においても介護サービスを中断させないため、法人単位ではなく、施設・事業所ごとにBCPを策定することを求めているわけです。

※「高齢者施設への非常用自家発電設備等の導入に関する調査研究事業」(令和 2(2020)年 3 月 一般財団法人日本総合研究所)
 

大藪氏提供資料より

 

厚生労働省のHPにあるガイドラインを参考とすることで計画の策定自体は可能です。しかし、作るだけではなく、研修や、訓練(シミュレーション)の実施も義務づけられています。

介護サービスを止めないために


──BCP対策においてLINE WORKSが有効と思われるのはどうしてですか。

感染症や自然災害などの事態に直面したとき、利用者の安全を確保したり、介護サービスの提供を継続したりするうえで欠かせないのが、責任者や関係者との迅速で確実な情報共有、連絡手段の確保です。2019年の熊本地震でLINEの有効性が認められたとおり、緊急時に即座かつ確実に連絡を取れるコミュニケーションツールを確保することは重要です。

また、有事の際の対応マニュアルを、紙保管や事業所内で構築しているインフラで管理しているケースが多くあります。しかし、自然災害が起きれば紙書類は読めなくなるリスクがあります、インフラが停止することでアクセスそのものができなくなるといったリスクがあります。

円滑な連携やリクスマネジメントとして、必要なメンバーのみとLINEのようにコミュニケーションができ、さらに物理的な災害に影響を受けないクラウド上に必要な情報や書類を備えておけるLINE WORKSが有効と考えます。

グループを活用し、緊急時の連絡網を作成


──BCP体制の情報共有のため、平時から用意しておくべきことは。

まずは緊急時の連絡手段を決めることです。関係者の連絡先、連絡網を整理しておく必要がありますが、この作業にLINE WORKSを利用できます。いざというときのやり取りはこれを用いる、と決め、必要になる資料はすべて集約して、事前に「緊急時にはここを見る」と全員に周知徹底しておくことで緊急時、被害状況や決定事項の素早い情報伝達が可能となります。逆にこうした準備がないと、あちらこちらから重複して安否確認の連絡が入るなど、ただでさえ混乱しがちな現場にさらなる負担をかけることになります。

──緊急時における連絡ツールとしてどのような点にLINE WORKSの優位性をお感じになりますか。

良い点は、全職員用の緊急連絡網として必要なメンバーをあらかじめ「グループトーク」に入れておけば、緊急時、災害に関する必要な情報を一斉に配信でき、しかも「既読」が付くことで伝わったことが確認できることです。安否をスピーディに確認できる機能は、助けを必要としている人を探すだけでなく、緊急事態において業務を続けるためシフトをどう組むか、といったことを決めるためにも役立ちます。またトップから職員にスピーディに情報を直接伝達できるという点も重要です。情報というのは伝言ゲームにしてしまうとどんどんおかしくなってしまうものですから。さらにLINE WORKSの場合、テキストだけでなく写真や動画を送れますので、被害情報をより正確に共有できるのもいいですね。

緊急連絡用の「グループトーク」を作成する際、意思決定する少人数用と全員への周知用に分けて作成しておくとよい。

緊急時に必要になる情報はあらかじめ掲載


──情報の周知に便利な機能に「グループトーク」で利用できる掲示板のような「ノート」があります。緊急時のため、あらかじめどのような情報をここに載せておくとよいでしょうか。

震災時の対応のルールや停電になったときの連絡先などは必須です。停電や浸水といった混乱状況の中でわざわざパソコンを立ち上げて調べたり、書類を探したりするのは大変ですが、LINE WORKSならスマートフォン一つで必要な情報を得られます。施設が被災すれば、PCやサーバー、紙の書類はダメになってしまう可能性もありますが、LINE WORKSならクラウドでデータを保管しているので、その心配もありません。

緊急時、「アンケート」の機能も安否確認や意見収集に活用できる。安否確認のテンプレートもあるから容易に自施設用のアンケートを作れる。「アンケート」を用いれば、一斉に報告してもらえるし、回答結果は自動集計され、未回答の人を確認することもできる。CSVなどでの共有も可能だ。

日ごろの積極的な活用が運用成功の鍵


──そのほか平時から用意しておくべきことは。

緊急時の報告のルールなどをあらかじめ決めておくことがありますが、それだけでなく、慣れておくことも必要です。そのためには災害訓練などの際、年に1~2回は実際にLINE WORKSを使い、緊急連絡のシミュレーションを行うことをおすすめします。何より、普段の業務でLINE WORKSを活用することで、いざというときでも普段通りに使えるようにしておくことが、緊急時の運用成功のコツといえるでしょう。業務で日常的に使いこなしていれば、現場に被害や混乱が生じ、緊張を余儀なくされる緊急時に、慌てずに活用できるはずです。

LINE WORKSの機能は様々な目的に使うことができる。緊急時にうまく活用するためにも平時から積極的に利用しよう。


本記事は、2022年1月13日に開催される「有事の備えは平時から!災害・コロナに負けない連絡網づくり」セミナーで大藪さんが登壇する「2024年義務化となるBCP(業務継続計画)策定のポイント」で詳しく解説している。
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次回は院内でのLINE WORKSの活用、浸透を成功させた事例を紹介する。

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