サソリのボタンを押せば性格が激変!
まずは通常モードで試乗スタート。さっそくゆみちぃ部長は「なんですかコレは?」といきなり驚きの声をあげます。「ハンドルがメッチャ軽い。それにアクセルも踏みごたえがないけど、逆にブレーキはシッカリしていて。何より手や体に伝わる振動が凄すぎる!」と、今まで体験したことのないフィーリングに、ただただ驚き戸惑っている様子。
さらに踏めば爆音を伴って怒涛の加速! 「うわ……」と部長の顔が引きつります。ちなみに搭載するレコードモンツァマフラーはテールエンド4本出しというスポーツな見た目。爆音と共に周囲に「このクルマはタダモノではない」ことをアッピールします。
「乗り心地はめっぽう硬いですね。ちょっと凄すぎますよ。でも速度を上げれば上げるほど、それが逆によくなってくるというか、快適になってくるから不思議。でも、一体何キロを出せばいいんですかね?」と困惑。さらに「これ、加速しているときに息継ぎというか、一拍置いてからギアが切り替わるというか。スムーズじゃないんですね」という、独特のクセが加わります。
ある程度慣れたところで、部員Kはサソリのボタンをポチっとな。スポーツモード解禁です。メーターパネルが赤くなり、部長の顔は引きつります。「わわ、ハンドルがメッチャ重くなった! それにアクセルの反応がヤバすぎる! これはヤバい!」と、ヤバい以外の言葉が出ないゆみちぃ部長。「MINIのジョン・クーパー・ワークスも大概でしたが、はるかに怖い! これ、マネージャーさん乗ってみてくださいよ」というわけで、マネージャー氏にチェンジ。
マネージャー氏は「どれどれ」とアクセルを踏み込んだ瞬間、ハンドルがとられながらもなんとか走ります。「こ、これは……」ととそのパフォーマンスにただただ圧倒されるばかり。「これはユミ、ヤバいよ」「でしょ!」「でもこのクルマ、ちょっと楽しすぎる!」とマネージャー氏はだんだんハマってきたところで、スポーツモード体験は終了しました。
「運転していて楽しいクルマということは、よくわかりました。とにかくスポーツモードが凄すぎます。このクルマにハマる気持ちも理解できます。ですが助手席と後席は……」と言葉を濁す部長。「もしマネージャーさんがこのクルマで仕事の送り迎えをすると言ったら?」と尋ねたところ「絶対に嫌です。電車で帰ります」と即答。「このクルマは、ひとりで乗って楽しんでもらうものですよ。助手席に誰か乗せるクルマではないですね」と笑いながら、結論を導き出したようです。
これはホットハッチ好きの部員達も同意。これはそういうクルマなのです。一番やってはいけないのは、こういうクルマを前に「どうして、この良さがわかってくれないんだ、ワカラナイとは何事だ」と強要すること。それではクルマが嫌いになってしまいます。こういうクルマがあり、こういうクルマが好きな人がいる、ということをゆみちぃ部長に理解してもらうことが、今回の裏テーマだったりします。
「カワイイ顔をして人を惑わす魅力(毒)を持つという点で、ゆみちぃ部長とアバルトは似ていますね」と部員Kは思いながら、このアバルト 595コンペティツォーネの取材を終えました。言うまでもありませんが、部員Kは黒サソリとゆみちぃ部長の毒に完全にやられていますよ。次回は何を試乗しましょうか。
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