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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第7回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 11月6日~11月12日分

ノーコード/ローコード導入率は38%、2024年には30%が「上司なし」?、ほか

2021年11月15日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。今回(11月6日~11月12日)は、ローコード/ノーコード導入状況、マーケティングとAI、中小企業とコロナ禍、戦略的展望トップ10、中国「独身の日」のEC大盛況などのデータを見てみましょう。

■[ローコード/ノーコード]国内のローコード/ノーコードプラットフォーム導入企業は38%(IDC Japan、11月11日)
・ローコード/ノーコードプラットフォームフォームの導入企業は37.7%
・「導入に向け実装/検証を行なっている」「導入計画のある」企業の合計は21%
・導入企業の62.3%はIT部門以外の部門や職種でアプリケーション開発が可能に

 コードを(ほとんど)書かずにアプリケーションが開発できるローコード/ノーコードプラットフォームの導入状況について、485社の国内企業を対象に9月に調査した。ローコード/ノーコードブームが後押しし、導入企業は約38%、導入に向けて動いている企業も21%に。導入理由は「開発スピードの向上」が最多の約38%、「業務プロセス自動化」が約31%と続く。導入後、いかに社内の活用を促進して開発の民主化を推進するかが重要、とIDC Japanは助言している。

国内のローコード/ノーコードプラットフォームの導入状況、37.7%が導入済み。このうち54%は2年以内の導入(出典:IDC Japan)

■[マーケティング]日本のマーケティング担当者はAI活用に積極的、データガバナンスの理解は低い(アドビ、11月9日)
・日本ではマーケティング担当の41%がAI/機械学習を積極的に活用、6カ国中最高
・データガバナンスの理解は最低で43%
・サードパーティCookie廃止に向けた方針転換は進んでいない

 アドビによる日本を含む世界6カ国の消費者とマーケティング担当者を対象にした「未来のマーケティングに関するグローバル調査」より。AI/機械学習を積極的に活用するマーケティング担当者は41%となり、6カ国中最も高かった。活用領域はコンテンツのパーソナライゼーション、コンテンツ最適化など。一方で、データガバナンスやプライバシーポリシーを「十分理解している」は43%と、6カ国中最も低い。マーケティング業界の“一大事”であるブラウザ側のサードパーティCookie廃止への対策については、あまり進んでいないとアドビは指摘している。

日本のマーケティング担当者はデータガバナンスの理解が6カ国中最も低く、「十分理解している」割合は43%(出典:アドビ)

サードパーティCooke廃止に向けた取り組みは「アイデンティティパートナーとのデータ連携」が最も多い(出典:アドビ)

■[経営]中小企業の94%がコロナでオペレーションの一部をオンライン化(セールスフォース・ドットコム、11月5日)
・中小企業の49%が過去1年でオンラインプレゼンスを強化
・長期的に非接触型サービスの提供を計画している中小企業は42%
・中小企業の従業員の51%は「柔軟な勤務体制」に期待

 セールスフォース・ドットコムがグローバルで中堅/中小企業の経営層2500人を対象に調査した「中堅・中小企業向け トレンドレポート」(第5版)の日本語版。調査期間は6~7月。コロナ禍により中小企業の94%(世界は95%)が、オンラインプレゼンス強化など、オペレーションの一部をオンラインに移行したと回答。コロナ禍を生き抜くには地域コミュニティのサポート(日本は56%、世界は69%)、自治体/政府の支援(日本は63%、世界は67%)が役立ったと答えた。

中小企業の従業員が企業に期待することとして、柔軟な勤務体制がトップに(出典:セールスフォース・ドットコム)

従業員の信頼獲得のために中小企業が行ったこと(出典:セールスフォース・ドットコム)

■[IT][経営]ガートナーが2022年以降に向けた戦略的展望トップ10発表ーー30%のチームが上司不在に(ガートナージャパン、11月11日)
・仕事の自律化とハイブリッド化が進み、2024年までに企業チームの30%が上司不在に
・2026年にはNFT(非代替性トークン)のゲーミフィケーションを活用する企業が評価の高い企業上位10社にランクインする
・2024年までにCIOの80%は業績向上が加速した理由のトップ5にコンポーザビリティを挙げる

 ガートナーが毎年発表する、IT部門とユーザーに影響を与えるIT関連の重要トレンド予測。今回、2022年以降の戦略的展望トップ10として、データ、追跡、行動、監督管理、人材、コンポーザビリティ、サイバー攻撃、顧客、暗号、デジタルという10の分野が打ち出された。仕事の自律化とハイブリッド化が進み、2024年までに企業チームの30%は上司不在になる、CIOの80%が2024年までに業績向上の加速理由の上位5項目に「コンポーザビリティによるモジュール型ビジネス再設計」を挙げる、など。

ガートナーによる「2022年以降に向けた戦略的展望トップ10」(出典:ガートナー)

■[生活]アリババのECイベント「天猫ダブルイレブン」の流通総額(GMV)は5403億元に(アリババグループ、11月12日)
・10日間の流通総額(GMV)は5403億元(約9兆6173億円)を記録
・日本企業も参加、53ブランドが初日(11月1日)半日で昨年20日間の売上高を上回る
・イベントに備え、全システムとオペレーションを完全にパブリッククラウドに移行

 日本では“ポッキーの日”の11月11日、中国では11月1日から続く恒例のオンラインショッピングイベント「天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル」の最終日となる。今年は過去最大の29万ブランドが参加、そのうち78ブランドの売上高は前年1000万元レベルから10倍増の1億元を超えた。日本企業も越境ECの「天猫国際」で参加、日本倉庫の備蓄商品数は昨年の10倍に。11月1日の半日で昨年の20日間の売上高を超えた53ブランドには、資生堂など複数の化粧品ブランドが入っている。テクノロジーでは、パブリッククラウドへの完全移行のほか、約350台の自律型配送ロボット「小蛮驢(シャオマンリュ)」が100万個以上の荷物を届けたそうだ。

「2021天猫ダブルイレブン」仕様に装飾されたアリババ本社キャンパス(中国・杭州)の様子

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