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業界人の《ことば》から 第456回

弥生は財務会計ソフトだけの会社なのか

2021年10月25日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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今回のひとこと

「弥生がやっていることは、数年前に比べて、圧倒的に幅が広がっている。弥生は、会計ソフトだけの会社ではない。業務支援だけでなく、事業支援も行う。会計ソフトの枠を超えたサービスを提供し、スモールビジネスのあらゆるステップを支え続ける事業コンシェルジュを目指す」

(弥生の岡本浩一郎社長)

 弥生は、財務会計ソフトメーカーとして知られている。

 弥生シリーズの登録ユーザー数は253万5000社に達し、5年前に比べて1.6倍に増加している。個人事業主向けのデスクトップアプリケーションでのシェアは65.6%と3分の2を占め、クラウドアプリケーションでも57.0%と圧倒的なトップシェアを獲得している。「個人事業主には、クラウドアプリケーションがかなり浸透してきた。新規ユーザーはクラウドを選択する傾向が高い」とする。また、会計事務所を対象に組織化している弥生PAP会員数が11,000事務所を突破。これは、日本最大級の会計事務所パートナーネットワークとなっている。

弥生シリーズのシェア

登録ユーザー数の推移

弥生22シリーズ

 2021年10月22日から発売した最新版の弥生22シリーズでは、法令改正への対応と業務効率化の推進といった点で進化を遂げており、Facebookが開発した自然言語処理ライブラリ「fastText」をベースにした独自技術により、SMART(自動取込自動仕訳)の推論を強化したり、年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)から弥生給与へのデータ転記するための「年調ソフト連携ツール」を提供したりといった強化を行った。

弥生シリーズの主な強化ポイント

 「SMARTでは、勘定科目の推論ロジックをベイズ推定によるものから、ニューラルネットワークによるものへと進化させた。ニューラルネットワークの精度向上は、データ量の多さがカギであり、弥生のユーザー数の大きさが推論精度の向上につながる。また、国税庁が提供する年末調整の控除申告書を作成するための年調ソフトと連携することで、事業者の作業負担を軽減することができる」(弥生の岡本浩一郎社長)という。

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