あなたにとってのシビックとはどれ?
突然ですが、CIVIC(以下シビック)と聞いて何を思い浮かべますか? 厳しい排出ガス規制「マスキー法」を世界で初めてクリアーし、Hondaの名を世界に轟かせた「CIVIC CVCC」でしょうか? それとも1985年のグループAによる全日本ツーリングカー選手権で中嶋 悟/中子 修の両名が2クラス上の「ハルトゲ BMW 635CSi」を追い回した3代目「ワンダーシビック」でしょうか?
Hondaの至宝、DOHC VTECを初搭載した4代目でしょうか。ちなみに過去のシビックで最も売れたのが5代目なのだそうです。
DOHC VTECはさらなる深化をはたし、6代目からはTYPE Rの名を冠したホットハッチが登場。ボーイズレーサーとしてアマチュアはもちろん、プロレーサーからも高い支持を集めました。
最近ではニュルブルクリンクFF最速レコードを記録した10代目シビックTYPE Rも印象に残る1 台でした。
ほかにも女優ジョディ・フォスターが「ふぇりお!」と言うCMが印象的なシビックフェリオをはじめ、様々なバリエーションモデルがありました。このように様々なモデルが頭に浮かぶのは、シビックがHondaの中でも最も長い期間、同一車名で販売されている車、いわばHondaの象徴的存在であるから。そんなシビックも来年で50周年。それを控えた今夏、待望の11代目にフルモデルチェンジしました。
はたしてどのようなクルマに仕上げられているのか? 早速ワインディングロードを走らせることにしました。
新型シビックはやんちゃではなくスマートに
流麗なスタイリングのファストバック
新型シビックは、先代よりもワイド&ローなボディーへと進化。全長4550mm、全幅1800mm、全高1415mmと、立派なCセグメントのファストバックです。
2015年に登場した10代目は、かなり精悍な印象を受けるエクステリアでした。特にハッチバックはTYPE Rの印象が強いということもありますが、センター出しマフラーや空力パーツが与えられ、かなり攻撃的な雰囲気をうけたものです。
ですが11代目シビックは、攻撃的な印象はかなり薄まり、面影は残すもののスマートな印象に。ファストバックのスタイリングは伸長されたホイールベース効果も相まって、より伸びやかな印象になりました。先代はハッチバックとセダンの両方を用意していましたが、今回登場したモデルはハッチバックのみ。ということで、先代のハッチバックと比べるとセンター出しマフラーは左右出しとしたほか、空力パーツは排除してスッキリとした印象といえるでしょう。
エクステリアに物足りなさを覚えた人には、純正アクセサリーも用意されています。「クルマは翼を授けて完成する」と信じて疑わない不肖的に、テールゲートスポイラー(4万4000円)は大のお気に入りアイテム。見た目はもちろんのこと、空力的効果があるアイテムでしょうから、スポイラーの有無を実験してみたい! ということで、時期は未定ですが記事化するつもりですので、別途お楽しみに。
気になるパワーユニットは最高出力182馬力、最大トルク240N・mを発する1.5リッター直4ターボ型。そう、e:HEV(ハイブリッド)は発売時点で用意されていないんです! ちなみにe:HEV搭載モデルは2022年に登場予定とのこと。最高出力は先代と同等ですが、トルクは20N・mアップを達成。もちろんHondaの至宝である独自の可変バルブタイミング・リフト機構VTECを搭載していますから、回せば「ンバァァァァァァァ」が楽しめます! しかも排気系の見直しが図られ「音と加速の一体感」に磨きをかけたとのこと。ますますもって「ンバァァァァァァァ」が期待できそうです。Hondaのエンジンは回してナンボですからね!
トランスミッションはCVTと6MTの2種類を用意。CVTはトルクコンバーター性能の向上をはたしたほか、全開加速におけるステップアップシフト制御などに手を加えたとのこと。6MTもショートシフトストローク化と高剛性化をしたそうです。ちなみに先代では購入者のうち3割がMTをチョイスし、本作も予約の4割がMTなのだとか。CセグメントのハッチバックでMTを用意している車種は、輸入車も含めて年々減っているのでうれしい限りです。
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