初めてシリーズに触れる人向けに本作の魅力を解説!日本ファルコムの近藤社長のインタビューも

心機一転!『英雄伝説 黎の軌跡』をシリーズ未経験の人に勧めたくなる5つの魅力

2021年10月08日 15時00分更新

文● Zenon/ASCII

魅力その2 「L.G.C.アライメント」システム

 さて、上記のようにグレーな依頼を受ける主人公だが、どう依頼をこなすかは本人の“流儀”にゆだねられている。それをプレイヤーの視点から反映できるようにしたのが「L.G.C.アライメント」というシステムだ。

 このシステムはそれぞれ「LOW」「GRAY」「CHAOS」の頭文字を取った名前で、物語中に出現する選択肢によって変動するパラメータのことを指している。

店のお金を訳あって盗んだ店員への選択肢。お金を返す手段について、「店に告白して返す」と「LOW」が、「店に隠したまま返す」だと「GRAY」が大きく上がる

 つまり、法的にいい選択肢を選ぶと「LOW」が、法的にはグレーな選択肢を選ぶと「GRAY」が、違法だったりやや強引な選択肢を選ぶと「CHAOS」がそれぞれ上がっていく。

上がる数値はゲーム内で確認できず、「+」の数で上昇幅がわかる。一定量までグラフが伸びるとランクが上がり、のちのちの物語の展開や獲得アイテムに影響するという

 具体的にはあるタイミングで共闘する組織が変わるという話だが、ファンなら肩入れしたい組織に合いそうなパラメータを重点的に上げていけばいいと直感的にわかる気がする。

 逆に初めてのプレイヤーはそういう“先読み”をせず、自分の思うがままに選択肢を選ぶのが楽しいと思うので、いずれにしても楽しめるシステムとなっているわけだ。

 なお、全部の展開を見たいという欲張りな人は、バランスよく3種のパラメータを上げて途中のセーブからやり直すか、いっそ2周目で別パターンの展開を見るようにするといいだろう。自分も恐らく全部見たくなる……!

魅力その3 テンポのいいバトルシステム

 本作の戦闘システムは、フィールド上にいる敵と直接戦う「フィールドバトル」と、素早いキャラから順番に行動する「コマンドバトル」の2種類を切り替えられる方式を採用。

 この2つはワンボタンでシームレスに切り替わるので、「ある程度、敵の体力をフィールドバトルで削ってからコマンドバトルで一掃」的な戦い方ができる。

フィールドバトルシーン。敵はそれぞれ独自のモーションで攻撃してくるので、それをステップで回避しつつこちらの攻撃を当てていく

コマンドバトルシーン。画面上部のアイコンの順番でターンが回ってきて、通常攻撃、クラフト(戦技)、アーツ(魔法)、アイテム(道具)を使い分けて戦略的に戦う

 フィールドバトルはザコ戦が主体で、なんならそれだけで倒しきる場合も多い。勝利リザルト画面などで画面が止まることもないので、フィールド・ダンジョン探索が非常にサクサク進むようになった。

 コマンドバトルは時間が止まるので、じっくり考えながら強敵と戦うスタイル。クラフトやアーツといった特殊技や魔法を駆使して味方を強化したり、相手の弱点を突いたりできるので、伝統のJRPGに慣れたプレイヤーならこちらの方がなじみ深いだろう。

キャラ固有の必殺技Sクラフト。ド派手な演出とともに、敵を一掃する高威力の攻撃などを使うことができる

 この戦闘システムがとにかく快適なので、ぜひ実際にプレイしてみてほしいと思う。もし敵が強いと感じた場合は、オプションからフィールドバトルとコマンドバトル「それぞれで」難易度調整ができるので安心してほしい。

魅力その4 奥深い「オーブメント」カスタマイズ

 各キャラクターのステータスアップや特殊効果を担う「オーブメント」システムを解説。基本は空いている穴に「クオーツ」というアイテムをはめていくことで各キャラクターの強化ができる。ちなみにクオーツは自由に取り外しも可能。

クオーツは「攻撃1」なら攻撃力がアップし、「命中1」なら命中率がアップするなど、はめるだけで効果が現れる仕組み。「●●の刃」というクオーツは攻撃時に相手を状態異常にする効果を付与するほか、レアなクオーツだとアイテムが入手しやすくなるといった効果もある

 本作ではウェポン、シールド、ドライヴ、EXTRAという4つのラインごとに穴が開いており、はめたクオーツが持つ属性値が一定数値になると、ラインごとにさまざまな効果を発動するシステムを採用している。

「ウェポン」のラインの属性値を「地×4/火×2/時×8」にした状態。攻撃時に各属性値の追加ダメージが入るようになるほか、トドメの追撃を入れてくれる「フェイタルランサー」が発動しているオススメの構成だ

「EXTRA」のラインには「命中1」と「恐怖の刃」を装着し、属性値を「空×2/幻×3」(幻は×2でOK)の状態に。すると、ミニマップに敵の位置と宝箱の位置が表示されるので非常に便利!

それぞれの位置が表示されたミニマップ。赤い三角が敵で、箱のアイコンが宝箱だ。とくに宝箱は開きそこねると戻れないダンジョンもあるので、常にこの効果は発動しておきたい

 と、このように属性値を高めることでさまざまな特殊効果が発動するので、プレイヤーごとに異なるカスタマイズができるシステムとなっている。

なお、アーツ(魔法)は本作ではクオーツと切り離され、「アーツドライバ」というアーツをまとめて記録したアイテムを装着することで使えるようになる。フリースロットもあるので、純粋に使いたいアーツの種類でセッティングできるようになった

 できるだけ初めてのプレイヤーでもわかるよう丁寧に解説したつもりだが、これは実際に触ったほうが理解しやすいシステムだと思う。少しでもその奥深さが伝わっていれば幸いだ。

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