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ウーマンラッシュアワー・村本大輔がテレビより舞台を選んだワケ

2021年09月17日 19時30分更新

文● 原田健 撮影=中川容邦

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 「第11回衛星放送協会オリジナル番組アワード」授賞式が9月7日に都内で行なわれ、グランプリに輝いた番組部門ドキュメンタリー最優秀賞の「BS12スペシャル『村本大輔はなぜテレビから消えたのか?』」(BS12 トゥエルビ)よりウーマンラッシュアワー・村本大輔が登壇した。

 同番組は、村本への密着取材を通して、テレビというメディアを見詰め直す意欲作。2013年に「THE MANZAI 2013」で優勝後、テレビの出演数が急増した村本だが、原発や沖縄の基地問題などを漫才のネタにし始めた頃からテレビ出演が激減し、2020年のテレビ出演はたった1本。テレビで見なくなった彼は、ジャーナリストさながら福島や沖縄などに足を運び、被災地の人々の生の声を聞いて回り、それらを“笑い”に変え続けていた。村本の活動を追いながら、テレビというマスメディアの存在意義と課題を浮き彫りにし、視聴者に問い掛けている。

 今回、授賞式後の村本にインタビューを行ない、受賞の感想やテレビ出演を控えたきっかけ、独演会を続ける理由などを語ってもらった。

――受賞の感想は?

「僕が普段やっていることを(密着したディレクターの)日向(史有)さんに面白く撮っていただいただけなので。ただ、在日や沖縄の問題など僕がコメディにして取り上げているものを、日向さんが大きな光で照らしてくれたので、受賞して終わりではなく、ここから“無意識的に見て見ぬふりをしていること”が少しでも広がってくれて、まだ誰かがドキュメンタリーや歌にするなど、いろんなかたちで伝えてくれればいいなと思います」

――タイトルについてはどう思われていますか?

「宣伝文句でも『テレビ出演が激減』って書かれているんですけど、本当は自分からテレビの仕事を辞めていっているのに、『激減』って言ってどんどん仕事がなくなっていっているようなイメージ操作をしているのには違和感を持ちました。『勝手に物語を作るなよ』とは思いましたが、まあそれはみんなが物語を作り合っているわけなので、何も言いませんけど」

――番組の内容についてどう思われましたか?

「実は僕、観てないんです…(苦笑)。観てないというか、観られないといった方が正しいかな。日向さんの中の“問い”と僕のやっていることでリンクしたものが、多分日向さんの中にあったと思うのですが、僕としてはちょっと恥ずかしくて観られないです。密着の時も、僕のやっていることに(取材クルーが)ただ付いて来ていただけなので、企画趣旨を汲み取るようなことはしてないんですよ。それだけカメラを意識せずにやらせてもらったのですが、意識していないぶん、観られないですね。ただ、放送後はたくさんの人たちから『(活動内容を知って)イメージが変わった』といったような反響をすごくいただきました」

――テレビ出演を控えている理由は?

「何かの主義主張を自分なりのお笑いにして伝えて笑いが起きた時の感覚は、バラエティ番組で聞く笑い声とは全く違う、何か見えない大きな物にバチーンと当てたような感じがあって、それが本当に痛快なんです。テレビは、自分の主張をしゃべらせてもらえる時間なんて取ってもらえないじゃないですか。でも、漫才や独演会は、自分の主張をただただ言わせてもらえるんで。それに加えて、少しでも多くの人に社会の現状を知ってもらえたらいいなという思いもあります。

 テレビという大きなものの中では、そこにいるためにどうしても捨てなきゃいけないものがあって、捨て続けた結果『誰も傷つけない笑い』を求められたりしますけど、そもそもお笑いは“気付き”を提供することだと思っていて、内面を傷付けることで気付かせることができるアートなんです。みんながモヤモヤしているところに、バチーンとぶつけられるような作品を残したいなって。だから、お笑い芸人としては、テレビはあくまで宣伝で、舞台が『こういったことをやっています』と主張する場所でないといけないかなと思っています」

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