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コロナ禍での環境をうまく逆手にとったチャレンジが奏功した成功例の一つ

2021年08月20日 10時00分更新

文● 原田健

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 7月13日に「第11回 衛星放送協会 オリジナル番組アワード」の最優秀賞が発表され、中継部門では「サンウルブズ ライブトレーニング フィジカルチャンピオンシップ」(J SPORTS 2)が受賞した。

 同番組は、「スーパーラグビー2020」に参戦していた日本唯一のチーム、サンウルブズのオンライントレーニングをライブ中継したもので、さまざまな国籍の選手たちが所属する同チームが、新型コロナウイルスの拡大によって離れ離れになってしまったチームの結束を図るために企画された。

 この番組の素晴らしいところは、どんな困難に見舞われようとも希望を捨てることなく、今できることをやろうという人間の前向きな姿勢が感じられるところだ。コロナ禍という空前の非常事態に陥った世界で、放送・配信・SNSという今使える技術をフル稼働して、オンラインでつながって合同トレーニングをすることを通して、ファンを含めたチームの結束を強めるという発想が、体だけでなくメンタルをも鍛えている。

 正直に言ってしまえば、画角はそれぞれ違うし、タイムラグや画質もまちまちで、けっして見やすいものではない。しかしながら、だからこそ親しみやすさが生まれ、普段は別世界のアスリートも同じ人間であることを認識でき、離れているのに近しく感じられる。画面に映り込んだ部屋の様子や試合では見られない選手の柔らかな表情に加え、ライブ放送の特長を利用した選手への質問コーナーなど、ファンにとっては貴重で特別な選手たちとの触れ合いの場となっている。

 不要不急の外出を自粛するステイホームの時間をかけがえのない楽しい時間に変えており、コロナ収束後も続けていけばいいのではと思わせてくれる。制限されたコロナ禍での環境をうまく逆手にとったチャレンジが奏功した成功例の一つではないだろうか。

 選手とファンが楽しくトレーニングをする姿から見えてくる、「不自由な環境に嘆き下を向いているだけでは何も変わらない。そんな時こそ今できることをかき集めて積み上げ、新しいことを生み出すことができる。常に前向きな姿勢でいることこそが希望の光を呼び込むことができるイノベーションの種なのだ」というメッセージを受け取ってほしい。

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