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第12回衛星放送協会オリジナル番組アワード ドキュメンタリー部門「希林と裕也 ~トリックスター夫婦の昭和平成史~」

樹木希林と内田裕也2人のトリックスターが抱えた「生きづらさ」までもひもとく

2022年07月04日 16時00分更新

文● 原田健

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 6月13日に「第12回衛星放送協会オリジナル番組アワード」の最優秀賞が発表され、ドキュメンタリー部門「希林と裕也 ~トリックスター夫婦による昭和平成史~」(NHK BSプレミアム)が受賞した。

 同番組は、樹木希林と内田裕也という世間を騒がす“トリックスター”2人のそれぞれの生い立ちから、俳優とロックンローラーとしての道のりを、昭和・平成という時代をふかんしながら、2人の結婚生活をたどっていく。

 “独特な目で世の中を見る女”樹木希林と“常に何かに怒れる男”内田裕也。2人の生まれから芸能界入り&活動の様子、運命に引き寄せられるように出会って結婚、そして、わずか1年半で別居し、その後は付かず離れずという距離感のまま結婚生活を送っていく様子を、数々の貴重な映像や写真と共に、親族や小泉今日子や岸部一徳といった証言者たちの言葉で振り返っていくのだが、手記やインタビュー記事からの引用はあれど、本人の直接の言葉ではないため2人の本心はもちろん推し量るしかない。だが、実際に2人と同じ時間を過ごし、実際にその様子を目の当たりにした人々の言葉には“重さ”が宿り、強い説得力がある。

 その“重さ”の根源は、やはり2人のパワーの強さに他ならないだろう。人を介しても伝わってくるほどの圧倒的なパワーは、激動の昭和・平成の芸能史の中でも強く輝き、世間には“異端児”に映ってしまうほどだった。だが、それは生きづらいということでもある。世間とのギャップに悩み、もがき、苦しみながら、凡人には計り知れないところで2人は補完し合い、自分たちにとってベストの距離感で歩み続けたのだ。

 世間を騒がし続けた生き様をひもとくことで、2人の“生きづらさ”にまでも迫った作品に、心が揺さぶられる。

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