あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第145回
SUVとは違うのだよ! Jeep「ラングラー アンリミテッド ルビコン」は街乗りもいける本格クロカン
2021年09月04日 12時00分更新
悪路を走るためのエンジンはとてもパワフル
気になるのはエンジン。ボンネットについているロックを外して開けると、3.6リットルのV型6気筒ターボエンジンが姿を現わします。最高出力は284馬力、最大トルクは35.4kg・mとハイパワーで、8速ATとオンデマンド方式の後二輪/四輪駆動システムによって地面に伝えられます。最終減速比は4.1とローギア―ドで、低中速重視のギアセッティングです。スタッフを驚かせたのはエンジンオイルの指定粘度が「0W20」とエコカー並の低粘度だったこと。大排気量ターボエンジンだから「10W40」といった粘度だと思っていたので意外でした。カタログ燃費はWLTCモードで8.0km/L、市街地モードで5.5km/Lとのこと。燃費は走り方で変わりますので、一概にはいえませんが、今回エアコン全開で都内の一般道を走り回ったところ5km/Lを下回りました。
ガソリンタンクの容量は81リットルですので、WLTCモードなら満タンで約640km走行できる計算になります。欧州車と異なりレギュラーガソリンに対応しているのはうれしい限りです。ですが給油の度に鍵を使うあたりは、ちょっと面倒に思うかもしれません。
ではではと運転席に乗り込もうとする唯さん。これが結構大変で、今回はパンツルックで事なきを得ましたが、スカートだと結構大変かもしれません。「質実剛健というのでしょうか。いい意味で独特の世界観ですね」と、見慣れないインテリアに驚いている様子。車内はプラスチック製ロールバーが露出しハードな印象を受けますが、赤いステッチの革製シートやステアリングによってチープな印象は皆無。「ところどころスポーツカーみたいで、特別なクルマという印象を抱きますね。でもさり気なくていいです」と高評価。
「シフトレバーの横にあるのは何ですか?」と見慣れぬレバーに興味を抱く唯さん。これは4輪駆動と2輪駆動の切り替えレバーで、一般道なら二駆、悪路なら四駆とシチュエーションによって切り替えます。二駆の方が燃費が向上すると思いましたが、メーカー担当者によると「それほど変わらないかもしれませんので、基本的にはオートモードで問題はありません」とのこと。ですので今回の試乗は四駆のままで行ないました。
その近くには赤いスイッチが。スポーツモードみたいなものと思いきや、オフロード走行時にスタビライザーのロックを外すもので、オンロード走行時にスタビライザーを外すと大きくロールするとのこと。試乗はロック状態で実施しました。
スマホ充電に便利なUSB端子は、運転席側に1個とアームレスト内に1個用意。運転席側には日本車ではいまだ珍しいUSB Type-C端子も用意されていました。カーナビ連携ももちろん可能で、Apple CarPlay、Android Autoの両方に対応しています。
カーナビは、交差点ごとに通過する直前で「〇〇交差点を直進です」と名称と進路をセットで音声案内するという日本車以上に親切なもの。都内のように交差点が多い場所では(さすがに……)とも思いつつも、いちいち画面を見なくてもよいのはいいですね。さらにメーターパネル中央にはインフォメーションディスプレイが設けられ、ナビゲーション表示もするではありませんか。タフな外観から親切機能に期待していなかった我々スタッフは「見た目はともかく普通のクルマなのかも」と考えを改めた次第です。
運転支援系もしっかり装備。リアカメラを装着し慣れない車庫入れでも安心ですし、前走車車速連動のアダプティブクルーズコントロールはストップ機能付きで、渋滞でもラクラク。残念ながら車線監視機能はないようですが、アダプティブだけでもありがたいものです。欧州車と異なり、この手のボタンが右側にあるので、日本車から乗り換えた時にもすんなりと受け入れられそう。ただワイパーとウインカーは輸入車らしく日本車とは逆位置です。

この連載の記事
-
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ -
第582回
自動車
BMW「X2 M35i」はカジュアルさとBMWらしさが高次元にバランスした日本にピッタリなSUV -
第581回
自動車
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台 -
第580回
自動車
プジョーの新SUV「3008」はデザインでの購入者が大半! リゾートホテルのような内装とクーペフォルムが牽引する -
第579回
自動車
新型「プレリュード」は今のHondaを凝縮したハイブリッドスポーツの前奏曲だ! -
第578回
自動車
クラウン・エステートで車中泊体験! 「おもてなし」シートで過ごすぜいたくなドライブ体験 - この連載の一覧へ







































