ドコモは2500億円の収入減
KDDIとソフトバンクは、その影響を年間600〜700億円と見積もっている。NTTドコモは「お客様還元として2500億円以上を見込む」と言っている。「お客様還元」といえば聞こえはいいが、要は2500億円以上、ユーザーからの収入が減るということにほかならない。
こう考えると、オンライン専用プランの契約数を最も稼いでいるNTTドコモの収益ダメージが大きく「一人負け」になっているのがよくわかる。
世間やメディアから注目を浴びているオンライン専用プランであるが、実際のところKDDIとソフトバンクはそこまで販促に注力している感じが伝わってこないのが現状だ。値下げを迫る政府の要望に応えるため、KDDIはpovo、ソフトバンクはLINEMOを仕方なく投入したが、KDDIとソフトバンクにとってpovoやLINEMOは「いまのところ本命じゃない」という見方ができるのだ。
例えば、KDDIの高橋社長はpovoのおよそ100万件に対して「UQモバイルに注力しており、(povoの契約数は)現在は落ち着いている」と語る。LINEMOの3GB・990円への対抗策についても「すぐに手は打たない。我々にはUQモバイルのでんきセット割で月額990円を提供しており、ユーザーからの評判がいい」というのだ。
ソフトバンクの宮川潤一社長も「ワイモバイルの契約者数は開示する段階ではないが、約700万まで積み上がった」と胸を張る。
この連載の記事
-
第197回
トピックス
なぜソフトバンクやKDDIのネットワークは強いのか 「2.5GHz帯のTD-LTE」最強説 -
第196回
トピックス
F1の裏に“レノボ”あり 500TBのレースデータを高速処理 -
第195回
トピックス
格安スマホ、キャリアより「シンプルで安い」とふたたび注目 -
第194回
トピックス
中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負 -
第193回
トピックス
ドコモが狙う“スマホの次“ iPhoneから「Vision」の時代へ -
第192回
トピックス
KDDI「povo」世界進出へ “黒子に徹する”新ビジネスとは -
第191回
トピックス
スマホ基地局を安くする ドコモとNECが世界展開する「オープンRAN」とは -
第190回
トピックス
KDDI対ソフトバンク “快適な5G”競争に本気出す -
第189回
トピックス
ドコモはユーザーの期待を裏切らないよう、品質改善に資金をつぎ込んでいくべきだ -
第188回
トピックス
楽天・三木谷氏、モバイルの次は“AI” アマゾンとの違い強調 -
第187回
トピックス
能登半島地震、携帯キャリア“異例”の共同会見 ライバル同士が手を取り合い、復旧活動する時代に? - この連載の一覧へ