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鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第35回

高発熱なGeForce RTX 3080 Tiのサーマルパッドを交換したら約10度も温度が低下! ~夏に備えたPC冷却ガイド~

2021年06月22日 12時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII

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グリスを塗り直して再組み立て

 カットしたサーマルパッドに交換、GPUコアにもグリスを塗り直したら、逆の手順でGPUクーラーを慎重に組み立てれば完成。あとはゲームやベンチマークを実行して、各部の温度がダウンするのを期待するだけだ。

GPUコアのグリスは、熱伝導率12.5W/m・kの「Thermal Grizzly Kryonaut」を使った

最も大事な受熱ベースのメモリー部。組み立て時に、サーマルパッドがズレないように注意したい

補強プレートとバックプレートのサーマルパッドも交換する

サーマルパッド交換でGDDR6Xのメモリー温度は10度ダウン

 ここからは、グリスの塗り直しと各部サーマルパッドの交換による冷却効果を確かめていこう。

 Ryzen 9 5900Xなどを搭載したPCに、Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」を取り付け、「ウォッチドッグス レギオン」を30分間ほどプレイした際の各部の温度を「HWiNFO64 Pro」で記録した。プレイ後半5分間のGPUコア温度(GPU Temp)、GPU回路の中出最も熱くなっているホットスポット(GPU Hot Spot Temperature)、GDDR6Xメモリーになる温度(GPU Memory Junction Temperature)を抽出している。

テスト環境
CPU AMD Ryzen 9 5900X
(12コア/24スレッド/3.7~4.8GHz)
CPUクーラー ARCTIC「Liquid Freezer II 280 Rev.4」
(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード MSI「MEG X570 UNIFY」
(AMD X570、ATX)
メモリー G.SKILL「DDR4-3600 F4-3600C16D-32GTZNC」
(DDR4-3600 16GB×2)
ビデオカード Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro」
(GeForce RTX 3080 Ti、GDDR6X 12GB)
SSD Western Digital「WD_Black SN850 NVMe WDS200T1X0E-00AFY0」
(PCIe4.0 NVMe、2TB)
電源ユニット SUPER FLOWER「LEADEX PLATINUM SE 1000W」
(80PLUS PLATINUM、1000W)
OS Microsoft「Windows 10 HOME」64bit版 20H2
(Windows 10 October 2020 Update適用)

 結果は、一目瞭然でキモのメモリー温度はサーマルパッドの交換で、10度の低下を確認できた。GPUコアやホットスポットの温度は、先日のレビュー時に一度分解、グリス(MX-4)の塗り直しをした状態なのも影響してか、まったく変化なしというちょっと残念な結果になったが、ゲーミング中にGDDR6Xメモリーが原因でゲームが落ちたり、フレームレートが低下したりといったことが発生する可能性は大きくダウンするはずだ。

サーマルパッド交換前の各部温度

サーマルパッド交換後の各部温度

30分間ゲームをプレイした後半、5分間の平均温度

分解は最終手段だがメモリーの冷却性能アップは期待大

Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」

 もともと使われているサーマルパッドや、GPUクーラーの性能次第だが、Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」では、GDDR6Xメモリーの温度に劇的な効果を発揮したサーマルパッドの交換。メーカー保証がなくなる分解は最終手段になるが、そのデメリットを踏まえたうえで、分解、サーマルパッドの交換にチャレンジするか、じっくり検討したい。

 次ページでは番外編として、分解せずに冷却性能を上げる方法と、温度を常に画面にオーバーレイ表示させる方法を紹介しよう。

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