■マルチコア化はさらに加速するか
今回のWWDCでは、事前予想に反して新しいプロセッサーやハードウェアの発表はありませんでした。しかし開発者向けの新機能の中には、これから登場する新製品のヒントが隠されているように思います。
その1つが、プログラミング言語「Swift」における並列処理のアップデートです。これまではソースコードを上から順に読むだけでは分かりにくい、複雑な入れ子構造になりがちでしたが、これをシンプルに書ける構文が追加されました。
いまどきのアプリでは、画面の操作はしっかり受け付けつつ、バックグラウンドで別の処理が進むといった並列処理は当たり前のように期待されています。しかしこれを実現するには、1人でやっていた仕事を複数人で分担するような難しさが生じます。
プログラミング言語としてこれを強化してきたということは、アップルはプロセッサーのマルチコア化をさらに進め、その性能を引き出すことを開発者に求めている印象を受けます。同時に、今後のハードウェア製品が楽しみになる発表ともいえるでしょう。
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