Japan IT Week【春】ブース取材レポート「ゲーミングPCの認知度が上がっている」
5月26日から28日にかけて、最新のIT製品/サービスが集まるIT展示会「第30回 Japan IT Week【春】」が開催された。もともと4月末に開催予定だった本展だが、新型コロナウイルスの影響で延期し、ひと月遅れでの開催となった。
本展は法人向けの展示会であり、「ソフトウェア&アプリ開発展」「セールス自動化・CRM EXPO」「組込み/エッジ コンピューティング展」「データセンター&ストレージ EXPO」「情報セキュリティ EXPO」「Web&デジタル マーケティング EXPO」「クラウド業務改革EXPO」「IoT&5G ソリューション展」「次世代EC&店舗EXPO」「AI・業務自動化展」「システム運用自動化展」の11の専門展から構成される。
今回、BTO PCメーカーの「STORM」を運営するアイティーシーが出展。ブースの様子を取材してきた。
BTO PC製品や業務向けパーツが展示
アイティーシーが出展していたのは「データセンター&ストレージ EXPO」。PCパーツ商社である同社のブースでは、業務向けのPCパーツや、同社が機材手配を担当しているサービスなどの展示が行なわれていた。
まず目を引くのはPCケースの展示。今回の展示品は販売をしていない検討段階の製品とのことだが、特徴的な2種のケースが置かれていた。同社によると、以前に比べてゲーミングPCの知名度が高まったことで、LED付きのPCに関心を示す人も増えているという。
同社が正規代理店を務めているCrucialやKontronの製品も展示。メモリーやSSDなどのほか、省スペースPC向けのベアボーンキットや業務用PCパーツなども見られた。BTO PCメーカーとしてコンシューマー向けのPCを販売する一方、業務用PCの取り扱いも行なっているため、こうした製品を展示して商談も受けているそうだ。
また、同社がコンピュータマインド社と協業で取り組んでいる「DeepEye」というシステムについても展示されていた。これはディープラーニングを用いて画像分類・物体検出できるソフトと、それを稼働させるPCが1つになったオールインパッケージとのこと。
簡易的ではあるものの、AIエンジニアでなくてもディープラーニングを活用したシステムを導入でき、画像分類を用いて製品の故障箇所を判別するといった業務への利用や、自社の業務にディープラーニングが活用できるかのテストなどを手軽に行なえるというのがコンセプトになっている。
ブーススタッフにインタビュー
第30回 Japan IT Week【春】は、新型コロナウイルスの影響で開催日の延期や会場の変更があった中、出展ブースは十分な数が見られた。今回の出展において、以前との変化があったのか、アイティーシーの第一営業部ジェネラルマネージャー 佐渡谷 直人氏にお話をお聞きした。
――今回は2年ぶりの参加とお聞きしました。参加を決めた要因は何でしょうか。
佐渡谷氏:今回出るか出ないかは悩んでいた部分はありました。ただ、ほかの展示会の話を聞くと、それなりに人は入っているというお話を聞いてたので、今回の参加を決めました。
――今回の人の集まりは、前回と比べていかがでしょうか。
佐渡谷氏:やはりトータルの人数というのは減っていると思います。ただその分、しっかりとした目的を持ってこられている方は多いです。特に、今の半導体不足の中で、それに困っていらっしゃっているお客さんが結構多いように感じます。そのためか、直接お取引につながるご相談も比較的多めな印象です。
――今回の展示の中では、どういった部分に興味を持たれている方が多いのでしょうか。
佐渡谷氏:結構満遍なくといったところですが、STORMのBTO PCの見積もりといった部分はやはり多いです。例年ではメモリー単体などパーツ単位のお話も多かったのですが、今回はパーツ単体というより、PCとして完成した製品でのお話が多かったです。
――今回はAIに関するサービスのように、ハードウェアだけでない製品も展示されてます。
佐渡谷氏:一応毎年、自社だけではできない分野のビジネスを、協業する会社さんとの展示で出させてもらっています。今年はAIが重要なテーマとしてあったので、そうしたサービスを展示させていただき、関心を持っていただけるお客さんもいらっしゃっています。
――他社さんとの協業という形のビジネスを展示されていることは結構多いのでしょうか。
佐渡谷氏:そうですね。やはりソフト開発をされている会社さんとのものが多いです。以前やった中では、業務用の組み込み型PCのソフトなども展示しました。あとはゲーミングPCの展示に関して、かなり認知度が上がったなという印象があります。
――今回展示しているPCケースも、かなり特殊な見た目をしているものもありましたね。
佐渡谷氏:こうしたLEDがピカピカ光っているPCの展示は、以前は「これは何ですか?」と聞かれることも多かったのですが、いまは光らせておけばすぐゲーミングPCだと気づいてもらえるようになりました。特に若い方の中での認知度は高いですね。
――やはり、そうした目を引くPCを置いておくことで、足を止めてもらえることが増えているといった印象はありますか。
佐渡谷氏:はい。営業としては、こういった場でいかにお客さんのニーズを聞き出すかということが重要になってきますので、こうした展示で足を止めてもらった中で、いろいろとお話させていただくといった流れが多いですね。
――半導体不足などは御社でも少なからず影響はあるのではないかと思うのですが、そうした中でのお取引ではどういったことを意識されているのですか。
佐渡谷氏:とにかくあやふやなことを言わないというのを意識しています。製品の入荷に関しても、今の時世では着いてみたら予定よりも数が減っていたといったことも少なくないので、ちゃんと倉庫に入ったもののみを案内する、というように心がけています。
――現在はコロナ禍の中ではありますが、今後こうした展示会などがあった場合、なるべく参加していきたいといった意思はお持ちでしょうか。
佐渡谷氏:はい、もちろん感染対策は万全にした上でですが、できるだけ参加していきたいと思っています。今はイベントもオンライン上でのものが増えていますが、そうした中だとお話が発展しづらく、対面での相談というものを求めていらっしゃる企業さんは多いです。あとは、同窓会ではないですが、イベントに顔を出して会社同士横のつながりを大切にするという意味でも、こうした場は大切にしていきたいですね。
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