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業務を変えるkintoneユーザー事例 第102回

kintone hive fukuoka開催 「十本ぬ指や同丈や無ぇーらん」に行き着くまで

琉球ガラスの工芸会社だから作れた「仕事にフィットする」kintoneのシステム

2021年05月28日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真●サイボウズ

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kintoneアプリの難易度と貢献度は比例しない

 當眞氏はkintoneアプリ作成の気づきとして、「難易度と貢献度は比例しない」という例として、発注管理アプリと伝票アプリの比較を披露した。

 発注管理アプリをいわゆる対面開発の手法を用いて、ほぼ20分で開発した。當眞氏と工場スタッフ、倉庫スタッフの3名で会議を行ない、工場スタッフは発注のときに書いてほしいこと、倉庫スタッフは生産のときに書いてほしいことをお互いがすりあわせて作った。7フィールドのみのアプリで、かかったのはたった20分だ。

 一方、伝票アプリは導入まで3ヶ月かかり、浸透まではさらに半年かかった。でも、結果としては、対面開発で作った7フィールドのアプリの方が圧倒的に好評だった。「難しい設計をして、ちょっとおごりもあった。でも、まず現場の声を聞くほうが貢献できると思いました」と當眞氏は感想を語る。

20分で作ったアプリの方が評価が高かった

 もう1つは「kintoneは掛け合わせに強い」という特徴だ。たとえば、今回のkintoneとスマレジの場合は、kintoneの操作に不慣れでも、POSシステムからの情報をkintoneに流し込むことができている。また、kintoneとバーコードリーダーを組み合わせれば、キーボードよりも早くスキャンすることもできる。

 さらに、kintoneとプリントクリエイターを組み合わせれば帳票もきれいに出力できるので、紙でも使いやすい。紙は電源も、WiFiも要らないし、参照しやすくて安い。「画板を組み合わせて、より使いやすい仕事のやり方を実現できました」と當眞氏は語る。

「十本ぬ指や同丈や無ぇーらん」

 今後の展望も「スマレジとkintone、ECサイトでの在庫連携」「吹きガラス体験のオンライン予約」「カスタムグラスの受注/生産/発送管理」「1万商品の品番の付け直し」「出張販売の仕組みの構築」など拡がっており、改善(ヒット)の余地はたくさん。

 當眞氏はkintoneを使う中で「十本ぬ指や同丈や無ぇーらん」という沖縄の黄金言葉(=金言)が頭をよぎったという。これは「十本の指の高さが同じでないように 人も十人いれば顔も形も違うし、それぞれの個性や価値観ががある」という例え。「それぞれの個性や価値観に寄り添って、手を取り合ってチームワークを発揮することが大事だなと理解しています」

「十本ぬ指や同丈や無ぇーらん」

 職人たちが作るものは「暮らしにフィットするモノ」だが、kintoneで作ったのは「仕事にフィットするモノ」だったという。「さまざまな歴史や生活様式の変化に生き残ってきた琉球ガラスを作る職人と働いているからこそ、私たちも仕事にフィットするモノが作れると思います。琉球ガラス作りと業務改善のチームワーク、そしてkintoneなどで『ちょっといい毎日を』」と語る當眞氏。最後に沖縄社員旅行を有意義にすべく、RGCのkintone事例を現地で公開するコースを実施するとアピールし、「琉球ガラス村へ、めんそーれ」と締めた。

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