ターン制で進行する抗争
次の行動を読み取って勝利を掴め!
本作の戦闘は、TPS(三人称視点)やFPS(一人称視点)ではなく、ストラテジーゲームでおなじみのターン制を採用している。ボスと構成員を順番に操作して敵対するファミリーと戦う。敵対するファミリーが所有する施設を略奪したり、邪魔なファミリーを壊滅したりして、自らのシマを拡大していく。
味方側のターンでは、移動する、攻撃する、固有スキル(ボスアビリティなど)を使うといった操作が可能だ。遮蔽物の裏に隠れる、遠距離にいる敵を攻撃する、視界に入った敵を自動的に攻撃するなどのコマンドを実行するたびに、行動できる回数が減っていく。この回数が全部なくなると自動的にターンが終了し、次の味方か敵のターンに切り替わるわけだ。
戦う際は敵の数を減らして人数有利を得ることが肝心だ。ステージの環境はもちろんのこと、敵のスキルと装備、配置をチェックして攻略の糸口を模索しなければならない。アクションゲームならまだしも、ストラテジーゲームの場合はゴリ押しが通用しないため、一歩先を読む力と閃きが求められる。
攻略のヒントを挙げるならば、お金を投資して優秀な人材をスカウトする、強い装備を購入する、各キャラクターの固有スキルを活用するなど。また、ボスと構成員をどう配置するかだけでなく、ターンの順番から次に行動する敵の移動距離や射程範囲など、先を想像しながら戦略を練る必要もあるだろう。
状況によっては、ほかのファミリーのボスと対話するイベントが発生。プレイヤーに与えられた選択肢は、相手が提示した条件(お金を払えetc)を呑んで仲良くするか、映画「アウトレイジ」みたいに「うるせぇ馬鹿野郎っ!」と啖呵を切って抗争を起こすかのいずれかだ。どうするかはプレイヤー次第だが、ご機嫌を取ってばかりだとお金を搾取されて大損なので、時機がきたら"アウトレイジ"するといいかもしれない。
シミュレーション感覚のマフィア稼業に加え、ターン制を採用した抗争もまたユニークかつ刺激的だった。こういったストラテジーゲームはほかのタイトルでも軽くプレイしたことがあるが、私の好きなマフィアに焦点を当てている点に好感を抱いた。
シミュレーション感覚で楽しめるクライムストラテジー
酒と金と銃弾の三拍子がそろったマフィア稼業を体験できるEmpire of Sin。禁酒法下のシカゴを舞台にした重厚なストーリーに、異なる特性を持つ14人のボスたち、ビジネスと抗争で暗黒街の頂点を目指すストラテジー要素と、病みつきになる魅力が秘められている。なにより1920年代に絞っているのが個人的にうれしく、あのアル・カポネを操作できる時点で心が躍ったものだ。
今回の試遊では、Nintendo Switch版をプレイした。携帯モードであれば場所を選ばず、かつ自由な姿勢で遊べるのがいい。もし大画面で遊びたくなったテレビモードに切り替えるだけで済むので、好みのプレイスタイルで本作を堪能できる。
本作は、マフィアを題材にしたストラテジーゲームをプレイしてみたい人、マフィア映画が好きな人、禁酒法時代に興味がある人は、ぜひ購入を検討してみてほしいものだ。
ゲーム情報
タイトル:Empire of Sin(エンパイア・オブ・シン)
ジャンル:クライムストラテジー
販売:セガ
版権元:Paradox Interactive
開発元:Romero Games
プラットフォーム:PlayStation 4/Nintendo Switch
発売日:2021年2月25日(発売中)
価格:6589円 CERO:D(17歳以上対象)
©2020 Paradox Interactive. ©SEGA. All rights reserved. Developed by Romero Games.
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