●2021年のWWDC、注目ポイント
アップルは2020年のWWDCで、Macを自社設計のApple Siliconへ移行させることを宣言しました。その後登場したM1搭載Macまで見ても、近年で最もインパクトの大きなWWDCだったと振り返れます。
では、2021年のWWDCの注目ポイントはどこになるのでしょうか?
まずは、既に搭載デバイスが増えつつある中で、まだ積極的に活用されていないハードウェアをどうするのかというポイントがあります。たとえば超広帯域で正確な測距が可能なU1チップの存在です。
iPhone 11に初めて搭載され、iPhone 12シリーズ、Apple Watch Series 6、そしてHomePod miniにも搭載されました。現在はAirDropで相手を探したり、iPhoneとHomePod miniのペアリングでの活用に留まっていますが、まだまだいろいろな可能性を秘めています。特に、HomePod miniに搭載されている点が気になっています。
複数のHomePod miniを部屋に設置すれば、相互に位置関係を認識し、部屋の中の位置や動きをより正確にとらえられるようになります。
前回の記事でご紹介した「HomePod miniを複数台設置することでサラウンド環境を作り上げる」アイデアのほかに、そもそも部屋に探しているデバイスがあるのかどうかを調べることができます。
アップルは各デバイスのアプリとして「探す」(FindMy)を提供していますが、現在はGPSベースの位置情報であるため、家にありそうだとわかっても、部屋のどこにあるかまでは分かりません。U1チップを搭載するデバイスが増え、部屋にHomePod miniとしてU1チップが置かれていれば、Siriが、探し物の場所を、HomeKitで設定した部屋の名前を通じて教えてくれる、といったことはできそうです。
HomePod miniを2台設置した部屋の中で、Apple Watch Series 6を装着している人の動きをとらえることもできます。固定された2点と、Apple Watchの動く人の位置や動きをとらえることで、部屋の中のストレッチなどのエクササイズの計測に、正確性が増すかもしれません。
とくにAppleは、サブスクリプションサービス「Fitness+」を提供しており、Apple Watchの心拍数と連動する仕組みを実現していますが、連携する情報を、体の動きにまで拡げていくことができることになります。

この連載の記事
-
第321回
トピックス
10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か -
第320回
トピックス
アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に -
第319回
トピックス
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは -
第318回
iPhone
アップル「iPhone」「iPad」最も注目すべき4つの新機能 #WWDC25 -
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 - この連載の一覧へ









