綿密に準備してきたGIGAスクール構想
もうひとつのGIGAスクール構想においては、ベネット社長自らが、事前に綿密な準備を進めてきた経緯がある。
2020年1月30日に整備予算が成立すると、レノボ・ジャパンは、2020年3月3日には、会見を開き、GIGAスクール構想に対応した「GIGAスクールパック」の提供を開始することを、いち早く発表。
Windows 10を搭載した「Lenovo ideapad D330」と、Chrome OSを搭載した「Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen」を用意し、そこに、NTTコミュニケーションズのクラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」、端末設定やセキュリティ管理を行なう「端末管理ツール」、東京書籍とレノボが共同開発した学校用プログラミング教材「みんなでプログラミング」、アドビシステムズのクリエイティブツール「Adobe Spark」をパッケージ化し、補助金内で収まる1台あたり4万4990円の価格設定とした。
MM総研の調べによると、GIGAスクール構想によって導入されたWindowsおよびChrome OSを搭載したPCでは、レノボ・ジャパンが28.1%とトップシェアを獲得。調査では、Chromebook を109 自治体に、Windows を127 自治体に導入しており、神戸市や、札幌市、千葉市では、10 万台規模の導入実績があったという。
「GIGAスクール向けには、WindowsおよびChromebookにおいてトップシェアを獲得している。レノボは、教育に力を入れているPCメーカーであることを知ってほしい」と、ベネット社長は力を込めた。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ