●街を横断&縦断! 総額200億円かけたBIGプロジェクトが始動
問題を解決するために、さまざまな工夫を楽しめるのも本作の特徴。2つ目のシナリオ「夢と希望の街」にて、バス停(バスの運営もできる)に人が溜まり過ぎてしまい、交通の便が悪いとクレームが入ってしまった。そんなとき、筆者が対応したやり方を一例として紹介する。
問題はバスの「輸送力」不足なので、解決方法は3通り考えられる。
1.バスの本数そのものを増やす(費用:中/効果:中)
2.途中にバス停を設けてピストン輸送する(費用:安/効果:小)
3.線路をつなげて列車主体にする(費用:高/効果:大)
シナリオの趣旨としてはバス主体でクリアしたいところなので、まずは案1、2をやってみることに。試行錯誤を繰り返して、少しずつ観光客をスムーズに輸送できるようになっていった。
しかし、それにも限界が訪れる。初期からつながる南の隣町だけでなく、西と北の観光客も呼び込んだ結果、バスの本数増加やピストン輸送戦法だけでは、さばけなくなってしまったのだ。
ということで案3の出番である。ちょうど街の中央にある遊園地(イベリアランド)のそばに列車の駅を敷設し、鉄道を多少強引にでも直線的に伸ばして南北西の駅と接続を試みることに。
こうして、中央の遊園地に南北西の街から直通の列車が通るようになり、交通の便はすこぶるよくなった。やはりバスでは40人定員で、満員乗車にしても80人くらいが限度だったが、列車だと400人とか一度に運べるのでパワーが違う。さらに客が増えたら3両編成から5両編成とかに増やすことで、簡単に対応可能なのも◎。
あとは北の山奥にある温泉も観光資源だったので、トンネルを掘る技術を取得して北の駅と直接つなげたりもした。これに50億円ほどかけることに。距離は短いが、トンネルはやはり費用がかさんだ。
●総評(感想まとめ)
筆者は初めて『A列車で行こう』シリーズに触れたが、最初の2つのシナリオを楽しくプレイし、無事にクリアすることができた。そのため、最初は難しそうに感じるかもしれないが、シリーズ初心者でもまったく問題なく遊べることは保証する。
やや気になった点としては、データを読み込む際のロード時間の長さだろうか。ゲーム起動から動かせるようになるまで、データによっては1分以上かかる。また、途中のセーブも気軽にするには少々重い。
ただし、マップ全体の街がシームレスで動くことを考えれば納得のいくレベルと言えるのであまり気にならない。
ゲームシステムは図付きで説明が入るので、とてもわかりやすかった。実体験としてお金の管理をすることになるので、経営や会計の基本を学ぶという意味でも非常に優れたゲームだと思う。
また、Nintendo Switchなので、携帯モードで寝ころびながら遊べるのも◎。やはりこういった長時間没頭して遊ぶタイプのゲームとは、非常に相性がいい。
2つの若葉マークが付いたシナリオをクリアすると、スタッフロールが流れてひとまずの区切りとなる。しかし、本作はここからが本番と言っても過言ではない。用意されたシナリオだけでもまだ6個あるし、地形の編集や建物の配置などに制限がなく、自由に街とシナリオを作れる「コンストラクションモード」もある。
そこで作成した自分だけのオリジナルシナリオをほかのプレイヤーへ公開することも、逆にほかのプレイヤーが作ったシナリオをダウンロードすることもできるので、初心者・ベテランを問わず、かなり長く楽しめるだろう。
都市開発モノのゲームとしては非常に奥深く、やり込みも充実している反面、初心者でもとっつきやすい工夫がなされていると感じた本作。まだシリーズをプレイしたことのない人にこそ、ぜひ手に取ってもらいたい。
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【ゲーム情報】
タイトル:A列車で行こう はじまる観光計画
ジャンル:都市開発鉄道シミュレーションゲーム
企画・開発:アートディンク
プラットフォーム:Nintendo Switch
発売日:発売中(2021年3月12日)
価格:7678円(パッケージ/ダウンロード)
プレイ人数:1人
CERO:A(全年齢対象)
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